古舘春一の作品、全45巻。
学生スポーツに打ち込んだ一瞬よりも
長く続いていくその先の人生含め
スポーツに向き合うことを丁寧に描いた
バレーボールマンガの快作。
以下、感想です。
「小さな巨人」に憧れた主人公が
生涯のライバルと運命的な出会いを果たし
バレーボールを人生としていくお話。
初期の絵柄も好きなのですが
明らかに長期の週刊連載向けではなかったので
表情の魅せ方や構図の迫力をがんがん増しつつ
太めのペンタッチに切り替えていくのもわかるかな。
『ドカベン』の描線が最強だとは思うんですけど←
社会人になってから読んだこともあり
メインの学生スポーツマンたちよりかは
指導者・保護者のエピソードに注目しがちです。
私はじじい監督ファンクラブメンバーで
武田先生は後の名匠になるんだと
信じている、のだ……!!
主人公の日向が試合中高熱を出すという展開からの
《「スポーツ」に真摯に打ち込むとは
どういうことなのか》を見せていく最終エピソードも
アニメ化して欲しいけれど、難しいですかね……
☆☆☆
競技者、指導者、保護者視点で読む分には
過去のスポーツマンガが放棄してきた問題点を
どんどんクリアしていく快作ではありますが。
(根性論とか健康放棄とかそのへんね)
性欲のある体育会系高校生男子から見た
女子マネージャーという「生き物」の解像度が
高すぎる故(マドンナ扱いは人間扱いではないので)
女性キャラの描き方についての批判が
起こるのは当然だと思ってます。
ぶっちゃけ私も、潔子さんはこの環境を
どう思っているんだろうなあ……というのが
わかりにくかった初期は、面白い作品だけど
好きに至らず、という状態でしたので
一年マネの仁花ちゃんは救世主であった!よ!!
仁花ちゃんが登場したことで、作中女性キャラは
「マネージャー」という生き物ではなく
「マネージャー」という役割をがんばる
同じ高校生なのである、という視点が
ちゃんと提示されましたからねえ……
要所チラ見せでも魅力的な
女の子キャラちょいちょい出てくるので
ガールズサイドのお話もっと読みたかったな。