『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』

 

 

小説一作目が面白かったので

こちらも楽しみに購入。映画より期待値高めです。

 

メカゴジラの話になるかと思いきや

思わぬ伏兵はガイガンでありました。

映画館でガイガンの鱗を

売ってないか、探したんですよ!

 

最後の怒濤の希望パートに涙しましたが

惜しむらくは、この記録を映画の主人公が

読む日は来ないのでは……ということ。

 

色々ともったいないですね。

小説版を読まないと映画版がわからないというのは

ちょっと違うと感じていて。

断絶されているため同じ世界の物語には思えないのです。

 

以下、ネタバレです。

 

 

 

一作目と同じく

アキラさんが人々の記憶を

記録した物語。ただし草稿とのこと。

 

人類が地球にいた最後の約10年の

記録のため、濃密ですね……

混乱の極みとも言えますが。

 

今回は怪獣は少なめなので

章ごとの感想です。

 

 

☆妖星ゴラス

まさかのゴラス章。

エルヴィン団長()も提案した

月移住案がなぜ昔に

成立しなかったのか……という謎解き。

最初からこの設定だとしたら

やはり記録が断絶されているのは確定か。

 

ゴラスが宇宙怪獣だとしたら

それはどの子だったのでしょうね?

……スペースゴジラとかかな。

そして衝撃のパートに続きます

 

・南米の怪獣

・ゴジラと同格、M細胞

・蛾に似た遺伝子

・毒虫のような影

・両者は妖星ゴラスを察知

 

これは隕石から地球を守るため

目覚めたあの黒い怪獣では……

と期待値が高まったところ。

 

・ゴジラと黒い蛾のような蜂のような怪獣、

角の生えた芋虫の絵を描く子どもたち

・「バトルモスラ」がゴジラを倒してくれる

 

うおおおおおお!

バトラ、来たぞ――!!

とテンションが一気に上がりました。

その後ゴジラに負けてしまったことに気づいて

ショックでしたけれど。

 

北極点で最大出力の熱線を放ち

妖星ゴラスを破壊する怪獣王……

うん、これは勝てませんね。

地球外に逃げるしかなかったでしょう。

 

 

☆オペレーション・ロングマーチ

メカゴジラを作るためには

最短で5年ほどかかるため

ゴジラを可能な限り探査可能な

陸上にとどめておく人類のみの

人海戦術が取られました。という絶望パート。

 

技術者がいない機械は

どんどんがらくたになっていく消耗戦。

映画で登場した謎バイクの登場による

「重要ではない」兵士の特攻戦。

 

そこに登場したガイガンは鮮烈でした。

前段として登場した

沖縄のキングシーサーに泣く。

そしてLet Them Fight作戦が始まります。

 

改造怪獣ガイガンをここで投入するのは

上手いですね。ゴジラに負けるたびに

改造パーツが増えていく……

それでも着実にゴジラを誘導していく。

 

ついにガイガンがゴジラに倒される日が

来ますが、その姿はほぼ金属体。

失われても再生、増殖する機械部分が

ガイガンの生身部分を飲み込もうとする。

ゴジラがガイガンにとどめをさしたことを

語り手が感謝するほどの最期でした。

 

ナノメタルって使うとまずいのでは?

ハルオくん、メカゴジラに乗ったら

喰われるんじゃない??という印象を抱きました。

 

繰り返しになりますが

ガイガンの鱗が売ってないか探したので

東宝はビジネスチャンスを逃したのでは?

と思っていたりもします。

 

 

☆オペレーション・グレートウォール

ヒマラヤ山脈を核弾頭で破壊することによって

ゴジラを生き埋めにする作戦に

関わった人々の証言。絶望が続く。

 

ナノマシンで地球環境を支配しようとする

ビルサルドたちは相容れないなと

映画がさらに心配になるの巻。

途中のメガヌロンとラドンは

怖いですね……原典でもそうだったな。

 

 

☆プロジェクト・メカゴジラ

起動しなかったメカゴジラの守るための

戦いのエピソード。

起動したらどうなっていたのかという

危険性を作中の人物たちも語ってはいますが。

 

チタノザウルスがガイガンに比べて

あっさり退場したのがちょっと悲しい。

子どもが前線で戦う場面が続きますが

もう人員がいないという……

 

この章で怖かったのは

オキシジェン・デストロイヤーは存在しないのに

誕生してしまった赤い怪獣です。

……まだ生き延びているのだろうか。

 

セリザワ博士はこの世界線でも

存在させられてしまうのですが

ねつぞうなので、まあいいのかな。

 

 

☆東京上陸

メカゴジラを倒し満足したゴジラは

ついに東京にやってきます。やっとか!

日本は沖縄のメガロか九州のラドンくらいしか

怪獣が来なかった地域とのことです。

怪獣慣れしていない日本。何という絶望。

 

最後にハルカさんが登場したのは

ほっとしましたね。女の子と戦車かあ。

アブソリュート・ゼロ砲は好き。

 

この母の言葉は息子に届くのでしょうか……

 

 

☆移民船

証言を集めるはずが証言がほぼない章。

一応アキラさんの記録は

船に乗せられたようなのですが

閲覧する人々は少ないのか……

 

これを見ているとは思えない

ハルオくんの行動が気になってしまう。

 

 

☆オペレーション・クレードル

2048年8月15日。

アキラさんが残した

人類の末裔への伝言章。

 

アキラさんもハルカさんも

生き延びていたという衝撃。

え?映画の映像は何だったんだ……

 

この部分だけでもハルオくんに

届かないだろうか……無理かな。

 

南米に集った地球連合軍が

子どもたちを逃がそうとする中

ゴジラが熱線を放つ。

それを防いだのは。

 

太陽のごとき怪獣。

極彩色の文様。

青く輝く大きな複眼。

あたりを日輪の輝きで照らす鱗粉。

 

ここでモスラ登場ですよ。

希望パート、やっときた!!!!

 

イチロウさん大活躍回。

モスラの民と共生を選んだ

「怪獣共生派(コスモス)」のリーダーになるとは

大出世ですね……!巫女のリラさんは

多分「リトルゴジラ」でしょう。

 

モスラは本来つがいの怪獣とのことで

バトラとモスラがついに夫婦になりました

おめでとう!卵はやはりレオかな。

 

モスラの卵が日本にある理由と

どうやって運んだのかの

謎が解消されたことににやり。

 

「アキラ」の名前を持つ人が

ずっと傍観者の記録官というのは

つらいだろうなと思っていたら

ここにつながりましたね!

 

アキラさんの「おかえりなさい」が

届く物語に果たして映画は

なるのでしょうか?