『青池保子コレクションⅤ 水の中の赤い家』

 

コレクション最後の巻となります。

ホラーまつりだった……

 

以下、感想です。

 

 

 

★『水の中の赤い家』

亡き恋人の生家を訪れるところから始まる

ヒッチコックにありそうな

スリラーでありました。

 

昔のお母さんは本当に優しかったのか

という謎が残りますが

キャサリンも何者だったのだろう?

 

 

★『呪いのスペードエース』

トランプ占いから始まる悲劇なんですが

あんまりお話の組み立て・ネームが

青池さんっぽくないよな~と読み進めると

最後に原案者が登場するので納得。

 

 

★『蝶になったモニカ』

愛する人のためなら

「なんでも」するってホラーだよな~。

心中ものとも言えましょうか。

 

 

★『吸血鬼』

吸血鬼伝説のあらゆる要素が

混ぜこまれているな~。

やっぱり血を吸うだけで仲間増えるの

嫌な仕様ですよね……条件増やしてくれい!

 

二十世紀の吸血鬼を十八世紀に連れて行って

吸血鬼伝承を広めてしまう……あたりは

SFの組み立てだな、と思うのです。

 

 

★『竹の花がよぶ』

祖父が自殺に追い込んだ恋人の幽霊に

孫が恋してしまうというお話なのですが

竹の精霊さんとなったかのような

「恨んではいない」と語る和服美人との恋愛ものなので

さわやかな風が吹き抜けていきます。

 

おじいさんが改心してくれそうなのが

作品の救いでもあるんだろうな……

 

 

★『ミラ』

マンガのコマに番号が

振ってある時代の作品だ~!

幽霊同士が出会えたので

ハッピーエンドであります。

 

 

★『月まつり』

かわいらしいファンタジー。

これには別世界の住人は登場しますが

おばけさんはおりませんので

迎えにきたヒーローも幽霊ではないのです、万歳!