『一度きりの大泉の話』

 

萩尾望都の自伝。

 

前の記事『少年の名はジルベール』が

好評だった余波で、望都さんにも

色々なお話が飛び込んでくるようになり……

という経緯の元に描かれた、一種の暴露本です。

 

望都さんにとって大泉時代は

「物語」として消費されたくない出来事とはいえ

人間は事実を元にした「おはなし」が大好きな生き物なので(!)

「ずっと」は叶わないだろうなあ……

 

ということはわかりきっている前提で

あくまでも私たち読者に向けられた本なのでしょうね。

 

元々狭い範囲の「24年組」に不満を抱いていた個体なので

(広範囲だと十代で本当に大好きだったのは青池保子・山田ミネコ。

山岸凉子にはまっていくのは二十代以降)

この機会に「24年組」表現が廃れるのは

歓迎しちゃうかもしれんです。

 

以下、感想です。

 

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「萩尾望都SF原画展」

 

東京・武蔵野市立吉祥寺美術館にて

4月9日(日)より5月29日(日)まで開催。

入場料、なんと100円です。

告知を知った時から楽しみにしていた展覧会!

先日やっと行くことができました。

(そしてこれ坂田靖子展でも書きましたけど、

恐竜博まだ行けていない……来週の予定ですが・汗)

 

GW明け、5月6日(金)より

一部展示入れ替えがあるのとのことなので

もう1回は行ってこようと思います。

(その場合の感想は追記扱いになるかと)

 

現在発売中の『萩尾望都 SFアートワークス』は

こちらの展覧会に合わせた内容ともなっています。

書籍・原画展どちらが先でも楽しめますが

合わせるととてもすばらしいですよ!

 

***

16.05.11、追記しました。

入れ替え後の感想も合わせて表記しました。

また、原画展の作品目録をまとめているファンサイト様が

ありました。HPはこちらです。

***

 

では、以下感想となります。

作品の感想をまじえていくので、結構長文です。

 

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『残酷な神が支配する』

 

萩尾望都の作品。

 

ようやく読んだのは昨年の12月で

メモをちょこちょこ残していたのですが

上手にまとめられず、ずるずるかかっていました。

 

まだ不満はありますが

とりあえず公開してしまいます。

物語の感想は前半のみで

後半は「告白の否認」について。

 

※19.07.05に加筆・修正※

 

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『精霊狩り』

 

萩尾望都の作品。1971-74年発表。

全3編からなる、SF・コメディ短編連作。

第三次世界大戦後の近未来が舞台

「精霊」と呼ばれる超能力者たちと

それらを狩ろうするとする人間たちの物語。

 

私が所有しているのは1976年発行

当時の小学館文庫。同時収録作品は

・『キャベツ畑の遺産相続人』

・『オーマイ ケセィラ セラ』

・『ハワードさんの新聞広告』

あとがきあり。解説は大島弓子!

 

初めて読んだ望都さんの作品集です。

当時は作者名が読めなかった!

のちに本名と知って驚愕しました。

 

萩尾望都という作家のイメージを決定づけた

私にとっての四大作品は次の通り。

・『精霊狩り』

・『百億の昼と千億の夜』

・『スター・レッド』

・『メッシュ』

 

……趣味の合わなさそうな方は

読まないほうがいいかもしれません(汗)

以下ネタバレです!

 

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