矢口高雄の作品、ヤマケイ文庫版。
この方、デビュー作が『長持唄考』
なんだよなあ……としみじみしてしまう
農村生活に対する冷静な筆致が
冴えわたる社会派作品。
文庫化に寄せたあとがきが
2019年5月なので、矢口さんの故郷が
「まだ」廃村になる前ですね……
以下、感想です。
高山一家を中心にお話が語られますが
彼らはほぼ狂言回しなので
農村の「悲劇」は他の一家が
担当しておりましたね←
やがて家を出ていくであろう
かつみちゃんの明るさが
癒し状態です……
男女間の結婚も「自由」ではなかった
頃のお話という認識なので
恋愛が成就しないことに対し
熱くなれる読者の皆さんが新鮮……!
過渡期だったのでしょうね~。
身体障碍者の家族がいたため
おそらく独身で生を終えるだろう
器量よしのお嬢さんの話が
個人的に刺さりました。
みんな好き勝手言うもんな……