『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』

 

やっと観に行けました……!!

ルークの物語を2年待っていたので

鑑賞できてとても嬉しい。

 

内容については気になるところも多々ありましたが

全体的に楽しめる作品となっていました。

着地については予告編印象からの

予測範囲内だったので驚きはなし。それでも寂しい。

 

以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

簡単なあらすじ。

 

レイはようやく伝説のジェダイ・マスター

ルーク・スカイウォーカーにたどりついた。

しかし彼はジェダイにまつわる全てを

拒絶し、死を迎える日を待っているだけだった。

 

今この瞬間もレイア将軍が率いる、レジスタンスの元には

ファースト・オーダーの脅威が迫っている。

R2の説得もあり、ルークはレイの修行を始めた。

 

レイは修行の最中、幾度も

カイロ・レンと邂逅を重ねる。

そして辿り着いた事実に

彼女は旅立つ決意をするのだ。

 

ファースト・オーダーの猛追により

絶対絶命のピンチに陥るレジスタンス。

果たして銀河の命運は──。

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

最初に自分の過去記事を引用してしまいます。

SW・LO感想記事より(全体はこちら)。

 

今後のSWについて。

最初にぶっちゃけてしまうと。

 

フォースは「ジェダイ騎士」から

解放されるべきものなのでしょう。

 

なぜならフォース自体は

あらゆるものに宿っている力であり意識であり

ジェダイ騎士だけが「独占」するものでは

本来ないはずなのです。

 

新三部作で描かれた騎士の育成システムを見て

あれ?と引っかかりを覚えたのは私だけではないはず。

幼少期から厳しく鍛えられる育成システムは

世界各地に存在してきた修道騎士に近いものですが

ジェダイでは宗派の違いすらないことになっている。

全ては共和国の平和のためです。

 

そして唯一の宗派の違いにして最大の違い「シス」が

ジェダイ騎士がいる限り生まれてくるというのも

また歴史が何度も繰り返した事実。

宗派の違いが即滅びに結びつくという

ある意味で脆弱なシステムでもあります。

 

RO作中でジンやチアルート筆頭

チームローグ・ワンが見せたような

あれが「フォース」と共に在る

生きた人間たちの姿であるはず。

 

私はルーク自身が「ジェダイ騎士」たることを

皇帝に示すのは、父親を救うために

必要なことだったと思っています。

父親たるベイダーが救われたのは

ベイダー自身が選んだ故であるとしても。

 

しかし「ジェダイ騎士」という集団が

これからもずっとあの銀河系に必要なのか?

FAの冒頭で賢者は語ります。

宇宙の平和にジェダイは必要だと。

 

しかしルークはジェダイ騎士が必要ないものだと

気づいているのでは?と思います。

故に彼は「私が最後のジェダイ」と語る。

 

彼がFA作中で、R2と共にある姿は

弟子を全て失った時の映像と

私は信じてしまっているのですが。

あの日を通り過ぎたルークが

また単に有望な若者をジェダイ騎士として

育成するとも考えにくい。

 

ジョン・ウィリアムズの旋律が語るように

レイ自身もまた、あのライトセイバーを

手に取ると決意した故に

訓練に付き合っているのでしょうが。

彼女の向かう先は「ジェダイ騎士」ではない。

 

土着の信仰が皆無とは考えにくいのですが

SW世界の中で最大派閥といえる宗教は存在しておらず

その役割を果たしているのはフォースとジェダイで

あることは間違いありません。

それは衣裳デザインからもはっきりしている。

 

過去の神は必要か

新たな神は、過去の神と同質のものか

そもそも他者と同一の神を人間は必要としているのか

 

そういう方向性に向かっていくのでは?

と予告編を見ながら思いました。

 

フォースが解放されればまた

SW神話の向かう先の自由度も

上がりますしね。

 

昔と同じものが見たいのであれば

素直に昔のものを見ればいいのです。

古い歌が好きなのは悪いことではないのです。

 

でも新しい歌が必要なように

新しい物語、新しい神話は必要なのです。

今までもこの先も。ずっとずっと。

 

自分が好きかどうかは全くの別のお話で。

 

ほぼ正解でしたね♪

 

私は新三部作での出来事をすでに見てしまっているのと

ROにおいて描かれた人々の姿がとてもすばらしかったので

「フォースをジェダイやシスから解放しよう」

という考えには否定的でないどころか賛成です。

 

人類が滅びたって、地球が滅びるわけでもなく

知的生命体が二度と生まれないわけでもないのと同様に。

 

何度も何度もスカイウォーカーの物語が

続いてしまうのも、ゾンビ状態で切ないものですし。

 

このあたりがダメだというのであれば

もう新シリーズは自分のSWには関係ないものとして

去って行くしかできることはないのでしょう。

SWシリーズだけのことではありませんし。

 

ということでまじめな考察感想は

ここで終了してもよいのですが

もうしばし続けてみます。

 

 

☆映像

SW・LOにおけるカメラワークと

被写体の調理法が秀逸であるギャレス監督。

猿の惑星最終作における役者の演技と

撮影地が雄大で美しいリーヴス監督。

 

この二人の作品を複数回鑑賞続けていると

正直悪くはないけど、ものすごく良いわけでもなかった(汗)

鑑賞前にこの尺長すぎるという先入観もあったため

冗長なカメラワークをカットしまくれば

もうちょっとすっきりしそうと思わなくもなかったり。

 

 

☆音楽

ウィリアムズ御大ももうお年ですね……

演奏にもう少し力が欲しかったのが

正直な感想です、スコアもちょっと寂しい。

 

過去の旋律が美しく組み上げられた

「変奏曲」としてみるのであれば

良くできたスコアとは思うのですけれど。

 

最終作は新たなる世代のテーマを

用意していただけそうなので

とても楽しみです。

 

 

☆クリーチャー

これは今回は結構当たりでしたね!!

 

予告編でおお!!とときめきレーダー反応したものの

チューイがぶんどかしている映像を見て

あ、この子ネタ枠だ……と確信した

新キャラ「ポーグ」はすばらしい!!

 

名前の由来は「チキン」だけど「ポーク」でしょう。

つまり日本語訳をつけるなら「うまそう」が

いいですね!かわいいけど、喰うv v

 

カジノで使役されているラクダ馬は

かわいかった。頭いい子が虐待されるのは嫌。

お世話係のちびっこたちも良い。

お目々をキリン系にしてくれると

萌えポイント上がりそうでしたが←

 

最初コヨーテかな?と思いきや

よく見たらキツネだった、雪キツネかわいいv v

初対面のはずなのにレジスタンスの皆さまと

一緒に不安がっている(ように見える)構図すばらしい。

しゃらんしゃらん鳴るあの音いいな〜。

 

BB-8のお仲間ドロイドが仕事していてよかった!

ドロイドたちが有能なので

ファースト・オーダーの人材不足がカバーされると良いですね……

 

 

☆物語

エピソード7で提示された謎のかけらを

どう調理するのかが難しかったと思うのですが

一番の難題・ルークに関しては良い出来かと思います。

 

その分、そこかしこに粗が残ってしまっているのが

ちょっと残念ではありますので、脚本推敲期間を

あと1年ほど用意してもよかったんじゃないかな……

新シリーズを生み出していくなら

そのぐらい必要だったと思いますし。

 

最初にまとめてしまいますと。

ROは消えていった人々の物語という前提があるので

物語が特攻要素多めでも満足しましたけれど

(生き残った人々もいますしね)

これからの物語でもある本編では

特攻要素ばかりにしないでほしかったな……

 

キャラクターごとに触れていきますね。

最後に褒めたいので、ルークは大トリです♪

 

 

☆レイア

前作においても、単なる過去キャラクターの顔見せではなく

その後も「オーガナ将軍」として戦ってきた

生き様を感じられる演技だったと思いますが

今作での演技の美しさとすばらしさには磨きがかかっていますね!

 

役者が故人となってしまった故

おそらくはレイア中心になるはずだったろう

次回作が幻の作品となってしまったのはとても悲しいことですが

最後の演技がこれほどのものとなったことは幸いです。

 

今回のフォース描写は私もちら見しかしていない

アニメシリーズ(ルーカス監修のもの)に

近かったと思います。結構何でもできるんですよ。

なのですが。

 

彼女が完全に宇宙空間に投げ出されてから

なぜか船に戻ってくる場面はギャグなのか!?

ギャグなのか!!??とスタッフこづきたいです。

不満はここだけ。ルークの加護描写もなかったし。

あとは昏睡していたのでしょーがない。

 

ルークとの出会いと別れが美しかった〜v v

あの二人の、成人してから出逢った双子という

恋愛ではない、ただの家族でもない

という不思議な関係性の空気は大好きです。

 

 

☆ポー

退場予定も実はあった、かっこいいパイロットという

前作のキャラクターからちょっと踏み込んだのが

魅力を増していて良い。

 

ただもう少し描き方をなんとかできなかったのか?

とは思いますが←

物語の外野からの、結果論の印象ですが

彼の作戦で犠牲がどんどん増えているのも現実なのですし。

まあBB-8という最強のパートナーがいるかぎり

大丈夫であろう。

 

 

☆BB-8

この作品の戦闘補佐ドロイドは

本当に体を張ってますよね〜。まさにパートナー。

冒頭のがんばるBB-8はみどころです。

 

人間警備員を撃退しているのと

ダチョウ戦車を操縦しているのは笑っちゃいました!

偉大なる先輩は破壊専門ドロイド複数体をも

撃破できる単体戦闘能力の持ち主なので

次もがんばってみよう!←

 

 

☆フィン

そういえば君はレイの旅立ちを

知らなかったんだな……と目覚めて確認。

あの服装でうろうろするのはやめなさい(笑)

 

逃げることを繰り返した彼が

「レイ」ではない何かのために

立ち向かうというエピソードは良かったと

思うのですが、もう少し見せ方がなあ……

 

 

☆ローズ

なぜかスポットが当たっていた爆撃機のお姉さんの

身内だな、というのはすぐにわかりました。

要所要所の表情がかわいらしかったのだけれど

フィンを救うくだりはちょっと安直すぎたかも。

 

お姉さんが王道に分類されそうな美人パイロット

妹が「花子」名が似合いそうな整備員ということで

みそっかすという設定がありそうだなあ

と思っていたりもします。生きていたら教えてもらえるかな。

 

 

☆カイロ・レン

信じようとしてくれた父を手にかけた彼が

戻れることはないだろうと踏んでいたので

そちらの道を進んでくれたことにちょっと安心。

簡単に救われても困りますよね←

 

ただ祖父を追いかけることをやめてからのほうが

アホキン坊やにそっくりになっていて

新三部作の姿を見ていた人からすると正直笑えない。

あれこれ迷っていた時のほうが魅力はあるな〜。

前作でもゆらぎのパートはいい演技だと思いました。

 

「私と君で世界を征服しよう!!」

って言い出す病気なんですか、ダークサイドは……

男性同士だとBLで、男女でやるとHLだな。

最新シリーズでは女性のダーク・マスター出るとよさそう←

 

 

☆スノーク

猿の惑星シリーズを見届けた後では

SWシリーズ「レイ三部作」における

正直物足りないキャラクターNo.1になってしまいました。

 

ぶっちゃけ、あのお方がやる役じゃないでしょ!!??

役者で期待した分、謎要素ぶん投げられた状態なので

最終作でも何もなかったら本気で怒ります(爆)

 

ファースト・オーダーが帝国の模造品で弱体化しているのは

女性スタッフがいることからわかりますけれどあんまりだ←

あいつらはファシストなんだから、女を入れちゃだめだよ!!

(ROは白人男性しかいなくて、完璧でしたね〜)

 

 

☆キャプテン・ファズマ

彼女には彼女の物語があるのだろうと

役者の演技から感じさせる魅力的なキャラクターなのに

作中でそれをはっきり出させてもらえないのが

ああ、旧三部作のボバ枠なんだなあ、ととても残念でした。

 

あなたもレイ三部作の派生編やるときに

少女時代をお披露目すればきっと大丈夫ですね(涙)

 

脱線しますけれど、少年ボバとジャンゴさんの関係性は

SWカップル・コンビの中でもわりと上位の輝きがあるのだ!

あのでここつんは反則だと思っている!!

 

 

☆ホルド提督

この役者さん知ってるような……??と思っていたら

『ジュラシック・パーク』のエリーさんでした!

JWに出演する可能性ってあるのかなあ??

 

立ち居振る舞いと台詞からして

レイアと親しい間柄の方なのだろうとは

わかりますので、もう少し描写はなんとか(これ何回書けばいいんだ)

 

船に残ります以降の場面はどこも美しく印象的でした。

最後のワープ特攻は悲しかったという

気持ちを優先させておこうと思います。色々言いたいけど。

 

 

☆マズ

今作に登場した女性キャラクターで

一番輝いていた疑惑がある(出番が少なかったからとか言わない)

女海賊さん。アジト(?)の酒場を失っても

魅力は健在ですね!!若い頃のスピンオフ見たい〜。

 

彼女がどうやって「あの」ライトセーバーを

手に入れたのかいつか教えてほしいものです……

 

 

☆チューイ

ひきこもりルークのドアを吹っ飛ばした時に

あなたが来てくれてよかった……!!

と本当に思いました、ええ。

 

ポーグとのかけあいパートはどれも良い。

「食べるの???」がたまらないv v

ファルコン号に棲みつかれてしまったので

今後はずっと一緒なんでしょうね〜。

 

結局ファルコン号を受け継ぎ

チューイのパートナーとなるのは

レイさんということでいいのかしら??

 

 

☆C-3PO

彼の「マスター・ルーク」がまた聴ける日は

やってくるのでしょうか……

再会の場面はやはり良いものでした。

 

レイアの呼び方について私は結構気になっていて

部下たちには「オーガナ将軍」

親しい仲間には「レイア」

彼には「姫」

というような統一をしてほしかったんですよね……

 

字幕は補助、という程度にしか見ない人間なので

英語台詞で気になってしまうのでした。

 

最終作で去ってしまう可能性が高いのが

とても心配な執事ドロイド。

 

 

☆R2-D2

君が来てくれれば物語はさくさく進むね!

をまた見せてくれるとは……

さすが伝説のドロイド。

 

あなたのマスターはもうこの世には

現れないのかな……それもそれでいいか。

マスターがいないR2が去っていくのも

それはそれで良いことなのでしょう。

彼は忘れることができないのですから。

 

 

☆ヨーダ

新三部作の2作目からCGになってしまっていたので

またマペットのヨーダが見られるとは……!!

と大感激いたしました。

あの大老ヨーダが大好きです。

 

彼にとってはルークはいつまでも

若い青年のままなのだね……それが良い。

弟子の迷いを引き受けて穏やかに微笑む

ヨーダに会えたのは嬉しい驚きでした。

 

……次の作品でオビ=ワンは出てくるのかね?

 

 

☆レイ

ルークの指導がカット割りのせいか

わかりにくいものだったので

独学で学んじゃってるのではという

疑惑がある、強いフォースの娘。

 

彼女とベンの会話、絶対

彼女の望む方向で成り立ってない……と

こちらは過去作から学んでいるので

邂逅の場面は毎回ひやひやしておりました。

 

マズとのやりとりにおいて

迎えはこないことを知っていたのであれば

「両親」の正体ももう知っているのでは

と思っていたのも、当たりだったようで。

ただこれはまた展開していく可能性もあるので

保留しておきたいものです。

 

ベンがどちらに転ぶにせよ

レイがパートナーに人間を選ぶ展開は

避けておいたほうが良いのではと

思っていますので、R2の展開希望しております。

 

彼女が新世代フォースの使い手の

主人公たる存在は確かなので。

 

ルークの「道具」だけではなく

彼の「想い」も継いでいってほしかった

正確には、その「描写」が欲しかったという点で

この作品で最も不満が残ってしまっています。

途中の別離は必要だったと思いますけれど。

 

最後の救出作戦パートに何かしら

繋がりを感じさせるカットが

あればよかったのですけれど……

ヨーダの台詞もルークは受け取れたけど

レイには伝わってないですしね、いい場面なのに。

 

 

☆ルーク

今回の物語はルークの長い旅路の

終わりを見届ける作品でした。

 

「あの」ルークが隠遁生活を送るからには

ただ弟子に裏切られただけではなく

「彼自身」に絶望する何かがあったのだろうと

思っていましたので、ベンに手をかけそうになったという

くだりはかなり気に入っております。

 

チューイやR2やヨーダやレイアの前だと

あの頃のルークが帰ってくるんだなというのが

ハンやレイアとは全く違う、若い頃のキャラクターを

想起させる演技になっていたのが驚き。

過去作念のために見直そうとは思いますが

イントネーションも合わせていたかな。

 

皆を助けにやってきたあたりで

幻説はなんとなく浮かんだとはいえ

AT-AT爆撃あたりでもうわかってしまいました。

とはいえすごい力だなあ……

 

眠れるR2が隠していた地図については

ルークが残しておいたものだと思っていたので

レイに見つかった場面などは

拒絶するにしても、もう少し工夫できたんじゃないかな

と思ったりしています。

 

フォースがジェダイの専売特許でなくとも

その力を閉ざし続ける必要性も

なかったと思いますし。いきなりフルパワーは無理だ。

 

最後に見た景色が本当に美しいものでよかった。

 

弟子に手を下せなかったように

書物を焼くのをためらったように

彼はきっと、地平線を見ることは

やめられないのでしょう。

 

彼はごく普通の青年で

英雄からは最もほど遠い存在であったが

つなげていった行動がいつのまにか

「伝説のジェダイ・マスター」と呼ばれるものになっていた。

 

それがルークの強さであり弱さであり

魅力でもあったのだ。

 

ありがとう、あなたに出逢えてよかった。