監督・ギャレス・エドワーズ、2023年公開。
大作映画から離れていた好きな作家による
出来の良いインディーズ映画、という
仕上がりの作品です。
正直SFとしては良く言えば王道、
悪く言えば手垢が付きまくっている路線で
わかりやすくアメリカVSアジア、
白人(名誉含む)VS有色人種、という
二項対立の中に、監督の日本趣味が盛られた結果。
狙いは分かるが提供される映像・やり取りが
危なっかしすぎる……(「日本人」にはちときつい)
でも特殊効果は見事、という
変な映画であった……アカデミー賞外れて
よかったかもしれないな〜。
そしてわんちゃんがわりと危ない目に
遭っているが当犬はけろっとしており
最後は無事、という変な絵(!)が入るのでした。
さすが津波から逃げ切らせた作家ではある……
以下、感想です。
映画館の席は何回か抑えていたのでしたが
色々ありまして結局行けずに終わりましたけど
多分映画館で寝ていた可能性が高い!!
音響が適切に利用されている結果
既存曲含め殺伐とした場面でも
α波出る印象の曲が多かったですね〜。
ドハゴジにて「月の光」を使うアイディアは
やはりこっちの監督が出したんだろうか。
(最終映像は全然合ってなかったもんな……)
シナリオについては、潜入捜査官の本気ロマンスという
最も興味のない路線だ!!ということもあり
(任務中に子ども作ってんじゃねー、てか種あるんだ←)
メインの親子逃避行にはあんまりそそられなかったので
どちらかというと名もない人々・AIに視線を
向けがちであったな〜。犬がわりと多くてかわいかった。
ここまでアメリカ軍人が露悪的に振る舞い続けてる作品も
白人監督の場合は珍しいのですけれど、
ロシア・イスラエル軍人の評判を聞く限りでは
(そもそも沖縄県にずっといる軍人も含め)
あれがまあ「正しい」表現だろうとは思いますが
アジア系の人々がずっと暴力にさらされてる構図はきっついわー。
明らかに間違っていると自分たちもわかっているだろう
自動翻訳にウケて爆笑してる図とか
アジア人に寄せられているAIのぞんざいな扱いとか
ああいう嫌な感じは言語の壁を軽く越えますので()
そして西洋文化圏に紛れ込む日本語と
東洋文化圏に紛れ込む日本語とでは
重みが全く変わってしまうので
(漢字はご先祖が一緒なだけ・かつ分岐してるからまだまし)
ニューアジアなる地域は、アメリカ資本にて
大日本帝国が広大な支配権を確立した後の
世界なのか???と疑問符が浮かびまくるのでした。
いっそ設定立てておいてくれたなら
植民地支配をしていたはずの大日本帝国が
「裏切って」AI文化圏を築いたという
やつあたり要素を組み込みやすくなりますし……
怪獣が出るのかな?と思わせて
巨大戦車だったところ、
やっぱり宇宙空間では怪獣が
襲ってくるんじゃないか!というのは
面白かったですね。
あまりにも変な仕上がりだったので
一回見ると覚えるカットがかなりあり
見なくて良かったとまでは思わないのですが
もう一回見なくても思い出せるので
リピート必要性を感じない……