『大奥』

 

よしながふみの作品、全19巻。

 

アニメも年内には見る予定なので

カテゴリー追加しました~。

 

以下、感想です。

 

 

 

様々な媒体で何度も制作されている

逆転大奥を軸とした時代劇SF作品です。

(『イティハーサ』がSFなので、こちらもSF認識だよ)

 

どんなに長い台詞であろうとも

ひといきで読める、よしながさんの

台詞回しの魅力が存分に発揮されています。

 

数百年前のお話ではありますが、どのような関係性であろうとも

性的虐待は「虐待」であると描いてくれているという点で

作者さんへの信用度がとても高いので

(冒頭の水野さんの話からそうです、拍手!)

辛い路線の房事の話も安心して読み進められます。

 

冒頭数話の鮮やかさが印象に残るため

吉宗時代以降の話とそれ以前のお話への

自分の中の温度差がすごい……と読み返す度に思ってしまう。

 

よく出来た話と、好きな話は全く別なので

コマ割りどころか登場キャラすら忘れてしまっているのだ(爆)

何回か読んでいるはずなんだけどな???

 

自分がつらい・かわいそうだからといって

その情報を開示することなく、他人を巻き込んではいかんので

家光も綱吉も序盤が「苦手」であったし

それに惚れちゃう男・女たちも苦手であった。

 

はっきりとつかめてはいなくとも

どこかに「共鳴」するところがあるからこそ

恋愛が始まっている、というのは納得なんですけどね!!

 

割り切ってるタイプとか、友人から始まるタイプとか

まず自己分析をつきつめるタイプの「恋愛」は大好きなので

つまるところ「愛」の話に比重を置きたいのだろうな。

 

そんなこんなで将軍カップリングとしては

家茂さんと和宮さんがぶっちぎりで大勝利をおさめている。

「恋」はなくとも「性」がなくとも、そこにちゃんと「愛」があるので!!

(「カップル」の別れの場面で泣いちゃうのはこの二人だけだ)

 

恋愛の駆け引きや情事を楽しむ気持ちはあるけど

おそらく誰にも「恋」はしていないし

「愛」の情感も薄め(皆無ではない)吉宗さんも

登場時からお慕いしております。

 

不思議なことに、家重さんはまだ好きキャラのほうですねん。

ああいう育ちでまっすぐ育てというのは酷だよ。

比宮さんの生きている世界線はいずこ!?

(五十宮さんにも同じことが言える、いい人から死んでいく)

 

交流関係では田沼時代のまぶしさが

忘れられないんだな~。

メロディ切り取り分を整理したら

田沼時代と仲野くん登場回しかなくて正直であった。

杉下さんが出世してくれてうれしい!

 

あと、よしながさんが描いているため

ごはんでの交流場面がとても美しいのです。

食事を一緒に「楽しめる」のは良きことです。

 

☆☆☆

 

さて好きキャラはたくさんいますが

私の最推しキャラは、大奥総取締・瀧山に仕えた

仲野くんという、初登場時少年だった人物となります。

 

田沼時代は楽しかったな……という気持ちで

幕末に至ってすら読み進めていた状態だったので

最終章にて最推しキャラが登場するとは

全く考えていなかったのです←

 

ネームド少年キャラは舞台の性質上

男性に「発情」するタイプぞろいだったので

(別に悪くはない、脅されてたりとかしないのであれば)

主に敬愛をひたすら向ける少年キャラが

ものすごく新鮮だったのも大きいといえる。

 

あと彼の感想と読者の思考はわりとかぶりがちに

造形されていると思うのですが

一番シンクロして笑ってしまったのは

最後の宴の和宮さまが天女みたい!というくだりであった。

(一番泣いたのは瀧山さん自害の件で、二か月後私の涙を返せ状態に・爆)

 

メロディの懸賞は「常連」だったので

年に一度のペースで何度か当てているのですが

(他にも常連さんがいる雑誌だったなあ)

唯一当てた大奥グッズが、瀧山さんと仲野くんの

イラストだった時はさすがに爆笑しました。

 

アンケートしか出したことはないのですけど

私の仲野くんラブコールは編集側に筒抜けなんだな!!と

実感できた出来事でしたね~。

 

瀧山さんと仲野くん(とおまけの皆さま)の

明治時代繁盛記は未だに新作を待ってしまったりする……!!