『日本の月はまるく見える』

 

史セツキの作品、全3巻予定。

 

読切から連載になった作品ですが

入選したプロトタイプ版も

あるんですよね(リンクはこちら)。

 

以下、感想です。

 

 

 

表向きは規制されている「BL」作品を

母国で描き続ける主人公。

一年前のメッセージをきっかけに

異国で創作活動を開始するお話。

 

猛烈学歴社会であるとか(科挙の国だ!)

ひとりっこ政策の影響で男女数が開いており

結婚に苦労する若者世代の様子などが

地に足のついた表現で描かれるのは

ありがたいですね~。

 

あちらからのアクセスが厳しい話は聞いているので

比較しようがないことは前提として、日本から

中国にアクセスする時もちょくちょく

遮断されますので……同盟国でないとはいえね。

 

「直男」の昔なじみさんが、主人公からしても

ど・どういう心情でこうしているんだ!?

混乱するタイプなので、彼視点のお話が

読めるまではちょっと負荷がかかる構成……

いや、思考がわかるようになっても

うっとおしいところがあるな!?

(プロトタイプ版よりはずっとましとはいえ)

 

コロナ禍の頃に物語が進みますと

異国で「不安定な身分」で生活していくのは

本当に大変なことで……母国であっても

自由について考えてしまうのでした。

 

物語はここにて幕を閉じますが

彼らの生活はこの先も続いていくのです。

主人公がたどりついた答えを

応援したくなる、さわやかな読後感なのでした。