『葬送のフリーレン』

 

原作・山田鐘人、作画・アベツカサの作品、既刊11巻。

 

雑誌で飛び飛びに読んでいたので

まとめて読むとまた味わいが変わりますね〜。

勇者と再び出会うため、旅路を辿る物語に

大きな変化が訪れるところまで。

 

以下、感想です。

 

 

 

ファンタジーと空想科学は使う原理が違うだけで

近しいところにあるジャンルである、を

わりと体現している作品なので

実際に読むと印象がかなり変わる勇者ものですね。

 

人類種族に比べ(ドワーフなども含む)

恋愛・性欲が基本的に「欠けて」いるのが「通常」である

(欠落云々は相対評価の話であって、当人たちは完全である!)

エルフの女性が主人公とはなりますが

他者への慈しみといった与える愛情を有しているため

後述の「魔族」とは別物となるのでした。

 

恋愛色の薄いところが作品の魅力ではあるのですが

フェルンとシュタルクの今後や(恐妻型カップルが!好き!!)

勇者の片想いっぷりに現代フリーレンはどう応えるのか

というのは気になるところです。

 

恋愛対象としての好意に対し

同じものを返さなくてはならない、ということは全くないが

これを期待する受け手は多いのでな〜。

まどマギの上条くん、あんなに酷く言われるいわれはないのだ!

 

☆☆☆

 

作品の魅力は色々ありますが、「魔族」の特性として

人類を捕食するための進化を果たしたため

外見が近しい・同じ原語を使用するとしても

対等な存在としての「共存」は不可能である、と

明確に設定されているのが大きいのでしょうね〜。

 

人型が容姿端麗寄りなのも

捕食するのに便利だからなんだろうな〜。

吸血行為ぐらいなら、関係性によっては合意簡単だし

それで上手くやるぐらいにしてほしかった。

 

無口で研究者肌のクヴァールが好きなのですが。

彼も脳内思考を全部語り始めると、ソリテールみたいに

≪先住民族を喜々として研究する人文学者≫のような

嫌悪感を抱かせる存在になるのかなあ……

 

ソリテールの描写自体は前述のように

人類の学者にもそっくりさんがおるので

まあ…いるんだよな、こういう嫌いな個体、と

いう感想にしかならん。好きと尊重は同じではない。

 

博物館っぽい場が登場するのはお見事でしたね!

あの絵を見せてくれたので、作者さんたちを

信用する気になっている(まだ見守り中だけど)。

 

今のところいわゆる「獣人」の皆さんが

魔族側にしかいないので、もうこのまま

進むんでしょうね……そこがもったいないかな!