『GODZILLA 怪獣黙示録』

 

映画本編が公開されるまでに

明らかにされていた年表。

映画ではチラ見せ程度でしたが

小説版ではそちらを本格的に扱っているらしいとの

話を聞き、映画鑑賞後に読了。

 

ゴジラシリーズどころか

東宝怪獣映画オールスター状態で

(出ていない有名どころは伏線でしょう)

世界各地で大怪獣バトルが繰り広げられる中

登場する、絶望の神ゴジラ──

 

なぜ!こちらを映像化しないのだ!?

と思いました。かなり面白いです。

キャラクターも覚えられるし

見せ場もかなり用意してあるのに……不思議。

 

自分絵ですら一枚絵とか断片マンガにするのは

楽しそうだとわくわくしております。

こっそりして、気に入ったものはサイトに載せてるかな。

 

プロがコミカライズするなら

『ジガ』の作家さんがいいなーと

当たりをつけていたりもするのです。

 

以下、ネタバレです。

 

 

 

人類が怪獣と遭遇してから

地球を脱出するまでの人々の記憶を

聞き取り続けた調査官の文書の断面。

 

「語り」を中心に進むため

登場人物たちの心理がとてもわかりやすく

ひとりひとりが印象に残ります。

特にヘドラの博士がすごく好きです。

 

最後まで読み進めるとこの記録は

断絶されている可能性が高いと

示されており、ものすごくもったいない感が強い。

映画の物語とちゃんと繋がっていくのであろうか。

 

怪獣ごとにエピソードの感想続けます。

 

 

☆カマキラス

映画で1ショット見たときには

カマキラスちゃんが嚆矢?と

首をかしげたものですが。

 

小説の演出はよかったです。

語り手の戦ったカマキラスちゃんは

子どもだったんだよ!というね。

メインの人々がヒーロー気取りというのは

面白かったです。

 

 

☆ドゴラ

怪獣が登場したのは英国なのは

あの伝説の『宇宙戦争』にイメージを

寄せているからでしょうか?

 

奥さんとのなれそめ話でもあるので

映像化したらすごく楽しそうです。

原典も楽しいお祭り映画でしたね。

 

さらに姓がリーランドなので

もしやエルヴィン団長(違う)のご親戚かな?

と思っていたりもします。

 

原典のゴドラは地蜂に倒されてしまいましたが

こちらのゴドラは雀蜂でした。

昆虫毒は強い。

 

 

☆ヘドラ

生物化学兵器「ヘドラ」の名前を見たときに

まじかよ、ヘドラは人間に使えるような存在じゃ

ないだろう……と思いましたが、やはり、でした。

 

人間たちが自分たちで作り上げたのかと思いきや

自然発生した生物を育ててしまったようです。

……あのヘドラをですか……すなわち怪獣である。

 

博士がヘドラを見上げている絵は

大画面・見開きで見たいですねー。

 

ヘドラを二度とよみがえらせないために

世界中をだまし、処刑された博士の

「地球という星は救われた」はとても重い。

 

映画の一作目の最後の描写を見る限りでは

博士のような人々がいたからこそ

人類は地球で生きていく機会を残されたのでしょう。

それを受けいられる人々ばかりではないでしょうが。

 

 

☆ガバラ

ワニいじめをするガバラを

少年少女が創意工夫で倒すという

おとぎばなしのようなエピソード。

ヒロインの名前の由来は「ミニラ」でしょう。

 

具体的な名前は出てきませんが

・原住民の巫女

・シルクのような不思議な布

・砂金のような癒やしの鱗粉

・人間ではない友だち

 

以上の情報から、南米にはモスラがいる……!!と

とてもテンションがあがりました。

でもなんで映画では日本に

モスラ一族?がいるのでしょうね。

 

語り手のイチロウさんは

ミラを探しに南米に行くといいます。

文明の壊滅は人類の滅亡とは限らない

という考え方はとても好きです。

 

 

☆ダガーラ

空母好きなのでサラトガの登場に喜ぶ。

空母がこの怪獣戦争時代にも

有効というのはとてもうれしい。

 

べーレム出世しましたね!

オリジナルのヒトデの時でも

トラウマ生命体ではありましたよ。

 

原典のダガーラは超古代文明ニライカナイの

「汚染除去装置」生命体という……

その副産物が「べーレム」という……

この子、すげえかわいそう怪獣の仲間です。

あの物語は化ける要素を秘めていたのに

なんだか中途半端に終わった、もったいない映画。

 

平成モスラ三部作は改めて鑑賞すると

予算が出せないためなのか

・自衛隊に協力依頼できない

・容姿の整った男優を呼べない

・CGは安上がり

といった、女子ども役者との給料格差などを

感じてちょっと切なくなったりもします。

 

そしてレオがチートである。

アニゴジに出てくるならレオだろうとは

思っていますが、バトラはいるのかな?

 

 

☆オルガ

対怪獣戦というよりは

怪獣に追われた難民たちを

取り上げたエピソード。

 

怪獣大戦争初期、人類は自ら同胞たちに

地獄行きの切符を用意していたというのは

とてもリアル。世界はそう簡単にはまとまらない。

 

 

☆ゴジラ

まるまる一章分エピソードを

用意してもらえる、真打ち登場。

ヤマネ博士、大戸島、ごじら、といった

心躍るキーワードが序盤から飛び交います。

 

しかしこのカメーバⅣは

サイズからしてガメラなのでは……

と思ったり思わなかったり。

 

この章では語り手とアキラさんとの対話は

記録されていません。

続々と紡がれる怪獣王の記録に

よく脱出した地球人は

戦う気になったな……と思ったりもします。

記録が断絶されているのは間違いないのかな。

 

 

☆エクシフ&ビルサルド

キングギドラ星人とメカゴジラ星人こと

X星人とブラックホール第三惑星人を

一章かけて取り上げています。

悪人ではないのだろうけれど

その思惑がどう作用するのか不安な人々。

 

エクシフが古代から地球文明に接触していた

可能性が示されているのが気になっている点ですね。

宇宙怪獣のいくつかは彼らの斥候だったのではないか?

彼らが見誤ってしまったのは

地球には「ゴジラ」がいたことではないか?などなど。

 

ビルサルドのワインのエピソードは好きです。

技術者・軍人気質に鍛え上げられているというのは

好みではありますが……メカゴジラがどうなるのやら。

 

 

☆マンダ

語り手のウンベルトは映画にも登場しています。

でもあまり印象が……残っていない。

 

名前だけはちらほら出ていた

マンダ退治がようやく開始です。

轟天号の登場にわくわく。

これは映像映えしそうですわ。

 

 

☆ビオランテ

語り手のタニさんはユウコさんの

おじいさま……で良いのだろうか。

 

薔薇形態ビオランテが大活躍。

マンモスフラワーという名称は好き。

ちゃんと怪獣形態にもなりました。

VSシリーズメカが大活躍。

 

原典ビオランテは科学者がマッドなので

なぜ映像化されたのか謎だったりするのですが

性別はメスなのかなーというあたりは好きです。

あときゃおきゃおの鳴き声かわいい。

 

 

☆エメリッヒ版ゴジラ、ゴロザウルス

ヤシロ姓の女性に真打ちきたか!?と

期待したところ

まさかのハルオくんのお母さまというオチ。

それなら彼にはメカゴジラに

搭乗してもらわねばいけませんね!!

 

ジラという名称はあまり好きではないです。

マグロネタも、映画の出来が悪すぎるし不愉快。

(あれを認めちゃう特撮オタには近寄りたくない)

主演映画は結構好きなゴジラ作品でありました。

パークに似すぎているのは欠点だろうけど。

子どもはかわいかった、うふふ。

 

ラドンの群れに遭遇するとか

恵まれてますね、さすがヒロイン。

ゴロザウルス撃破おめでとう。

 

冒頭イニシャルだった調査官が

ここでアキラ・サカキ──

ハルオくんのお父さまとわかる仕掛けが憎いぜ。

多分名前の由来は、ゴジラをはじめとする

多くの怪獣映画の場面に立ち会っている宝田さんでしょう。

 

原典のゴロザウルスはほぼ恐竜なので

ハルカさんは恐竜タイプの怪獣と

戦っていたことになりますね。

 

物語は2048年──地球脱出直前

アキラさんがタニさんにメッセージを

送る場面で終わっています。

なぜ両親が一緒にいなかったかが明かされる。

 

1999年のカマキラス登場から

2039年のゴロザウルス退治までを

小説では取り上げているので

空白の約10年は次の小説で扱われるのかな?

メカゴジラが気になっています。

 

今のところ登場していない気になる怪獣は

キングギドラ、ガイガン、バトラ、

キングシーサー、キングコングあたりかな。

 

コングは難しいでしょうけれど

キングシーサーは出るのかねえ……