『のんのんばあとオレ』

 

水木しげるの作品。

少年時代を振り返ったエッセイです。

 

同タイトルでメディア化が続くのですが

発表はたしかエッセイ→ドラマ→マンガの

順の覚えがあります。

 

以下、感想です。

 

 

 

《この世界には目には見えなくとも

不思議なものたちが確かに存在している》ことを

のんのんばあ筆頭、まわりの人間たちや

暮らしてきた土地に教わったゲゲ少年の思い出話です。

 

ちょっとあっさりテイストの

点描画が美しい!

なじみの妖怪たちがたくさん登場しますね~。

 

タイトルに登場している「のんのんばあ」が

いてくれるのは、本の中では折り返しまでの

ことだったりするので、少し寂しい。

 

戦中を駆け抜けてきた人の選択する比喩には

ちょっとドキっとする内容も多いのですが

(原爆「投下」の気持ちは敵国寄りだしね……)

少年たちの争いは鮮やかに描写されています。

 

ゲゲ少年の加害描写もちょくちょくあり

昔もいじめはハードで変わらんですが

傷ついた子どもに対し大人が「転校」という

手段で対処してくれるのはまだ良いほうかもね。

 

「トットちゃん」も現代なら発達障害の

お話が出る子どもだと思われますが

「ゲゲ」もそうなんだろうなあ……

多趣味かつ極める勢いがすごすぎる。