『GODZILLA 決戦機動増殖都市』

 

面白かったですか?と聞かれると

三作目どうするんだろうという

興味はわきましたけれど……

 

ぶっちゃけ、エンドロールで

帰りてえ!!と思った映画は

数年ぶりでした……虚無感ひどい。

主題歌がよく響いていたなあ……

 

今年はJW二作目でも帰りたくなったので

外れ映画を正直、映画館で見たくないのだが

まあ三作目にはつきあう……

来年以降はもう当たりしか見ない(きっぱり)

 

多分三作目に小説ですら

影も形もないあの子出るよね???と

予想はしていたので予告を見るまでは

帰れなかったんですけどね。

 

シナリオとしては話が動きましたし

未だに過程がちょっとわからないけど

キャラクターが「今」何を考えているのか

わかるようになった点では良かったですが。

(前回が意味不明すぎたとも言う)

 

「犠牲者」の選定と道中の過程描写において

日本のSFアニメ・特撮の悪癖が発揮されたことが

ものすごく不愉快でした。

脳内修正入れまくってもちょっと無理レベル。

 

多分このスタッフの別怪獣作品は

最初から地雷物件として扱うと判断する程度には

この2018年にブレーキかけられなかったことを

マイナス評価しております。もう90年代は終わったんだよ。

 

こういうことを現代でもやってるから

いまだに女性や子どもの「いない」

SFや特撮のほうが好きとか言われちゃうんだよ。

好きなジャンルの悪しき風習はたたきつぶして回りたい。

 

以下、ネタバレです。

 

 

 

シナリオについてもうちょっと

細かく感想を書きますと。

 

パンフレット読む印象だと

脚本の初期構想に出てくる

描きたい映像をここのスタジオが作れなくて

調整している部分から歪みが生じているのかな……

と、がんばって好意的に解釈できなくもない。

 

でも怪獣バトルがメインでなくとも

登場する生き物をちゃんと動かす気がないのに

怪獣話を作るってやっぱ悪手ですわね。

映像制限がない分、小説は面白いんだよね。

 

小説と映画の怪獣描写で

何が決定的に違うかというと

「生き物」としてとらえているかどうかが

大きいと思っています。

 

キャラクターたちにとってのイメージでは

「概念」優先させてもいいけど

画面上、そこにいるならちゃんと

質量や命、エネルギーを感じさせないとダメですから。

 

あ、メカゴジラが都市というのは

一作目の予告ですでに予想できたのと

小説の卵の話が本当なら

モスラは冬眠モードだろうと読めたので

怪獣VS怪獣でなかったことは

怒る要素ではありません。

 

やたら長いタイトル映像に

げっっっとなりましたけど

小説での印象よりナノメタルちゃんは

けなげでかわいかった。マスターいなくなっても

2万年近くがんばりつづけてえらい。

……怖いのは人間のほうだった。

 

 

☆ハルオ

小説版二作はとても気に入ってるので

アキラさんとハルカさんの息子さんだ!

がんばって!!目線になってしまうのが

ちょっとかなしい主人公。

 

なんで「ハルオ」という名前なのか

把握はできたキャラクター(納得はしていない)。

 

彼の幼少期エピソード、せめてイメージ映像は

もう少しだけでも織り込むべきだったように思う。

両親とのエピソードが断絶されているのが

ものすごくもったいないだけではなく。

 

死んじゃった残念なエルヴィン団長とか

すでに目をつけているメフィストフェレスじゃない人とか

幼なじみであろうユウコさんとか相手では特に。

 

キャラクターが作中で取った行動に至る「何か」を

見ているこちらがあれこれ「補完」してあげないと

いけない作りは、声優ががんばってる分しんどい。

地球で初めて会ったモスラ双子ちゃんとの関係のほうが

こちらにはよっぽどわかりやすい、とは……???

 

てか彼はなんではぐれた最初に

メフィストフェレスじゃない人を

思い出すんですかね……

 

 

☆メトフィエス

メフィストフェレスじゃない人。または櫻井さん。

もう最後まで名前を覚える気がしない(笑)

 

櫻井さんは今回も楽しそうだったので

あんまり画面に映らないのが残念でした。

つまり何を言ってるのかよくわからないんだけど

彼に不快感はないのでな……

 

ハルオくんへの執着は結構謎なのですが

この作品におけるほむらちゃん枠なのだろう。

ということにしておいている。

 

 

☆ベルベ&ガルグ

二作目になれば区別つくのかなと

思ったのですが

結局、最後まで区別がつかなかったので

まとめてコメント。

 

てか声優さん両方とも

推しです!!というわけではありませんが

そこそこ好きな方のほうのはずなのに

声ですら区別つかないってどーゆうことなの!?

 

小説版でビルサルドの人々が

どういう価値観で動いているのかというのは

きちんと描写されているので

二作目での立ち位置はあっさり納得しました。

 

メカゴジラシティにわくわくしているのは

見ていてかわいいです。

でもナノメタルちゃんと問答無用で

同化されるのは嫌です。私はモスラ派。

 

 

☆アダム

きれいなエレンくん。

ナノメタルに喰われなくてよかったですが

今回はなんでいるのか

よくわかんないことになっていた人。

 

三作目で出番がなければ

他のキャラクターと悪魔合体させるべきだったと

しつこく言う羽目になるので

何とかしてほしいものです。詳細は後述。

 

 

☆博士

この作品の癒やし枠、その1。

博士が映るたびにほっとする自分という

ちーとも謎ではない謎。

つまりそのぐらいシナリオ進行酷すぎた。

博士の台詞は安心感ありすぎる。

 

 

☆フツアの巫女・双子

この作品の癒やし枠、その2。

モスラ双子はすごくよかったです!

 

「言語」でやりとりできなくとも

生きたコミュニケーションがあったよ……

と振り返って泣いた。「はるおい」はすばらしい。

もっと出番……くだせえ……

 

ハルオくんとモスラ双子の

ボーイミーツガールズにほのぼのしたかったのに

「犠牲者」の選定が雑すぎる

脚本に邪魔されたぜ……

 

☆☆☆

 

メカゴジラシティにアキラさんの

メッセージが保管されていれば

モスラの民に対する印象も

変わったでしょうか……

 

「怪獣との共生を受け入れた人型種族」

「どんなに姿形や文化が変化していようとも

彼らこそが地球人の子孫」

私もこちらよりの立場ですね。

 

ついでに怪獣と物語の着地予想の

話もしてしまうのですが

あの卵の中身はレオでよろしいか?

そしたら鎧モスラに変身は可能だから

あそこのスタジオでも動かせるな(色々酷い)。

 

櫻井さんが召還できそうな

キングギドラがすべてを滅ぼした後

モスラレオが世界を再生するという展開が

無難な着地点かなという気がする。

もう過去の人類などあの世界にはいらん。

 

卵が2万年近く寝てるのは

キングギドラ襲来を予想しているのかな。

あのキングギドラはエネルギー生命体でしょうし

多分惑星エネルギー全部喰い尽くしたら

あっさり去って行くでしょう。戦う必要はない。

 

卵の中身がレオであれば

大地を再生させるもタイムワープもやってる

チートモスラなので多分なんでもできる。

両親がバトラ&モスラなのは小説で確定してますしね。

 

☆☆☆☆☆

 

さて感想記事冒頭でも触れている

この作品最大の問題点について

細かく述べていきますが

この後は悪口雑言の嵐なので

しばらく空間をあけます。

 

キャラクターには怒っていません。

正直、哀れすぎると思う。

二次創作で修正補完しようにも

原典があれではカバーしきれないですし。

 

では、ユウコさんのお話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆ユウコ

一作目でユウコさんの描写が少なくて

全体的に女性隊員多そうに見えないし

ならば優秀な方なんだろうと

パンフレット確認しまして。

 

・やせ形で華奢な肉体

・兵器の設計、改造が得意

・パワードスーツの腕前は軍トップクラス

 

このあたりの描写がちゃんと

二作目で踏み込まれてほしいなと

願っていたのですけど……

 

ハルオくんとモスラ双子の空気感に

嫉妬して取った単独行動で

わざわざ触手怪獣に襲われるとか。

(過程も結果も酷い)

 

スーツ脱ぐと胸だけ膨らんでる肉体とか。

てか着やせなら二の腕やおしりや太ももあたりとの

バランスも変わるはずなのに、胸だけですよ。

(だからちーとも健康的でもセクシーでもねえ)

 

ヴァルチャー搭乗時点で

あ、これナノメタルちゃんに喰われて死ぬの

ハルオくんじゃなくてユウコさんだと確信したので

ここまでビルサルド寄りの思想を示すなら

最期までそれに殉じてくれないかな

彼女の尊厳のためにも、と思ったのですけれど。

 

とどめに悲鳴きかされたんだけど――!!

それもクソ深夜アニメレベルの!!!!

「痛い」とか「最初だけだ」とか、ドン引くから。

 

紅一点女性キャラクターの

声優さんが花澤さんの時点で

やってほしくないキャラ担当に

なる可能性は想定していましたけど

悪い予想なんて当たらなくていいよ……

 

ちょっと頭を冷やすべく

ユウコさんの描写で、あ、これはいいなと

思ったところに触れますと。

 

地球に執着するハルオくんのせいで

忘れがちですが、宇宙船が故郷で

異星人とやっていくのが当たり前の「地球人」もいる。

ユウコさんはその世代なんですよね。

 

メカゴジラシティが宇宙船みたいで

ほっとする、のくだりは

とても象徴的だったと思います。

 

フツアの民との初邂逅も

攻撃から始まっているので

いい印象はないでしょうし。

 

だからこそパンフレットで触れていた

食事シーンはカットするべきではない

場面だったと思うんですよね……

あと彼女以外にも数名、ビルサルド寄りの

名前のあるキャラクターを出すべきだったと思う。

 

ユウコ→ハルオの恋愛的な感情も見えましたし

異性の出現で焦ったのかねえ……

でもぶっちゃけなくてもよかったねえとは思うくらいには

過程が粗雑なキスシーンには首をかしげましたけど。

別視点でいうと、萌えがねえなとは感じましたが。

びっくりしてる双子のほうが

ハルオラブの波動を感じて萌えるぞ。

 

あの場面の必然性を好意的に考えるなら

示したかったのはユウコ→ハルオではなく

ハルオ→ユウコは恋愛ではないという

決定的描写のつもりかもしれないのですが

こちらが補完しないといまいちわかりにくいし。

 

この作品は他の方の感想も

いつもより色々と探したのですよ。

そしたらユウコさんの描写が粗雑なせいで

ハルオくんの最後の迷いが女>>>世界に見える

面もあったようで、ちょっとあんまりかと。

 

彼にとっては幼なじみで、父と懇意の人物の孫娘で

「妹」みたいな存在だったのですよね。

描写が少ないので、こちらで補完する必要はありますが。

 

その子が今この瞬間に

「痛い」「助けて」と泣き叫んでいるのを

見捨てていけるほど冷酷ではなかったということで。

まあ、軍人のトップ向きではないとは思うけど。

 

彼はビルサルドの思想についていけないほうの

地球人でもありましたし

揺さぶりをかけられているのも影響したのかな。

あと実は、櫻井さんの呼びかけが

大きかったとも感じたのよね……それもどうなんだろう?

てかこのへんの場面はあまりの不愉快さに

こちらも受信を止めていたのでいまいち感情の流れが読めなかった。

 

個人的にはナノメタルヴァルチャーは

ゴジラに有望だったのか疑問なので

ナノメタル化したけどダメでした、

優秀な人々を失いました、

でも十分絶望的だったと思うのだ。

 

エンドロールでこれどう料理すれば

虚無感解消されるのかを延々考えていたのですが。

 

「あ!これユウコさん、アダムくんと悪魔合体させて

ハルオくんの実弟キャラならよかったんじゃない!!」

と、主題歌を聴きながらひらめきが降りてくるなど()

 

生まれたばかりで地球を知らない弟。

兄のことは慕っているけれど

望郷の想いは理解できていない。

親しみを覚えるのは自分が生きてきた

宇宙船空間のほう、異星人のほう。

 

現地民の若い娘にでれでれしている

兄がちょっと嫌で、その部分も含めて

フツアの民を拒絶する。

 

ビルサルドの思想に傾倒し

ヴァルチャーに乗り込み

犠牲となるのも厭わないが

内心の迷いを兄に見透かされ

死にたくないという気持ちを引き出される。

 

兄は助けようとするが間に合わない。

思想の断絶は異種族故ではない。

実の家族だってそうなり得る。

共に地球を脱出した弟を失ってまで

ゴジラを倒すことは正しいのか。

 

それだって十分絶望的だったと思いますよ。

まあ、私ならそうするという

だけではありますけれどね(爆)

 

二作目を見返すことは二度とないだろうなあ

(見るとしてもつっこみモードだなあ)

というレベルで不愉快描写が続きましたという

結論は変わらないのですが

自分の中でどう処理していくかは大事なので

つらつらと書きました。

 

『ガメラ3』のスタッフが大嫌いになったのは

ユウコさん描写と同様の理由で

さらにGMKを間違って見てしまったことを後悔したので

(つっこみモードで鑑賞しないといけないのめんどくさい)

地雷作品にはあらかじめ寄らないと決めているのです。

 

一度失望した作家さんを、新作で信頼するようになる

ケースはほとんどないですしね……

 

三作目については櫻井さんが大暴れしてくれたら

人間ドラマについては満足します。

期待値が低い満足っておもしろくないですけどね。