『GODZILLA』(2014)

 

10年ぶりの新作ゴジラ映画。ハリウッド版は二作目。

 

ゴジラ元ネタ『原子怪獣現わる』のリメイクである

エメゴジへの反感も私はそんなになかったですし

国産ゴジラシリーズ自体、当たりはずれの振れ幅が大きく

さらに最後の作品が問題のFWだったことで

(あの作品でのエメゴジの扱いが最悪だったことも拍車の要因・笑)

ハリウッド版も最初から楽しみにしておりました。

 

ヘドゴジの監督が参加していることと

解禁されるイメージ映像、予告映像がかなりよく

日本公開が待てずに、海外遠征をすることになりました。

本当に海外まで行くかは悩んだのですけどね。

念のため、流出映像もあさったし。

 

一番いいのは監督の作品を思い出すことだったのですが

結びついてなかったんだよなー。

デビュー作は作品名も監督名も知らないままに

美しい「生き物」としての怪獣が見られるすごい作品でしたので。

 

海外組の感想見て、一週間のうちには遠征決めて

旅行会社おさえてパスポート新規に取って

公開一カ月後、June 16に鑑賞完了……なんだこれは。

今思い出してもあの行動力は不思議です。

未だに英語も中国語もろくにしゃべれないんだよね。

 

台湾との映画館文化の差にびびりましたし

(同じく公開待ちだった『マレフィセント』も鑑賞)

(予告編は原本そのまま、気になる映画が増える)

(チケットに軽食付き、それもすごく美味しい!)

何を食べてもおいしい国だったので

また行きたいな~……語学力をもうちょっとまともにしたら。

 

実際に見た後だと、この出来の作品を二カ月以上待たせるとか

東宝はバカなの!?と思ったとか思わなかったとか。

次回作はやっと同日ですねー。

例え駄作であろうともホーム国最速公開が当然だと思ってるので

ポケットのモンスターさんたちを見習ってほしい。

 

台湾遠征も含めて、本公開期間の鑑賞回数は

15回となります。この記録が破られることはおそらくない。

そしてイベント上映などで数を重ねている……

イベント合わせてのGTM20回も超えているという。

 

さてこの作品に登場する怪獣王、通常ギャレゴジは

私の恋愛対象かつ旦那のキャラクターとなるのですが

旦那としての話は別記事にしますので(え)

この記事は通常の映画感想記事となります。

 

基本的にほめることしかしていないので

信者の感想見たくない方は、回れ右。

 

以下、ネタバレです。

※随時、加筆を行っています※

 

 

 

☆脚本・演出

英語音声・中国語字幕で初鑑賞しましたが

映像で語る内容が多く、物語の流れも一本筋

王道要素満載で一回でわかりますし

二回目以降も見る場面が多く楽しませていただきました。

 

作中の日本語の台詞は海外で見ると

特に字幕などの説明が出てこなかったのが面白かったです。

わからなくてもいい、くらいの台詞なんだろうな。

フォードくんのとっさに出てくる日本語とかは好き。

 

もちろん元は日本で作られたシリーズ故に

3.11の津波や原発事故の要素も取り入れられているのですが

9.11同時多発テロやハリケーンの災厄と向き合ってきた

アメリカのための映画なんだよなあ、というところを

外していないのがとても好きです。ハリウッドだから当然。

 

怪獣映画とはつまり戦争映画だという認識なのですが

この点でもかなり高ポイントの作品。

陸海空の兵器かっこいいし、まさか列車まで登場するとは……

あれはテンション上がりました。空母はきれい。

 

細かい用語はよくわかりませんでしたけど

SFで使われやすい単語は決まってますしね。

なので全体の流れを把握する分には問題ない。

 

あと原子力発電所がアメリカ式であるところとか

ガイガーカウンターが0表示といったところは

「配慮」だと思っています。

フィクションにおける放射能も

もうちょっとうまく扱っていけたらいいよな。

 

特撮作品における「人間ドラマ」とはつまり何ぞや

についてはずっと考えているのですが

制限された画面・時間の外側の世界が広がっていると

感じられるかどうか、だと私は考えています。

なので「人間描写」のほうが的確なのかもしれませんね。

 

痴情のもつれや内ゲバを人間ドラマにはカウントしたくないとはいえ

私は人間ドラマが欲しいほうの特撮好きなので

夢オチかな、楽屋オチかな、というシナリオの作品は

あまり好みではないんだよなー。

 

『ウルトラファイト』ぐらい突き抜けていると

いっそ好ましいけれど。でもそれなら堂々と

我こそは『ウルトラファイト』と名乗りを上げる作品を見るんだよ。

あとは総集編ならありだな、メカや怪獣だけ見られるやつね。

 

『サンダーバード』ではメカだけではなく

事故が起こる前のあれこれや

国際救助隊の皆さまの日常話だって楽しみたいし

『ウルトラマン』では3分の戦いだけでなく

当時の人々の日常や

科特隊の皆さまの活躍だって楽しみたいのだよ!

 

長々と書きましたが、結局のところ

自分の好みをわかっていればいいだけの話なので。

映画の話に戻りますね。

 

ギャレス監督はちょっとした描写でそのキャラの性質や

関係性を見せるのがうまいなあと思うのですが

(ドキュメンタリー出身だからかもしれない)

それについては個々のキャラクターにて。

SW・ROもだけど、すごく過去と未来の妄想が弾むんだよなあ。

 

ギャレゴジに登場する人間たちを

私は無能だとは思ったことはありませんね。

まあ無力だとは思うけど。そしてモナークの人は迷惑だけど(汗)

 

オープニング後のカットで「この世界の人間たちとは

つまり働きアリである」と示されたのち

救助・治療の仕事をしている人々が

要所要所で映っているからでしょう。

 

大いなる災厄の前に、小さな存在でしかない人間は

自分に「できる」ことをするしかないんだよな。

それこそが私の好きな人間のいいところだとも思っていますし。

 

あと全体的に「子ども」が守られていると感じる作品で

悪趣味要素を抜いたスピルバーグってこんなに快適なのか!!

と、身もふたもない発言をしてしまいます。

 

特にバスのくだりは、もはや伝説の『ジュラシックパーク』の

見捨て大人を思い出すのよな……雨の中の咆哮なども含めて。

具体的には下のポイント。

 

・子どもの発言に、大人が目を合わせて反応するのが基本

・悲鳴を上げさせたままにしない、大人がすぐ動く

 

ゾーイちゃんやアキオくんやバスの子どもたちは怖い経験をしたけれど

同時に大人が守ってくれた記憶も残っているでしょうし

彼らの今後の人生は、決して後ろ暗いだけのものにはならないと思うのです。

 

ここ数年だと大人に子どもが守られていると感じるのは

『猿の惑星:聖戦記』くらいかな。

JW一作目は旧作マイナス点のカバーがうまいなと思ったけど

二作目で自ら崩壊させましたしね。

 

なので関係者の関係者とはいえ女の子が戦場にいる

次回作はどう処理するのか

期待半分、不安半分というところかな。

特殊能力者なのかな?変なことしたら殴る。

 

 

☆画面・音響

立川シネマシティの極爆上映は何本か

鑑賞させていただいているのですが

ギャレス監督作品が一番いいです。

映像と音の効果が合わさった時の

すばらしさが段違い。

 

予告編や流出映像もきれいだなと思っていたのですが

カメラで切り取った外側の世界も広いと感じられる

空間の大きさが規格外でした。

それがずっと続く……やだ幸せ……SFは絵なのだ!!

 

このカメラで撮ってくれるのが、とても美しく大きく強い

怪獣たちなのですから、ぜいたく以外のなにものでもない。

どのシークエンスも凝っていて

ため息が出るほどの美しさではありますが。

 

王様は空港の登場、中華街の咆哮がお気に入り。

MUTOさんは発電所の目覚め、中華街の再会がお気に入りです。

 

私はあまりぐるぐるカメラが好きではないのですが

ギャレス監督の動かすカメラは

視点誘導の意図が明確で、驚くほどに美しい。

照明の動きもすごく効果的です。

 

突然の生き物どアップカメラについては。

災厄の規模が違うだけで、怪獣たちは地球の彼らと

同じような存在なのだと思わせてくれて大好きです。

最初が昆虫だったため観客を

びっくりさせたいだけなのかと警戒しましたが。

 

フォードくんが蛾を飼ってたのと

カメレオンカメラで警戒解除。

コヨーテがすごくきれいだったね。

実家の亡き愛犬にそっくりなのもうれしかったな。

 

 

☆音楽

オリジナル音楽、最高――!!!!

 

オープニングの音楽で一気に引きこまれましたし

サントラにMUTOさんのレクイエムが入っていなかったのが

ものすごく残念でした。あれはすばらしい旋律だ。

 

もちろん伊福部スコアは大好きだけれど

作品に登場する怪獣王の性質も考えずに

ただ同じテーマを使えばいいと思ってるだけの

鈍感な人たちにゴジラ作品に関わってほしくないので(暴言)

色々なゴジラスコアができていくのはうれしいことなのです。

私は佐藤ゴジラも大島ゴジラも大好きなんだよ!

 

あの調べを使っていいのはせめて

初代さんの系譜に連なってる怪獣王が

登場してくる映画作品だけなのです。

 

なのでシンゴジさんは音楽が地雷すぎて

一生鑑賞することはないのだろうなと思ってる。

音を消して日本語字幕出せば見られるのかな?

……無意味ですね……虚無すぎる……

せめて再演奏やアレンジならな。

 

以下、キャラクター話に移ります。

怪獣は最後だよ!

 

 

☆フォード・ブロディ

自分と同年代補正……いやぶっちゃけ

「ブースト」がかかることもあり

感情移入対象としては破格の主人公。

「かつての少年」がちゃんと大人になっているところも良い。

 

1999年、あの年頃の小学生の男の子が原発事故に遭遇して

母を亡くして成長後、軍隊で爆発物処理の仕事をしており

結婚していておまけにあんなにでっかい子どもがいる!!

というこのあらすじだけでも

彼の過ごした二十数年妄想が一気に弾むのですが。

 

父の誕生パーティーの準備をする

フォードくんとお母さんの会話だけで。

あくまでも親子の枠組の中ではあるが

彼らは対等な母と息子であることがわかる。

 

妻と息子が用意したお出迎えパーティーの

最中とその後の会話だけで。

息子のいる場所では「お父さん」であり

妻と二人きりの時は「夫」であるとわかる。

 

どれもちょっとした描写なのにものすごくうまい。

書いてて気づいたけど、どちらも舞台装置が

「父親のためのパーティー」なのもすばらしいですね。

 

母を失ったその日に「父」も死んでしまったため

家族がずっと欲しかったんだろうなあ……

と思わせる、サムくんの年齢よ。

エルさんとのハイスクール青春話ください。

 

アキオくんとの短い交流場面は

「大人」を感じられてすごく好きなのです。

 

親とはぐれた子どもに穏やかに話しかけおもちゃを渡す。

停電でおびえる子どもに対し大丈夫と語りかけ

不安そうな目を見て、しっかりと手を握る。

外を見据える時は、警戒の色を見せる。

 

MUTOさんの襲撃で助けたところだけではなく

そこまでの積み重ねがあるのがいいんだよなあ。

(あそこはおじいちゃんも手を伸ばしてるのすごく好き)

あれは両親と無事合流できた最後の別れで

アキオくんもにっこり笑うよ、という説得力。

 

青年主人公が少年だった時の過去を見せるのであれば

ちゃんとその経験を経て、成長していると感じさせてほしい!!

というこちらの要求が満たされているのは、本当によかったです。

日本作品だと内面育たないまま、というホラーなことになりがちだし。

十代主人公ならいいんだけどさー、まだ我慢するけどさー。

 

冒頭より、事件に巻き込まれ型の人物ではあったのですが

自分の意志で家族のいる「戦場」に戻ると決めた後

軍服で歩いていくカットがものすごくかっこいい……!

乗り込むのが列車ですしね……ついでにそこからの

ニュース~空母内のカメラの流れもすばらしすぎる。

 

MUTOさんの卵をどうするのかを迷い、決断する

カットもすばらしかった。作戦に参加中の軍人として、

対処できる力を持つ個人として、ここでどう動くべきなのか。

ギャレス監督、扉の演出好きですよね。私も好きだよ。

 

全体的に好きなキャラクターなのですが

最後に核を爆発させてしまったのはすごく残念だったとは思います。

私も兵器を美しいと感じてしまう側なので

映像的に爆発させたい気持ちもものすごくわかるんだけどね。

 

SW・ROで存分に爆発させて、落とす側のみが言える

「Beautiful」も使えたし、よかったですね、監督!!

 

 

☆ジョー・ブロディ

事故発生時、あそこまでしても奥さんを

助けられなかったことに、外野は語る言葉を持たない。

あとたった数秒で間に合ったのに

自ら扉を閉じなければならない。

 

その後、自分の妻の死の真相を知ろうとあがく

執念の科学者に変質してしまう。

元々「お父さん」としてしっかりしていたほうではない

印象なのですが、自分の父には欲しくないタイプだね……

 

MUTOさんが目覚めた現場に居合わせ

フォードくんと視線が一瞬、交差する

生と死の分かれ目の運命点という

あのカットはものすごく好きでした。

 

 

☆サンドラ・ブロディ

冒頭で退場することもあり

理想の妻・母要素が多めではありますが

息子とのやりとりでの「共犯」的なところが

すごく好き。ブロディ一家の日常もっと見たかった。

 

 

☆エル・ブロディ

エルさんの描き方が、本当に大好きすぎてですね!

このキャラクターが登場しているという一点で

多分ゴジラじゃなくても大好きな映画だったろうな。

 

一言でいうと彼女の描き方は

お母さんは「お母さん」を日々がんばっている!!

なのです。

一番よく出ているのは次のカットでしょうか。

 

日本で巨大地震(本当はMUTOさんの事故)の報道がある中

夫が行方不明となってしまい、動揺して物に八つ当たりする。

そんな母親の姿を見てしまう幼い息子。彼は何も言えない。

息子の視線に気づき「ごめんなさい」と謝り、抱き寄せ

「お父さんは大丈夫」と自分に言い聞かせるように何度も繰り返す。

 

やばくないですか、この描写……

(このすばらしさを説明できる言語力のなさよ)

お母さんは「お母さん」という無敵の生き物ではなく

間違えるし弱いし、ちゃんと「生身」の女性なのだという描き方。

 

息子の歯磨きのくだりやら、息子に睡眠を促すくだりやらにて

時たまごきげんだったり、時たまふきげんだったりと

すごい、ちゃんと私の知っている「お母さん」が

映画に登場している……と驚いてしまうのです。

 

なので夫からの電話で安心して

職場なのに泣き出してしまうところとか

エルさんもいっぱいいっぱいなんだねー

あたりまえだよ――と、こちらも

涙ぐんでしまうのであった。

 

私の勝手な予測ですが、多分エルさんのご両親は

何かの事情で亡くなっているか、そもそもいないのでしょうね。

だから生きているのに父親と疎遠なフォードくんに

「彼は全て失った」という台詞を言ってしまうのでしょうし

フォードくんもエルさんの事情はわかっているからこそ

彼女の意見を拒絶はせず、自分の想いを伝える。

 

いい夫婦だなあ、こんな夫婦だったら幸せなんだろうなあ

と、パートナーを必要としないタイプから見ても

素敵に見えるカップルなのです。

 

 

☆サム・ブロディ

恐竜が好きなあんまり口が達者ではなさそうな男の子。

どストライクというよりは

うちの弟たちがあんなんだったなということで

親近感が一気にわくキャラクター。

 

エルさんのところでやたらと語ってしまったのですが

夫は基本的に単身赴任中で

一人働きながら家を守っているお母さんの背中に

色々考えている繊細な男の子なんじゃないかなという

印象もあるのです。

 

 

☆イシロー・セリザワ博士

なんとなくカタカナ表記にしてみる。

とはいえキャラクターの性質は芹沢博士ではなく

山根博士のほうですよね。

 

発電所のMUTOさんの殺処分を命じるカットにて

MUTOさんの鳴き声~窓ガラスに映る苦悶の表情の流れが

本当にすばらしかったです。

 

時計のところはもう少し見たかったんだよなー。

アメリカ作品の限界かな。

 

 

☆アメリカ海軍の皆さま

軍人としてのお仕事に忠実で

私は好印象を持っております。

核兵器が戦略の道具なのも私は怒ってないですよ。

だって彼らは落とす側だもの。

 

ところで提督の頭の形がいいですよね……

後ろカメラがちょくちょくあった関係で

頭の形がわかる髪型はいいのう

と、変な笑みを浮かべてしまう。

 

 

さて怪獣のお話です。

旦那語りは別記事でするのです。とても冷静。

かわりにMUTOの文字数がすごいことになりました。

引き返すなら、今!!

 

 

 

 

 

☆ゴジラ

地球上のありとあらゆる

強くてかっこよくて美しい生き物たちの

集合体、のようなデザインがすばらしすぎる。

特に、背びれが本当に美しくて大好き。

 

放射能熱線はあまり得意技ではないのだろうな。

あの青白い光が本当にチェレンコフ光の

ずっと近くで見てはならない美しさで

すばらしかったです……

 

オープニングに登場していたのと同じ個体

おじいちゃんだと思っています。

だから疲れて変な態勢で寝る。

死んだかと思ってびっくりするからやめてください!

 

ギャレゴジの描き方について

平成ガメラ関係の人々や信者が騒がしかった印象ですが

あれは地球の守り神とかそういう性質の個体ではないし

勝手に人間が推測して、感謝してるだけだとも思うんだよね。

 

ゴジラに限りませんが、関係者の意見は

私は作品の補助参考資料程度にしか

思っていないのです。作中の描写がすべて。

グレートの地球さんみたいにはっきりと呼び寄せたり

平成ガメラみたいにエネルギー借りたりする「描写」があるなら

地球の守護怪獣、という見方も納得しますけれど。

 

だから実はこうだったああだった的な話は正直嫌いなのです。

あと平成ガメラは最終作でやらかしてるから

女性や子どもの描写がきちんとしている

ギャレゴジと一緒にしないでくださいという怒りもあるよ(爆)

 

レジェゴジ(次作アナウンス出たらドハゴジに言い換えます)では

背びれや熱線が変わっちゃったので、あれは別個体認識です。

ゴジラシリーズだとこういう認識、とっても大事!!

 

 

☆MUTO夫妻

ゴジラ以外の怪獣もいるんだよ

ということは知っていたのですが

どんな子かはわからなかったので

楽しみにしておりました。

 

異国の映画館で見て完全にノックアウトされました。

発電所の繭の場面からクライマックス感がすごい。

なのにどんどんときめきが更新されていく。

 

バイザーの瞳のMUTOさんがやばい。

足の長いMUTOさんがやばい。

電磁パルスを使えるMUTOさんがやばい。

空を飛べるMUTOさんがやばい。

放射能食べるMUTOさんがやばい。

 

そしてとどめに、まさかの夫婦属性

来た――!!!!!

 

卵まで出てきちゃったよ。子どもすごくかわいいよ。

子どもを殺されて嘆き、怒り狂う場面きちゃったよ。

え――、このときめきを黙ってなきゃいけないって

どうすればいいんだろう!!??

 

当時はツイッター等で特撮ファンの方と

交流があったほうなのですが

もう、語りをしたくてたまらなかった……

 

私は怪獣作品のいいところは基本

人間を「喰う」ために襲わないところだと思っているので

(血の量とか恐怖感の質が変わってきますので)

放射能もぐもぐ食べるMUTOさんはかわいいの極致でした。

 

そしてこの怪獣の特筆すべき長所は、鳴き声でしょう。

怪獣の鳴き声に革命起きたよ、これ!!!!

と断言できるほどの、種類の多さ、感情表現の豊富さ。

 

これが新作のゴジラ映画か、と

異国の映画館で震えておりました……

 

私はクリーチャーの声を違う個体に流用されるのが

基本的に好きではない、てか嫌いなので

(元作品を思い出して一気に作品から覚める)

オリジナルの鳴き声開発、もっと気合い入れてくれ!!と

常々思っていたので、大満足でしたね。

 

MUTO夫妻といつもまとめてしまうのもよくないので

女の子はMUちゃん、男の子はTOちゃんと

呼んでおります。

 

発電所のワイヤーが邪魔で暴れる

そして飛び去って行くTOちゃん……

まだ見ぬ奥さんへの贈り物にする核ミサイルだから

よけいなパーツを丁寧に落とすTOちゃん……

卵への反応が、奥さんの必死な動きの後追いで

何が起きてるのかに鈍いTOちゃん……全部がかわいい。

 

怪獣王のしっぽアタックで死んじゃったけど

強くてかっこよかったですよ!

 

一方、女の子故に全体的に動きが粗雑なところが

大好きというMUちゃん。

初登場の場面でこれは!メス以外にありえない!!と

感動したのです。ダイナミックアタック最高。

 

卵のいる場所の炎にすぐに反応するところからの

嘆きの悲鳴、初めて人間を「敵」と認識し見せる

憎悪の瞳……全部がすばらしい。

それまで人間のこと全然気にしてなかったもんなー。

 

退場がもったいないと思える

とても魅力的な怪獣たちでした。

新作に出てきても、あのお祭り映画だと

大切に扱ってはもらえなさそうですし、出なくてもいいかな。

 

エメゴジとは仲良くなれそうなので

(実際、そういうファンアートはありましたしね)

色々な世界で活躍してほしいものです。