劇場版『夏目友人帳 うつせみに結ぶ』

 

初日舞台挨拶のライブビューイング付き

上映を鑑賞してまいりました。

イベントの感想は別記事で仕上げていますが

作品に関わる部分は少し触れてしまっています。

 

原作は好きですが

アニメはあまり見ておりません。

特に好きなエピソードを

アニメ化する時に確認する程度。

 

なぜかと言いますと

緑川さんの描線で時折見せてくれる

ひやっとした緊張感が

アニメのデザインだと抜けきっているので

ぶっちゃけ物足りないのですよね。

 

なのでニャンコ先生ボイスと

背景を楽しむのみになってしまう……

多くの方に楽しんでいただける

デザインの方向性は正解だと思いつつ。

 

私が一番好きな緑川作品が

『緋色の椅子』ということも

関係しておりますが。

 

美しい物語だったので

一度は映画館の大きな画面で

楽しめてよかったです。

切り絵と須美さん目当てに

ソフトも買っていると思います。

 

以下、ネタバレです。

 

 

 

背景をロングショットで見せてくれるのが

あ、劇場版っぽい!と思えるところ。

いつもよりさらに丁寧だったと思えます。

 

物語についてはいつもの『夏目友人帳』。

凝った大事件が起こったりしないのは

好印象でした。

 

とはいえ途中でたるんでしまうのかな?と

こちらが心配になってしまうのを

名取さんが締めてくれるのはさすがでした。

 

俳優さんキャストは悪くなかったと思いますが……

詳細はキャラクターごとの感想にて。

ゲスト妖怪さんは結構楽しかったです。

 

☆貴志くん

すっかり丸くなった貴志くん。

人は環境に左右されるというのが

よくわかりますね。

 

劇場版での時間軸を現在に寄せたのは

正解だと思います。

とはいえ初期のぴりぴり感も懐かしいので

スペシャル枠などで見せてくれたら

よいのではないでしょうか。

 

☆ニャンコ先生

イベントで井上さんもおっしゃっていましたが

10周年を迎えたアニメの成功と

ちまたにあふれるニャンコグッズは

声優さんの絶大なる力によるものだと私も思います、ええ。

 

3匹に分裂したニャンコ先生ボイスも

すばらしかったです。

収録は……それは……大変だったでしょうね……

 

☆名取さん

ちょうどドリンクを飲んでいたところでしたので

初登場場面で劇中の貴志くんたちの如く

噴きそうになりました、危なかったぜ。

 

繰り返しになりますが

劇場版の長い話の要所を

締めてくれた出番だったように思えます。

いなかったら退屈だったかも。

 

☆夏目組・犬の会

皆さんがいるとにぎやかですね。

ニャンコ先生を戻す方法が

全て物理の力だったのが笑いました。

ひどい。

 

☆レイコさん

スケバン刑事に出られそうだと

いつも思ってしまう

さっそうとしたセーラー服姿は

劇場版でも健在。

 

鈴を取っておいてくれるところが

彼女の優しさなのでしょうね。

確かに年下にもてそうだわ……

 

☆容莉枝さん

この方が参加するなら行こうかという

決め手になったのが須美さんだったので

とても楽しみにしておりました。

大満足でした……!

 

舞台挨拶でもおっしゃっていたのですが

物語が終わった後も

彼女の人生は続いていくのだなと

感じさせるたたずまい……さすが大御所。

 

彼女の部屋に飾ってある作品の

切り絵がすごくきれいだなーと思っていたら

作家さんに依頼した作品だったようです。

レイコさんを売ってほしい……

 

☆椋雄さん

俳優さん担当キャラクター。

丁寧に演じられていたので

単体では悪くありませんでした。

 

しかし、あの「島本須美」と

親子関係を紡いでいくには

ちょっと……いや、かなり物足りなかった。

須美さんは舞台俳優としても活躍されてきた方なので。

 

すでに名取さん役に石田さんがいるので

関さんとか子安さんとか佐々木さんあたりの

60年代生まれベテランさんならなんとか……

と思えるくらい、差がもったいない。

 

映画の映像としては地味になってしまいますが

須美さんと同年代の大御所さんを呼んで

親子ではなく夫婦として登場させてしまったほうが

いっそ良かったのではと思います。

(井上さんもういるので古谷さんとか田中さんあたりかな)

((他の作品で夫婦だろとかは言わない))

 

序盤でこの人あやかしだろうとばればれなので

一体どちらが妖怪なんだ???と

ミスリードを誘えるほうが。

緑川さんのお話の緊張感が

出たのではないだろうかと、思うのです。

 

途中に出てきた昔なじみくんのほうが

合っていたようにも思えるので。

あちらの子のデザインを

さわやかイケメンくんにするのはありですし。

 

これは脚本のもったいなさだと思うので

役者さんのせいではないです。