『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

 

通称はゴジラKOM、もしくはドハゴジに

なるのかな?ここではドハゴジで行きます。

 

初日に鑑賞してまいりました〜。

そしてもう映画館で観ることはないかな(爆)

最初の頃に公開された予告編などでは

選曲も相まって結構楽しみにしていた作品だったのですが。

 

・過去音楽を使う(ゴジラ、モスラのテーマ)

・関係者とはいえ未成年の女の子が戦場にいる

・流出映像にて科学者がギドラを起こしている

・流出映像にてラドンが人を喰っている

 

あたりを見て、お、風向き変わったぞ!と感じまして。

まあお祭り映画だと思って行くかーという

構えでいたのですが、まあその結果。

 

すごい!ここまで愛と金をかけた

『ウルトラファイト』は初めて見た!!

私の趣味じゃないけど、ここまで振り切ったことは

絶賛に値する「怪作」!!!

 

という感想に落ち着きました(笑)

VSシリーズ、FW、アニゴジのいいところを

全部凝縮した濃厚な映画でした……疲れたぜ。

懐かしの『ゴジラアイランド』のOPを歌いたくなってきます。

 

ゴジラ、モスラのテーマがほぼそのまま来るし

(ギドラ、ラドンはアレンジだったのに)

過去の鳴き声じゃんじゃんかかるわ

(日本のゴジラの鳴き声来た時はドリンク噴きそうになった)

メタ発言出まくる楽屋オチ感が凄まじいし

(完全に巻末おまけマンガとか二次創作のノリ)

よくぞここまで加速装置使いきったものだ!!と思うのです。

 

これは評論家受けは絶対に悪い……てかこれ評価されたら

娯楽作品の世界崩壊が始まると思ってよいぞ(笑)

いくつか見た意見は正直、皆さま優しいよ……くらいには思う。

私ならもっとけちょんけちょんに書いてやるので(笑)

 

エンディングはもはや点目になっていて

これ最後にカット!お疲れ様でした──!!って声がかかって

退場した人間も怪獣もわらわら集まって、打ち上げ行く構図をバックに

「完」という文字が最後に出るんだと思いました。

もちろん真っ赤な夕陽だぜ……まる。

 

私の個人的な好みによるグチとは切り分けて要求するとすれば

ここまで楽屋オチ祭り映画に振り切るのであれば

なぜ!宇宙人を参戦させなかった!!に尽きますね。

いや実はすでに潜入されているのかな。

でもあのラストじゃ確信にまでは至らないしなあ……

 

私はジャンルは沼ではなく、海だと思っていまして。

最大公約数ファンに同調できない人たちも

海で遊んでいるならファンだよ、と

自分のために文章や作品を作っておりますので

好き勝手書かせていただきます。

 

音楽・鳴き声の流用には反対派の怪獣好きのため

ぶっちゃけ、褒める部分はほぼ終了しております。

 

自分が生まれた後の作品であれば

ウルトラシリーズは『ウルトラマンG』

ゴジラシリーズは『GODZILLA』(2014)が

一番好きという、特撮界隈でも超レア個体の

感想となりますので、合わない方は回れ右。

 

以下、ネタバレです。

 

 

 

☆怪獣

昨年見たアニモスのまっくろ手抜きCGが衝撃で

スタッフは末代まで祟ってやると思ったぐらいのモスラ信者なので

(古今東西最強の推しキャラ、ただし恋愛対象ではない)

今回のモスラがちゃんと作ってあって

そこだけでチケット代回収できましたね!

 

わりと序盤からモスラが出てくれたので

出番は少なかったのですが満足です。

デザインもアップになるとかわいい……強くて嬉しい……

フィギュアセット売りするなら幼虫と成虫にしてほしかった……

 

羽化の場面は月の光がよくお似合い、まぶしすぎて見えない……

成虫が糸吐くのは初めて見ましたけど

過去の技使えるのポケモンっぽいな!

 

ゴジラ大好きなモスラは初めて見たので新鮮でしたね。

ただ監督の「アバター」っぽさも感じるので

(バトラはまだわかるが、見知らぬ異種族であるゴジラに

なぜデザインが近いのか、なぜコールを送るのかなどなど)

そこはざっくりマイナスかなー。

 

とはいえ特定部族の守護獣でありそれ以外に冷たいモスラって

第一作でしか見られない貴重ぶりなので

それを待ち望むのも間違ってるのかなと悩むのですが。

 

やはりMUTO夫妻で出来が保証されていた

ギャレモスが見たかった気持ちは強いです。

おひろめされることのなかった幻のキャラは

故人のような無敵さがあるよね。

 

ゴジラのデザインは圧倒的にギャレゴジのほうが好みなので

日本のゴジラに寄せるなら一から作り直すぐらいの

気概は見せてほしかったかもしれないのだ。

なのでバーニングゴジラはよかったですね、でろんでろんしとる。

 

予告でなんで空に向かって吠えてるんだ、合図?と思っていたのが

まさか復活後のテンションアゲアゲ状態とは思わないよ……

その後の動きがアグレッシブになっていたのは納得です。

人間迷惑しかかけていないのに、ギドラ倒してくれてありがとう。

「真の王」に即位する流れはホントVSシリーズだなと思いました。

 

おうち破壊されちゃったけどどうするんだろう……

髑髏島に引っ越しするのかな。

あの神殿楽しそうな要素がたくさんあったのに

カタカナのゴジラで楽屋オチになってしまって残念でした。

 

今回のギドラのデザインは、翼に腕がちゃんと入っていて

すごくいい!!ため、動くのを楽しみしておりました。

ギドラちゃんの首の性格違うところは好き。

アニギドちゃんもそんな感じだったので完全体見たかったよな。

 

龍の巣に住まう嵐を巻き起こす宇宙怪獣

「偽りの王」なのはいいんだけど

こっちでも人喰いかよー!!というのはとっても残念でした。

でも喰わない首の子もいるのかな?ぺろぺろさんに対し

やめんかい!みたいな動きはかわいかったです。

 

ラドンはせっかくかっこよく登場したのに

怪獣相手だとあんまり強くなかったのと

すぐ頭下げちゃうのが残念だったかなー。

監督のラドン愛はそっちに向かうのか……

某アンギラちゃんみたいなことになってるけどいいのか!?

 

ハリケーンギドラ~オキシジェンデストロイヤー~

モスラアタック~バーニングゴジラから逃げ切るって

なかなかの死亡フラグ回避率ですし

あの生命力はすばらしいんだけどなあ……!!

 

怪獣の総数は17体とのことなので

他の子ももうちょっとだけでも顔見せしてほしかったですね。

コングさんは次の主役だから出なくてもいいんだけど。

マンモスさんかわいいな!と思いました。

 

ただ私はMUTO信者でもあるので

ときめきパートであるキスシーンにモザイクかけられたり

最後頭を下げているところはわりと腹が立ちました。

出せばいいってもんじゃねえんだよ、FWは悪夢だった。

 

次回作ではメカなんとかさんが出るでしょうし

デストロイアやビオランテにも出るチャンスは

残っている気がします。なのでコングさんは

キングシーサー路線が平和に終わりそうなんですが

宣伝からするとどうなるやら……やはりVSシリーズであった。

 

エンディングでの地球再生の流れは

点目になりながら見ていました……

ここの地球さんと守護怪獣の関係は

グレートみたいな強固さはなさそうなんだけどねえ?

あっちの地球さんならわかるんだけどね。

 

あとはスタッフロールにて怪獣の名前の後に

himself、herselfが続くのを見て

楽屋オチだ…楽屋オチだ……とおののいておりました。

 

エンディング「映像」ならいいのですが

「スタッフ」ロールでは、中島春雄やアンディ・サーキスといった

キャラクターに命を宿らせてくれた皆さんの名前を見たいんですよ!

大昔の怪獣作品の時からちゃんと名前は出てるのに――!!

ウルトラマンだって役者さん、みんな覚えてるのに――!!

 

今回ならギドラの首を演じてくださった皆さんの

名前を出してくれるほうが、絶対にテンション上がりましたね。

怪獣愛があるなら役者さんや作家さんを大事にしてほしいものだ。

 

 

☆音楽

ギドラやラドンのテーマのような作り方は好きでした。

般若心経はいいですね、あの世に送られそう……

アニゴジのギドラのテーマもよかったしなあ

近寄ってはならぬ感は侵略生命体には重要ですね!

 

ゴジラのテーマはソイヤッサバージョンはいいなと思うのですが

初代さんのいない世界で(ギャレス監督はいたことを想定してはいたとはいえ)

まじめなバージョンが鳴り響くと結構ドン引き。

日本ゴジラの鳴き声のくだりは飲み物噴きそうになりますし

ちゃんとオリジナル曲作ればいいのにねーとは思います。

 

モスラのテーマもインドネシア語のまじない曲なので

ああいう風に使われるのはやっぱ嫌でした。

新曲用意してほしかったなー。

大島モスラきれいだったからあんな感じがいいな。

 

『シティーハンター』はこだま監督によるお祭り映画だったし

『名探偵ピカチュウ』は「おまけ映像」だったし

ああいう既存曲の使い方はむしろわくわくするのになあ。

楽屋オチ感がすげえ……とそこですっと気持ちが冷えるのは

逆に興味深かったのです。

やはりシンゴジさんは見てはならない。もっと酷いことになる。

 

なので『2001年宇宙の旅』のように

全曲クラシック曲で構成する、ぐらいに振り切ったほうが

私は楽しめたのかなあ、とも思ったのです。

予告編はどれも楽しかったしね!

 

 

☆画面

絵コンテはわりと最悪に近くて

もうちょっと引きの構図とか見たかったです

全体で何をしているのかさっぱりわからん。

二次創作マンガだと思っちゃうのはここが原因。

 

全体構図できれいだと思ったカットが

ほぼ全部予告編で出終わってるとか

思わないでしょー!ギドラちゃんと十字架とか

(初代さんは確か鳥居のショットがあったなあ)

滝・空のモスラとかはきれいだったから

ああいう映像もっと欲しかったよー。

 

あと全体的にぐろい描写がしっかり映ってるので

(まあスピルバーグほど悪趣味ではないが)

そこはいらん!的にも感じました。

せっかく画面暗くしてるんだから、もっとごまかせ!!

 

 

さて人間の話に移ります。

メインの一家は酷かったので最後に回す(爆)

 

 

☆モナーク科学者

会議の場面にて、怪獣たちを生態系上位に

してしまうのはちょっとやりすぎかな。

状況がひっぱくしているのも影響しているでしょうが。

 

トップの人たちが現場主義なのはいいとして

私設軍があるのも進歩していてよいとして

モナークの皆さんの資金源はどこだろう……

と、思ったりもしました。グレートだと

隊長がスポンサーを募ったりしていたな。

 

セリザワ博士に核兵器使わせてしまうことに

メタ視点を感じてしまって、私はダメ派でした。

「old friend」のくだりは好きだけどね。

 

セリザワ博士の見せ場に限らず

放射能の扱いがますます粗雑になっていて

どこからつっこめばいいのかわからん(爆)

 

ゴジラシリーズ全般の放射能の扱いがしっかりしているとは

思いませんけれど、過去作品でやらかしていることは

言い訳にならないと思うんだけどなあ……

アップデートされない新作に用はないので。

 

グレアム博士のあっけない退場については

パシリムのマコさんの悲劇再び!と構えてしまったのですが

チェン博士のキャラクターも

まあまあよかったので許します。

 

チェン博士・リン博士に双子要素を持ってくるのは

面白いなあ、と思ったキャラクターでした。

でも同じ場面に居合わせてほしかったかな、粗雑ー。

途中インファント島出てきていたかな。

 

役者さんがチャン・ツィーの関係で

撮影時に『SAYURI』映像にて

監督自ら遊んでいたらしいというのは

ドン引き案件でありましたが。勘弁してくださいよ。

 

 

☆モナーク私設軍

大佐はいい役をもらってるなあと思いました。

狙撃手もできる「キャプテン」とか最高やん……

軍人視点がなかったら人間パートが

ますます悪化していたように思うので存在に感謝。

 

あと部下さんがアメリカ作品らしいツッコミをしていて

それはよかったなあ。メタっぽかったですけれど。

家出発言については応援上映でものすごく盛り上がりそうだよな。

 

オスプレイ型戦闘機(音が違う気がする)を

複数配備できる主力艦ってすごいですよね。

あのへんの謎兵器にVSシリーズ味を感じてしまう。

 

 

☆アメリカ軍

なつかしのステンツ提督の口から

オキシジェンデストロイヤーの文字が

出てきて、椅子からずりおちそうになりました。

そして発射済み……え、何これ、ギャグなの。

 

ブロディ一家の出番がなくてほっとしました。

まあギャレゴジの世界はギャレゴジの世界で続いていて

ドハゴジの世界は分岐した世界のひとつという認識なので

(パラレルワールドはいい意味でも悪い意味でも受け手の最強の味方!)

あちらのサンフランシスコは怪獣大戦争になったとしても

大丈夫なのだろう、多分。

 

 

ではとどめに主人公一家行きます。

さらっとテロリストにも触れている。

 

 

☆ラッセル一家

前作のブロディ一家と比べると

すんげー邪魔、邪魔すぎる。

なので個々の名前を速攻で忘れました……

 

人間ドラマが〜の批判ポイントは

ほぼこの一家が要因なのではと思っています。

他科学者や軍人やテロリストは悪くなかったぞい。

まあキチガイぞろいなのはVSっぽいと思いますけど。

(だからVSシリーズ、全体的には好きじゃないんだよなあ)

 

セリザワ博士が自ら核兵器を使うという

彼の人生に対し矛盾に満ちた特攻をしかけているだけに

ラストの感動っぽいシーンについていけない。

あと母親死んでない気がする。ゾンビ状態で出てきても驚かない。

 

ここの一家はもうちょっと手入れできんかったのか

誰がGoサイン出したんだろう……?

監督が人間ドラマ要素嫌いなのは構わないんだけど

だったら全カットしてくれないかなあ。

基本的に嫌われているのは「邪魔」な人間ドラマだろうに。

 

キャラクターの年齢、映画冒頭時の所在地を

どうしてもそのままにしたいなら

母親は娘の生存権と引き換えに

テロリストに従うことを承知するぐらいにしないとねー。

ゴジラ映画界最強の「モンスター」が誕生している、すごかった。

 

テロリストのリーダーのほうが

「怪獣の支配する世界」について理解できていて

彼の発言に正当性が与えられるようになってしまうのは

よくないと思うぞ?創作でもだめだぞ??

 

そしてあんなにでっかい娘が

世界改変計画、テロリストに従うことを承知するって

何なの……わけがわからないよ……?

誰も死なないですむはずがないだろう。

サバイバルできるからこの子は大丈夫、って何???

 

ぶっちゃけ死んだ息子が原因で母親が狂うって

「長女」からすれば、幼少期は仕方ないとしても

侮蔑・唾棄すべき行為なんだよねー。

もう洗脳されてるんだろうな、とは思いましたが。

 

銃を手にした父親が手を差し出した時点で

娘は母親を見捨てるべきだった。

そこからの裏切りの判明ならまだ納得しましたよ。

 

娘なりに母親への同情あれこれを残すなら

息子との双子設定がこちらに欲しかったかもしれない。

男女の双子でそっくりさん、はフィクションっぽいけどね!!

 

母親は宇宙怪獣の支配する地球に動揺して娘を助けに行くのではなく

(サバイバルできるように育てた発言どこいった???)

あの子はあの子の成すべきことをする

私は私の成すべきことをする、と

テロリストの基地を全崩壊させる自爆を

しかけるほうがよかったんじゃないかねー。

 

そうすればラストのカットの楽しみも増えたのになあ。

あれ?この人たち死んでない??まさか宇宙人!!みたいにね。

 

まあ私がこの一家をどうしても使いたいなら

娘の年齢は成人にまで引き上げて

ばりばりモナークの科学者にします。

 

父親は映画と同じく研究者離脱か、死亡。

母親は息子の葬儀後、行方不明。

父母の研究を受け継いでオルカ装置を開発・成功させたら

テロリストと一緒に闇落ちした母さんが

こんにちは、とかそんなんなら行けると思う。

 

ずっと母娘の不満書いておりますが

父親も結構謎なキャラクターだったんだよな。

 

息子を失って自分の無力さを感じて隠居、でええやん。

ゴジラを「憎んでいる」設定は不要だし

セリザワ博士のノートをチェン博士ではなく

頼りなさそうな人に渡したのもわけわからん。

なので上で死亡展開もありと書いている。

 

この父娘はなんと続投が決まっているそうなので

グレアム博士を粗雑に始末したように

あっさりと退場してくれたら作品の方向性としてはいいと思う。

 

アニゴジよりは「キャラ」として好ましいメンバーがいるので

そこまでストレスかからなかったのですが

キチガイぞろいでなかなか疲れる作品でした。

人間のシーンカットした総集編で

音楽差し替えるならもう一度見てもいいよ。おそまつさま。

 

「傑作」が自分にとっても同じかどうかは

見てみないとわからないんだよね、としみじみ感じました。