『白兎と獣の王子〜贄姫と獣の王スピンオフ〜』第5巻

 

やっと入手した完結巻ですが

続編で登場する次世代は

本編の皆さまが目指した先を行ったので

サリフィのお話から読み直してしまった〜。

 

以下、感想です。

 

 

 

土台となっていたのは

長く続いた争いの後、相互不可侵という名の

停滞関係に陥っていた魔族と人間の和睦も

大詰めとなり、主人公の選択は果たして!?

なのですけれど。

 

本編主人公である

サリフィたちの世代が作った流れを

次世代はちゃんと受け止めて

進歩を目指すのだ!というド直球の

回答が出たので、途中からぼろ泣きでした〜。

 

前巻にて重要キャラがさらわれてしまう!という

大事件を受け、リチャードくんはケモモをほっぽりだし

(まどマギのほむらちゃんによるスタイリッシュ

ペロペロキャンディポイ捨て並みに目立つので、読者がびっくり)

独りぼっちだと泣き出してしまうのですが

追いついたケモモに謝罪し、ぼくは独りじゃないと

自覚するのが同じ回なのでほっとしてしまう〜。

 

自分には良いひと・悪いひとといった

勝手な判断は下せない、だからこそ

悪いひとが悪いことを「しなくてすむ」ように

みんなを守る王様になる、という

リチャードくんの宣言は

フィクションの王様として、頼りになりすぎる……!

 

突然の別れから数年後、賞金稼ぎが

正当な存在となるという展開も含め

いずれは「王政」も穏健に無くなるんだろうな、と

とても良い予感がしてしまうのは嬉しいですね。

 

サリフィの顔見せはやはり最終回でしたが

二十代・三十代と違った表情を見せてくれましたし

人の国の王があっという間に老いていくなど

それでも共に生きていく、という見せ方も

相変わらずお見事なのでした。

 

恋愛方面であれば

キーリィがんばれ!とか

テトラちゃんがんばった!!とか

見所がたくさんありましたので

二次創作を妄想するのも楽しそうなのです。