『ウルトラマンG』

 

私の初めてのウルトラマン。

そして最高のウルトラマン。

 

幼少期、国産ウルトラシリーズは

冬の時代となっておりました。

そして代わりに活発だったのは

海外産ウルトラシリーズでした。

 

私が海外特撮の怪獣たちに抵抗がないのは

グレートのおかげと思われます。むしろホームかもね。

 

オーストラリア・日本共同制作ではありますが

権利の関係で長らくソフト化が絶望視されていました。

(DVDが存在しない……)

数年前に他海外ウルトラマン含め一気にソフト化。

万歳しましたとさ。もちろん複数買いですよ。

 

特筆すべき長所は次になるでしょうか。

・野外撮影による、特撮場面の空間の大きさ

・メインで登場するキャラクターの人種が多様

・女性隊員がばりばりの研究者、戦闘員

 

ポリティカルコレクトネスについて話題になるたびに

私が子どもの頃のウルトラマンでできていたことに

なんで今さら文句が出てくるのだろう?とも

不思議に思ったりするのです、まる。

 

以下、ネタバレです。

 

 

 

☆シナリオ

怪獣作品はどちらかといえば

人間ドラマ重視派にとっては外せない要素。

 

どこかカットしたのかな?と思わせるほど

さくさく進むテンポの良さがすばらしい。

こちらで補完するぐらいのでいいのだよ。

 

基本的に優秀な科学者・軍人たちがてきぱき行動しているので

とっても快適。コメディパートもすごく楽しい。

スター・トレックを彷彿させる優良SFです。

 

90年代初めという時代も関係し世紀末感は漂っておりますが

環境問題を柱とし、迷惑な原理主義者たちも活躍するという

大人になった今になっても色あせない内容。

むしろ現代は悪化してるしな……

 

そして日本語タイトルが毎回かっこいい……

エピソード感想を書くに当たって全部打ち込みましたが

かっこよすぎてもだえました……このセンスが欲しい。

タイトルだけじゃなくて作中ナレーションや台詞の言い回しも

すごくかっこいいので、いつでも再生可能だったりします。

 

日本語版と原語版とで映像は全く同じなのに

シナリオの細部が変わってくるのも面白いです。

「役者」さんが吹替をしていた時代なので

声優・俳優関係なくキャストが充実して幸せv v

 

 

☆ウルトラマングレート

作中ではずっと「ウルトラマン」と呼ばれているため

こちらもウルトラマンの認識が強い。

 

大気汚染の影響で地球上での活動時間が制限されるという

設定が本当に大好きです。より良い環境の地球に

私たちが回復させればウルトラマンは

もっと活動できるなんて、浪漫じゃないですか!!

 

スーツアクターの方が背が高いせいか

アクションすごく映えるんだよなあ。

そういう意味では初代さんとかマックスも好きだった。

 

ウルトラマンのビームにはこれだ!という定番の型がないのですが

元は同じエネルギーを、技として放つ時に違った形に変化させているという

海外解釈のほうが好き。技名はあんまり覚えなかったな。

 

主人公ジャックの瞑想変身はものすごくあこがれました。

多分カクレンジャーの印籠変身と同じくらい好きな変身方法。

大人向けグッズのネックレスを買うか迷ってやめたのであった。

 

 

☆怪獣

後述の侵略生命体に「操られた」存在が多いため

・怪獣が暴れているのは彼らの悪意によるものではない

・怪獣を殺さないで解決するのであれば殺さない

という主人公のスタンスがとてもすばらしいのです。

どんな生き物でも、害が及べば処分やむなしなのですけれどね!

 

彼らはただの「舞台装置」ではなく「生き物」という

「生きる物」への敬意がちゃんとあってこその

怪獣作品だと私は思っておりますので。

(なのでバトル「だけ」の怪獣作品は好きじゃない……)

 

デザインはクリーチャー寄りで

ちょっともたついているなあとも思うのですが

(成田さん参加の可能性があったということも含めて)

シナリオから与えられる怪獣たちの特性は

豊作ぞろいで、怪獣関係性萌え持ちとしてはたぎりますねv v

全体的にかわいい性格ぞろいだと思う(え)。

 

あと鳴き声が基本的にその子のオリジナルなのが

ものすごくうれしい!!もう諦めてるけど流用はつらい!!!!

 

個別怪獣語りはものすごく長いので

エピソードのところに合わせます。

 

 

☆特撮

合成・加工技術はすごく過去を感じます。

スタートレックTNGを思い出すのだぜ……

着ぐるみはどうがんばっても着ぐるみだし

マペットも黄金期を思えばがんばってる感が強い。

 

グレートという特撮作品で評価するのは

オーストラリアの大地で組んだ野外セットがもたらす

空間の大きさでしょう。空が本当にいつも高い!

 

人間サイドの飛行兵器ハマーの発進シークエンスは

いつもわくわくしながら見ておりました。

後述のサントラの良さも大きいとはいえね。

 

 

☆音楽

音楽に関してはウルトラシリーズで一番好きです。

今後このサントラを超えるサントラは来ない……

くらいの信者だったりします。

 

ウルトラマンに似合う音楽は

雄大なクラシック音楽だったのだなあ!!

 

主に怪獣たちの場面でかかる音楽も

不協和音がワンダフルでにまにましてしまいます。

ブルーレイ化する時に音質もっと際立たせられたら

よかったのだろうね。元データも関係してきますからね。

 

細かい内容に移りますが

まずはメインキャラクターの感想です。

 

 

☆ジャック・シンドー

宇宙飛行士として火星で任務中に

地球外生命体に遭遇、同僚・宇宙船を失う。

ウルトラマンと同化することで火星から生還。

UMA隊員として、時にウルトラマンとして

地球のために戦う主人公。

 

なのですが、ウルトラマン経由の謎情報を説明したり

他の人のいる前でウルトラマンと会話を始めたりと

ものすごく変な人に仕上がっているため

日系人の顔立ちなのに、一番異邦人感が漂っています。

 

怪獣をむやみに倒そうとはしないスタンスは

賞賛に値する。こういうウルトラ作品大好きです。

 

日本語吹替担当は京本政樹。

OP・EDも歌っているので作品の声という印象。

 

 

☆アーサー・グラント隊長

UMA南太平洋支部隊長。私財をUMAに投入もしている。

隊員の皆さまがファーストネームで「アーサー」と呼ぶ

関係性が好き。アーミー(陸軍)ではないとのこと。

 

隊員たちを信頼し、的確な判断を即座に下し行動する

理想の指揮官……かっこいい!!

 

日本語吹替担当は小林昭二。

初代ウルトラマン好きにはたまらない、キャップ――!!

キャップの渋い声、かっこよすぎる――!!!!

 

 

☆ジーン・エコー

ヒロイン枠に当たるのかな?

ジャックの火星探査宇宙船を設計したという

そのインパクトよ。優秀なエンジニアなのです。

本物の円盤にテンションあがってたジーン素敵。

 

ジャックへのわかりやすい片想いの香りを漂わせていたはずが

第一部の変人ぶり、またゴーデスを倒すためのなんやかんやでの

最大瞬間風速のつり橋効果を通りすぎて冷静になったのか?

第二部ではそういう描写がなくなったところも

含めて好きなのです……!!

 

多分本編中で付き合ってはいない。

ジャックがウルトラマンであることも

最後には気づいていたようでしたので

昔なじみのジャックと生還したジャックへの想いは

別なんじゃないかな……という方向であれば妄想が弾みますね。

 

日本語吹替担当は榊原良子。美しや……

個人的には彼女の一番の当たり役だと思っています。

 

 

☆キム・シャオミン

モンゴロイド系、戦車になびく黒髪の似合う戦闘員。

UMA最強のパイロットとのこと。なんだってー!!

性格はさばさばしていて、悩むより行動する派。姐さん!

孤児院のエピソードで見せる優しさが嬉しい。

 

ミステリアスで妖艶な「東洋美女」という記号ではなく

作業着が似合う「黄色い肌」の生身の女性が

ちゃんと「美しく」描かれているということで

幼心にすごくかっこよくてうれしかったんだよなあ……

 

ばさっとなびく彼女のさらさらストレートの黒髪には

あこがれたものです……自分は猫っけ茶髪なのでほど遠いね。

 

日本語吹替担当は平野文。かっこいい!

個人的には彼女の一番の当たり役だと思っています(二回目)。

 

 

☆ロイド・ワイルダー副隊長

黒人、元軍人ということでばりばりの戦闘員。

UMAチーム内ではすごく不器用な人という印象が強い。

ジャックは変な人だし、ジーンもばんばん意見するし

キムさんがさくさく行動していく対比も大きいのかな。

 

日本語吹替担当は山寺宏一。オレたちの山ちゃん!

かっこいいところも気まずいところも楽しめます。

 

 

☆チャールズ・モーガン

いつもおいしそうなご飯を食べている人。

分析で大活躍する科学者。コメディ担当ですがバカにあらず。

ガールフレンドはいつも違うそうだ。

宇宙人に惚れちゃったエピソードがとても好きです。

 

日本語吹替担当は柳沢慎吾。

はまり役で彼以外の役者は考えられないです。

『猿の惑星:聖戦記』のバッドエイプもよかったなあ。

 

 

サブ、ゲストキャラも充実しているのですが

そちらについてはエピソード感想にて。

前もって宣言しておきますが

怪獣の話がやたら長くなります。

 

ぶっちゃけ書いている人は怪獣萌え最優先タイプなので

これは大丈夫!という作品に登場する怪獣については

かわいい、ほーりんらぶ、飼いたいといった

支離滅裂発言のみを続けます(私は正気だよ)。

引き返すなら、今!!!!

 

 

☆第1話「銀色の巨人」:邪悪生命体ゴーデス、双脳地獣ブローズ

火星で死んだはずの男が地球に帰還

それと同時に登場する怪獣、ウルトラマン。

鮮やかな物語の幕開けです。

 

冒頭の火星の戦いの映像が大好き。

砂漠が本当にきれいで空が高くて

本物っていいなあ……と毎回ほれぼれしてしまいます。

宇宙人同士の戦いを「神々の戦い」と呼ぶセンスよ……

 

ゴーデスさん初登場です!

ちょっとデザインもたついているなあ、というのも

含めて伏線だったのですよね。

 

この戦いでウルトラマンがゴーデスを倒した、と見せかけて

分裂したゴーデス細胞が地球にも散っていきます。

緑のオーロラは侵略の証……

 

ゴーデス細胞が取りつく対象は自由自在。

生き物のみならず、化石、思考、惑星そのものなどなど。

このずるさがシナリオの広がりにつながります。

目指すは全宇宙生命体ゴーデス化……これどっかで見たな?

SFだとメジャーな侵略手法ですね。

 

今回の怪獣は、地球の両生類にゴーデス細胞が取りついた

おたまじゃくし(隊長曰く)のブローズ。

かわいい顔が二つもあるなんてすばらしい!

 

 

☆第2話「凍てついた龍」:古代怪獣ギガザウルス

ジャックがUMA隊員となる話。

そしてジャックの同僚、死んだはずの男スタンレーも

地球に帰還していたことが判明する重要エピソード。

ウルトラマンとジャックの対話にて、怪獣に対する立場が

日本語版・原語版でちょっとニュアンスが違うのが面白いです。

 

今回の怪獣は、地球温暖化の影響で発見された

南極大陸で仮死状態のまま冬眠していた「恐竜」さん。

ゴーデスの配下となったスタンレーにより

長年の眠りから覚醒、自分の住みかを求めて暴れます。

世界を氷漬けにするつもりなのです、すばらしい……

 

本来はブロントザウルスとのこと。

つぶらな瞳にほーりんらぶv v

マペットのところも動きもすんげーかわいい。

 

何よりもすばらしいのは

ゴーデス細胞をも寄せ付けぬ、強靭な生命力!!

強くないものはかわいくないのだ。

 

 

☆第3話「魅入られた少年」:火炎飛龍ゲルカドン

キムさんが孤児院出身だと判明するエピソード。

ということで同じ境遇の子どもに優しい。

隊長が基金集めにパーティー出るところ大好きです。

正装!正装の似合う渋い男性最高!!

 

今回の怪獣は、ペットを亡くした少年ジミーの怨念と

建設現場から発見された爬虫類の化石に

ゴーデス細胞が取りついた、ハイブリッドなゲルカドン。

 

まずジミーの怨念に取りついたゴーデス細胞は

彼の肉体をも取り込みますが

ジミーはジャックとの対話を経て

ゲルカドンと共に、ゴーデスに打ち勝ちます。

きっと二人の世界を探しに行くのだろうな、と思わせるラスト。

 

いやー、ゲルカドン飼いたい。

 

『ウルトラQ』「鳥を見た」

『ウルトラマン』「恐怖のルート87」

『ウルトラセブン』「超兵器R1号」

このあたりのエピソードが好きな人には

どストライクな怪獣さんです。

 

ジミーの吹替担当は浪川大輔。

多分この頃から声を聞いているせいか

浪川さんはがんばって!目線が入ってしまうのであった。

 

 

☆第4話「デガンジャの風」:風魔神デガンジャ

ジャックとロイドで進める任務。

途中で謎の神官さんと合流したりと

ロイドにとってはちょっと大変だったお仕事。

 

今回の怪獣は、アボリジニの風の神様に

ゴーデス細胞が取りついた存在。

最後はグレートにより解放され

砂漠に雨をもたらします。

 

もふもふ……犬寄りの顔立ちなのがかわいいのです。

タスマニアデビルなども混ざったそうな。

 

アボリジニの神官・ムジャリの吹替担当は中尾隆聖。

実写吹替なら外せないこの方!というさすがのお仕事ぶり。

 

 

☆第5話「悪夢からの使い」:毒ガス幻影怪獣バランガス

第2話で姿を見せていた、ゴーデス配下のスタンレー

本格登場の回です。そしてそのまま退場する。

展開が早いのは良いことですよ!

 

ウルトラマンの力で帰還した主人公。

ゴーデスの力で帰還したスタンレー。

同僚でもあり友人でもあった二人の関係性が

全く異質の宇宙生命体と関わることで変化してしまうという

掘り下げようと思えばもっとできるおいしさでした。

 

特にジーンとの三角関係の中心人物が

ジャックになっているのがすごく好み。

でもゴーデス細胞との融合行為に

ジーンを巻き込んだ件は許さないんだぞ!

 

今回の怪獣は、スタンレーの連れてきた怪獣。

ということで地球外生命体が元かな?

二つ名がやたらと長い……

毒ガスまき散らすせいか、あんまり好みではない。

 

スタンレーの吹替担当は津田英三。

最近だと『機動戦士ガンダムORIGIN』のダイクンのお声でした。

 

 

☆第6話「悪夢との決着」:邪悪生命体ゴーデス(第二形態)

このお話で、ゴーデス編こと第一部完結。

無駄がありませんね……!!

 

第2話から色々とUMAにちょっかいを出してくる

アーミー(陸軍)の将軍が核ミサイルを用意しろなどと

物騒発言をするほどの危機ではありました。

一時的にアーミー配下となっても

のらりくらりとかわすUMA隊員がかっこいい。

 

ゴーデスに侵されたジーンが生還した理由を

「決まってるだろう、愛の力さ」でまとめる強引さが好き。

ここがつり橋効果、最大瞬間風速ですよ!

……第二部のロマンスの香り消失も好き。

 

今回の怪獣は、ゴーデスさんの第二形態。

最初のデザインよりも強く怖くかっこよくなっています、やったね!

 

地球を破壊する人類を滅ぼし(多分他の惑星もそうだったのかな)

新たな世界を作り出す神になると豪語するも

「全ての生命がゴーデスになった後の

友のいない孤独な宇宙で生きていけるのか?」という問いに

動揺するところがちょっとかわいらしいかも。

彼も不幸な生き物であったのだな。

 

お互いに違う何か・誰かであるということが

この世界に命が続いていく意義なのでしょうね。

 

アーミー将軍の吹替担当は飯塚昭三。

リュウさんとレストレード警部がツートップかな。

 

 

☆第7話「森の守護神」:守護獣ガゼボ

ここから第二部スタートです。

ゴーデスがいなくなったため

暴れる怪獣たちが多種多様となります。

 

第一部で男の子が巻き込まれる事件がありましたので

今回は女の子が巻き込まれます。

とはいえ怪獣のいる森で迷子となったのを

UMA隊員が助けに行くという展開なので

男の子の時ほどハードにあらず。

 

今回の怪獣は、森の守護神。

土地開発による森林破壊で目覚め暴れます、いいね!

とあるきのこが苦手らしくきのこ泥だんごの爆弾で対抗。

 

グレートとの闘いによって、最後は再び

眠りにつきます……平和でよい。

長いお鼻がとってもチャーミング。

 

 

☆第8話「姿なき復讐 -昆虫の叫び-」:昆虫怪獣マジャバ

農薬が生き物に与える影響のお話です。

オーストラリアのイナゴの被害は

甚大というのは何度か聞いていたので

使わないわけにもいかないのですけれどね。

 

今回の怪獣は、農薬の影響により巨大化してしまった

イナゴさん。とはいえどう見てもカマキリなのだが。

 

夫婦怪獣、来た――!!

ということでかなり推しです。

「夫婦」というだけで萌えポイントが積みあがる。

 

お母ちゃんが卵をかわいがる場面

ウルトラマンにより卵が破壊されて

慌てて駆け寄る場面……うう、泣いちゃうぜ。

動きと鳴き声がやばい。

 

 

☆第9話「バイオス計画 -植物都市-」:電脳植物(プラント)バイオス

地球環境の回復を掲げ、進められる侵略計画……

人体改造による人類バイオス化がむごい、王道SF~。

侵略宇宙植物バイオスに魅入られてしまった

隊長の知り合いのレオニーさんが興味深い。

 

バイオスによって「浄化」された空気に適応できるのは

改造された新人類のみというのは

『風の谷のナウシカ』の墓の人々を思い出しますね。

あちらは旧人類の話でしたが。

だから今生きている人類にとっては「No」なのだな。

 

今回の怪獣(宇宙人)は、宇宙植物がコンピューターと同化後

巨大化した……ということで、インパクトの強い外見です。

音楽が気に入るという謎な習性がある……作中ではバッハだった。

 

ウルトラマンが怪獣を倒す場面は

毎回色々な技があって楽しいのですが

この回の倒し方もすごく好きです。音楽と調和している。

 

レオニー博士の吹替担当は此島愛子。

スタートレックTNGのラクサナさんも好きv v

 

 

第10話「異星人狂奏曲(エイリアンラプソディー)」:変身生命体リュグロー、ベロニカ

チャールズが宇宙人(外見は地球人美女)に惚れてしまう回。

この回冒頭でチャールズを振った彼女さんが

突っ返したアクセサリーで宇宙人に気づく、といった

細かい描写があるのが、グレートの良いところ。

 

宇宙人のベロニカ嬢が動物園の存在に

異議を唱えるくだりなどに時代を感じる……

まあ過激な人は変わっていないけど。

 

今回登場する怪獣(宇宙人)は

ちょっと説明が難しい形状のリュグローさん。

大きな鎌を頭のてっぺんに構えた

崩れ気味の巨神兵さんみたいな……絵なら簡単なのですが。

 

またまた夫婦が来たぞ――!!

パートナーであるベロニカ嬢を守るため

リュグローさんは暴れるのですが

ウルトラマンの説得を経ておとなしくなる。

一件落着……地球人として静かに生きていくそうだ。

 

人間体だとこの夫婦はすごく身長差があるのですが

最後の駆け寄り抱きつき~お姫さまだっこの流れが幼心に衝撃で

このぐらいの体格差のある、抱き着きに倒れない

お姫さま抱っこは萌えるんだなあ、と

普通のお姫さま抱っこでは満足できなくなってしまったのでした。

 

ベロニカ嬢の吹替担当は潘恵子。

キュートな地球人ボイスと

異星人としての凛々しいボイスを堪能できます。

 

 

☆第11話「第47格納庫」:円盤生物UF-0(ユーエフ・ゼロ)

強烈な地球自然保護を主張するテロリストが出てきます。

でもやることは自分たちに従わない人類の排除。

はい、おなかいっぱいですなの人々。

 

円盤にわくわくするジーン

テロリストに屈しないジーン、と

彼女の魅力満載の回でもあります。

複数の男相手だと訓練受けた女性でもかなわないよな……

という拉致場面の描き方もすごく好き。

 

テロリストのリーダー・ノルバーグは

お前もう黙れな台詞しか言わないのですが

やたら部下に美男子が多いところから

もしや同性愛者なの?と勘ぐってしまったりする。

 

隊長への執着がそちらの感情もあるのであれば

すごく……おいしいですね……

自ら円盤に乗り込んだ結果、喰われる最後は色々考えてしまう。

 

今回の怪獣は、無機物ではなく有機生命だったよという宇宙円盤。

目玉がぎょろっとしてるのかわいいです。

最後は飛び去って行きます。

あの子にとっては災難でしたねえ……

 

ノルバーグの吹替担当は永井一郎。

狂気じみた役もすばらしい……!!

 

 

☆第12話「その名は”滅亡(ほろび)” -伝説2大怪獣登場-」

&第13話「永遠(とわ)なる勇者 -伝説2大怪獣登場-」:伝説深海怪獣コダラー、伝説宇宙怪獣シラリー

さてあっという間に最終話。

隊長発案、オゾン層を人工的に回復させる計画をきっかけに

破滅の伝説の怪獣たちが目覚め、地球は危機を迎える……

からの驚愕の真相を含め、最高のフィナーレとなります。

 

第12話の最後でウルトラマンも敗北してしまい

時代も相まって(なんせ1999年はもうすぐだ)

終末思想が吹き荒れる中、荒廃していく文明……

という描写もすごくおいしいです。

まあTVドラマにできる範囲、ではありますけれどね。

 

ちょっとここまでと並びを替えまして

ゲストキャラのお話をしちゃいます。

 

アーミーの情報部所属のアイク。

吹替担当は岸野一彦。

第2話に初登場後は要所要所で活躍しています。

主にヘタレキャラとして!!

 

なので地球滅亡の危機に際し

難民となってしまった人々に手を貸し

怪獣を倒す鍵となるアイテムを確保し

最終決戦にも参加するという成長ぶりがとてもすばらしい。

 

物語が続いていく中で、成長していった

脇キャラなのです。こういう人、大好きなんだよね。

 

今回の怪獣その1、海からやってくる破滅の使者。

伝説での名は「深海に閉ざされし者」、やだかっこいい……

海の中と地上で姿が違うのですが、地上ではキュート。

作中でウルトラマンを倒した唯一の子、強さこそがかわいいの証。

 

今回の怪獣その2、空からやってくる破滅の使者。

伝説での名は「天空に追放された者」、もうかっこいい……

オープニングで最初に登場する怪獣が

満を持して登場なのです。飛ぶ姿は優雅の極み。

 

この2体は邂逅時の一瞬のアイコンタクトのみで

すぐにウルトラマンに対して共闘体制を取るところが

とても好き。「地球」滅亡後はどうなってたのかな……

 

あとグレートのメイキングではこの2体の戦いも見られるのですが

撮影前にスーツアクターさん同士がお互いをぺしぺしなであって

「やるぞー」「おー」となっているのに、ものすごく悶えます……

 

ところでコダシラとシラコダどちらがいいと思いますか?

私的にはより強くてかわいいほうが左側なので

コダシラだと思うんですよね。どうでもよくないのよね!

 

さて破滅の伝説ではコダラー、シラリーに次ぐ

「第三の存在」が示されているのですが

戦いの最中、隊長はその真実にたどり着きます。

その存在とは……この「地球」だったのです。

 

最大にして最強の敵、その名は地球!

 

自分の求める環境を取り戻すためならば

空から、海から怪獣を呼び寄せて

世界を滅亡させる気満々の地球さん!!

私、この解釈の地球が、大好きなんです――!!!!

 

SFではそんなに珍しい展開ではないのですが

それまで「地球を守る」を掲げて道を踏み外した

人類や宇宙人がぞろぞろ出てきたので

このインパクトは大きいのだ。

 

皆さん……地球は「守られる」ほどやわじゃないんだぜ……

 

世界各地の神話において。

旧き時代に生まれ世界を作った原始の神々たちは怪物を生み出し

新世代の神々、そして人類に試練を与えることが多い印象なのですが

SFにおいてもその流れが見えるとわくわくしてしまうのですよね。

 

人類はウルトラマンによってチャンスをもらったのです。

この先も人類が地球上で生存を許されるよう

私たちは戦い続けねばならないのです。

という希望のラスト。

 

そう、生存を私たちは「許されて」いる。

だから誠実に生きなければならないのだ。