友藤結の作品、全3巻。
物語の設定からして、もう少し
長いお話になるはずだったのかな?
とは思いましたが
まとまっていて良き作品でした。
以下、感想です。
龍を司る聖なる巫女を中心にした
教会信仰が世の中を支配する世界で
本当に「世界を救う」とはどういうことだろう?が
裏テーマだったように思える作品です。
結局、人間そのものが変わっていかなければ
立ち行かないものはあるのだ……
愛を知らなかった孤独な聖者と化物が
出会った頃とは違う結末を迎えられたのは
主人公とヒロインに出会えたからなのだろう、と
信じられる点ではハッピーエンドなのでしょう。
贄姫のお話のほうにて、獣人を軸にしているとはいえ
差別や迫害をしっかり描ける作者さんだなというのはわかっており
掲載誌で要求される範囲とは違っていたのかもしれないのですが
長く続けるのは描き手側に難しい、という判断だったかもしれないので
お話の長さが当初どれくらいだったかは深く考えないこととします。