矢口高雄の作品、ヤマケイ文庫版。
前半は三毛別羆事件を題材とした
戸川幸夫の原作小説のマンガ化で
(あとがきによれば調査報告を丹念に行った
木村盛武に直接取材を重ねた、とある)
クマさんが擬人化されているとはいえ
ひぐまVSひと、つらい……となるのだった。
以下、感想です。
★『羆風』
本当に、絵が素晴らしいな!!!←
矢口高雄は白土三平の弟子なので
強い生き物の作画も見事~。
動物の擬人化は好みがわかれるところですが
「二本足の生き物」表現が私は大好物なので
冷徹な視線があるなら、歓迎しております。
奥さんを踏み台にして
上に逃げた件、ものすごく有名だけど
ひぐま相手に戦える人ばかりではないのでね……
明らかにパワーが違う生き物と
共存を目指す場合、彼らが
彼らのなわばりで「満足」できるよう
人間が色々動くのが重要なのであって
遭遇しても「殺さない」ではないのよね。
★『飴色角と三本指』
カモシカの密猟のお話なので
人間に負けるな!視線になってしまう←
奥さん逃がした主人公(カモシカ)はすばらしい。
シートンもかなり描いてくれてますが
優秀なオスは強く大きく美しい
ものなのであるよ~。
人間の美の基準はわりと謎ですけど
動物の基準で見たら
ちゃんと美男だと認識できるだろうな。