かわいいルカくんの「生存」を守る方向に
頭が回っていない悪魔の語りに
寄り添うの自分は無理ですね(リンクはこちら)。
コメント欄などの目立つところでは
混血になるのがわかっていて子を作るのが悪い
VS 子の誕生を否定するのは大魔王の思想を肯定している
あたりを軸とする、感想バトル(?)になっているんですが……
大前提として、子どもは作る「気持ち」ではなく
性「行為」に伴い発生するものなので、
(私も両親避妊中、第一子計画に「失敗」して生まれた子です)
可能なら作らないに越したことはないが
やがて巨人に成長する可能性が高い子どもの
「生涯」を守るべく動かないのはなぜ???が初手感想ですね……
以下、感想です。
そもそも過去回想の主人公が
大魔王であることを隠して
人間社会の営みを続けている悪魔という
「信頼できない語り手」なんですよね……
(アスモデウスは悪魔であると相手に開示してるだけまし)
(それでも視点が歪んでいる)
なので前回のエピソード含め
「正しそう」な情報と合わせて
推理しつつ読まないといけないのですが!
どこまでも他責思考なのが本当にすごい。
ルカくんかわいいし、後の展開は可哀想なので
「騙されたくなる」読者の気持ちもわからなくはないが
あの子が「ホモサピエンス」ではないことは事実であり、
成長していくあの子の「未来」を考えてないのは
父母どちらなんだ???
語り手本人が魔力を封じる腕輪では
神の呪いまでは消せなかった、と
説明している以上、怠惰の魔王が息子を
巨人化しないと考えていたとしても
その見通しは甘すぎるとしか言いようがないわけで。
いずれ巨人になるルカくんの特性を考えれば
ゲヘナ帰還は必須だし、妻との関係を調整した結果
たとえ《母親の愛がない》という特大問題が残されても
仲間のいる場所に連れていくのが
情操教育としては絶対いいのにな〜!!
人間社会での営みを諦める臨界点は
どう見ても家庭内の平穏すら守れなくなった
子どもが三つになる頃(=母親が暴力を振るった)ですよね……
ゲヘナ帰還が思考にかすりすらしないなら、せめて
生まれた子どもが平穏に「人間」として生きていけるよう
手を尽くす発想をしてくれーと思うけど
愛玩動物扱いで妻に正体明かしてない状況で
君は魔王の子だとささやいちゃうのはマジで悪魔ですわ……
そして今回の話の冒頭にて
ネフィリム(ぱっと見は異形の子)が生まれた結果
起こった生活への支障や妻の変化も
語られてはいるのですが。
当方、悪魔狩りでぱっと浮かぶのが『デビルマン』であり
それを出されたら大抵の悲劇はかなわないぜ!という
認識はあるのですけれど。
前回の引きから想像していたよりはるかにぬるくて
教会の「金づる」扱いにより守られていて
ルカくんが五つで悪魔拷問を受けるまでに
あの子を助ける機会がたくさんあった
迫害ルートが提示されたという受け止め方なので。
「怠惰」を司る大魔王である
自分の本分を全うした結果、
子どもが死んだのは自責案件っすよね???
という感想にしかならないんだぞ。
これが貧しい田舎の夫婦であれば
親子共々、「忌み子」誕生と判明直後に
異端審問(拷問の上火刑)となっているだろうが、
都会の大富豪で「実入り」が多いだろうし
悪魔が敬称で呼びかける(=関係が良好である)
神父筆頭、教会関係者がたびたび
夫を「擁護」してた光景が想像ついてグロテスクですよ~。
そして名家を乗っ取ったとかではなく
完全に「成金」富豪ですので、
その男に見合い相手として「用意」される娘さんが
《実家に金を引き込む道具》扱いを受けているのは
初対面で求婚されて、こちらが頼む側、
子作りに対し、家と家を繋ぐ女の仕事、と話す
彼女の台詞からも明らかなんですが
商売相手である人間社会のことマジで知らんのだな……
ぶっちゃけ奥さんもっと肉体的に
酷い目に遭っててもおかしくないのだが
(忌み子腹を罰する・恩寵を授けるといった、両極でも行為は同じのアレ)
元々いいおうちのお嬢さんであること(ただし落ちぶれつつある)に加え
浪費対象に教会への寄進がたっぷり含まれてるんだろうなあ……
息子の救済を相談した段階で、彼女自身が拷問を受けておりませんし。
あの流れで「反出生主義」に陥るのも、
世界を滅ぼすのに「他人」の力に頼るのも、
無理すぎる――!!となっているので
次回も回想が続きそうなら、イムリさんに
ぶったぎってほしいものであるよ。
☆☆☆
以下、コメント欄でちょくちょく意見が出ている
あたりについての自分の意見。
大魔王であると自己開示した上で
受け入れて愛してくれる女性については、
中世ヨーロッパという前提であれば
「恋愛」結婚でもかなり難しいのに
見合い=政略結婚ならありえない!としか。
そしてこの物語世界において
主も悪魔も人間が信仰のために
創り上げたフィクションではなく
実在の後に宗教団体が形成されているという、
神父くんの先行きが詰んでるな~と
常々思う設計なわけですよ!!
(私の希望はイムリさんと神父くんの
駆け落ちなんですが、そうすると世界は滅びます)
(地球生命体的な巨きな存在は認められてないので
海獣の王「ごとき」のサイズでリバイアサンが病みます)
田舎から身一つで出てきたとか、
改宗した異民族とか、そもそも異教徒とかなら
悪魔の子を孕むことも「愛」で突破できそうですが
その場合、社会弱者である奥さんは速攻火炙りコースだな()
仮に神父くんのような「本物」の
エクソシストがあの時代・場に
いてくれたとして、ネフィリムも
処分対象には変わりなかろうし()
あと怠惰の魔王がルカくんに向けてるの
私には愛玩動物への愛情(息子どころか妻も)
(初対面で僕のものにしたい発言あるし)にしか
見えないんですが、あれが親子の愛情なんですか???
「存在」の承認・肯定については
リバイアサンと対峙した時の
神父くんのほうがずっと見事に
行っておりましたし、つまりそこに
「愛」は不要でもあるのだ。
確かに愛玩動物扱いでも
双方幸せなら良いかもしれない、
対等な関係が存在することはない
大抵のホモサピエンスと家畜もそうなので。
ただし自らが生殺与奪の権を握っていること、
何が起きようとも他責はありえないこと、の自覚はいるのだ。
飼い主があらゆる手段を行使しなかった結果、
愛犬が悲劇的な死を迎えたら
その死は飼い主が引き受けることです、当たり前のことです。
☆☆☆
しかし今回のお話については
私の受信方向がおかしいのか?と
珍しくよその感想を探してしまったんですが。
《ベルがXに子育てエピソードを断片的に
投稿したらバズってそう(詳細情報でボロが出る)》
という方向の指摘は爆笑してしまった、ありえる~!!!
リバイアサンあたりが地上に出張ってきて
さっさとゲヘナで暮らすようになり
巨人化しても海獣にかわいがられている
(怠惰は「かわいい」の定義せまいから離脱してそう)
(少女モードの同僚大魔王を「ロリ」呼びするぐらいだもんな)
ルカくんの二次創作を作るしかねえ!!