『末永くよろしくお願いします』

 

池ジュン子の作品、既刊11巻。

 

LaLaで読切企画(当時記事をふりかえると

同時期発表別作品のほうが好みだった模様)

好評を受け、連載開始した作品で

序盤は読んでおりました~。

 

いわゆる年の差カップルものなのですが

清楚美人に擬態した肉食系女子高校生

VS(!)恋愛に疎い草食系男性書家という

配置の妙と、ギャグテイストで進行する中でも

たまに見せる倫理的バランスの良さで

最終的には円満に「くっつく」方向だろうと

予想しておりましたが。

 

最近の展開見ると「当て馬」寄り道しつつの

ルートになってきているようなので

ぶっちゃけ、そちら担当の一読者としては

わくわくする気持ちは隠せないのですが

初期からのファンにはどうだろう?

 

上の件も関連するため

よその感想に触れつつの記事となります。

 

以下、感想です。

 

 

 

初期作品は単行本を集めていたので

キャラクターが生き生きと描かれているのは

ずっと作家の長所として変わらないなあ、と

掲載されていれば目を通していました。

 

「悩む」時間が基本的に短めで

まずは行動!相手と対話しろ!!という

能動的なガールズぞろいとなっております。

対外的に男性陣が受け身になる…不憫男子多い……好き()

 

フィクションにおいても、年の差カップルを

年々受け付けなくなってるなあと思うのですが

(《恋する子どもVS無性の愛を与える保護者、

基本成就しない》好きであることは認める)

ヒーローである清水さんが

保護者の責務や、成人男性の危険性を

自覚してふるまう場面がちょくちょくあるのと。

 

ライバルである柊くんが

対人距離が近めな主人公の輝さんは

保護者にじゃれついているように見える、

「恋愛」しているようには見えないと指摘直後、

彼の双子の姉・紅葉ちゃんによる

恋愛の形はそもそも人それぞれで

「保護者」に恋をするのもおかしくない、

相手の恋心も自分の恋心も否定して自衛するな、

ド直球の返しがくるのもよい采配でしたね~。

 

上のエピソードが序盤に出てくるのと

少女マンガテイストとはいえ性愛最優先での

恋愛アプローチに初期・清水さんが

おびえる場面が多々あったので

(この辺については後にまた語ります)

独自性があるなあ、と思うのです。

 

☆☆☆

 

単行本8巻の修学旅行編あたりから

書道の先生でもあるヒーローと

主人公の距離感に遠慮せず「がんばって」

アプローチする柊くんが見られるように

なってきておりますが(彼の『好き』はすごくよい!)

(正直シャノウばりに羅列したい気持ちをセーブしておる←)。

 

多分「当て馬」以上の動きに見えるのが

通販サイトレビューやアプリコメント欄で

不評を買っている要因であろうな~。

 

柊くんの当人比・猛アプローチの前振りとして

いやすでに清水さん、輝さんのこと

「好き」なんだよな?今の関係だと

キープしているように見えてしまうので

一読者の心証はよくないぞ??という

積み上げが中盤にありまして。

 

そのあたりが作中キャラにも伝わっていて

「私はあの保護者面が気に食わない」

「保護者だってならちゃんと突っぱねろよ」

といった台詞につながるのですよね~。

 

清水さんが最新刊にて、意識した上で「恋愛」解禁したの

柊くんがゆさぶったおかげでもあるんだからな!?と

担当者としてはこのまま応援するスタンスで

いようと思っております~。いっしゅんのかがやきでも

いいのだ、パラレルワールドという手があるからな!!

 

以下、恋愛を解禁しない場合の

清水さんについて「読み手の姿勢」を含め

つらつら書いているのであけます~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

友人から初恋もまだと断言されていた

清水さんの性的指向につきましては

そもそも恋愛を必要としないタイプなのか

事情があって恋愛を抑制しているタイプなのか

気にしているほうの読者ではありました。

 

現在のLaLa掲載作品であれば

後者だろうと予測はつきますし

最新刊にて回答も出たのですが、

前者だったらどうするんだろうこれという

不安の付きまとう作劇ではあったんですよね~。

 

いやだっていくら美形でも金持ちでも家柄良しでも

「好き」をアプローチする方法が

もっぱらキス(しかも舌をいれてくるほう)の個体を相手にするなんて

アセクシャルからすればホラー案件ですからね……

少なくとも私は《私に発情する個体》を遠ざけたいので。

 

あとはギャグテイスト交えた作風とはいえ

主人公が好意を抱いている相手を一方的に襲う場面を

見せられてきている前提がある中で、

ライバルが懸想をしたり好意を言語化したり

接触アプローチを取るのを否定するのはつまり。

 

《恋愛が必要かは不明だがフリーの相手にせまるのと

別個体に好意を寄せている相手にせまるのとでは

後者のみが問題行為である》という謎ルールが

発生しているということでもあり

嫌がってるか否かを基準にするならともかく

そこを基準にするのはおかしいよね???とは

思うのです~。まあ共感はされないでしょうけど。

 

柊くんのすごくがんばっているアプローチは

ものすごく応援したいので

邪魔な「当て馬」呼ばわりされようと

私は彼に寄り添いたいな~と思うのです。

次巻感想からは強火担当の文言いれておきましょう!!