『青池保子コレクションⅣ ハムレットを殺せ!』

 

初期の作品が多いですね~。

 

以下、感想です。

 

 

 

★『ハムレットを殺せ!』

ハムレット題材の作品。

語り手のヒロインが

オフィーリアになってしまうの

オチが読めるとはいえ切ない……

 

一応両想いとはなるので

ビターエンドかな……

シェイクスピア作品はもっと

ひどいことになっているので。

 

 

★『ジェシカのひみつ』

ゴーストライターをさせられていたヒロインが

「書くこと」を捨ててでも

愛する人と生きていくことを選ぶ、という点では

ハッピーエンドだな!?

 

すばらしい医者と作家が社会的に消えていくのを

「わかってくれる」人たちとの

出会いがあると信じたいものです~。

 

 

★『呪われた谷』

過去と現代が交錯する

エジプトを舞台とした陰謀劇、

と見せかけてのホラーでした。

 

ヒロインに殺すよう命じたのは

催眠術師ではなく、本物の

過去の亡霊なのでしょうね……

 

 

★『死の谷』

死を運ぶ美しい女性を軸とした物語。

あちらの世界が美しい!

編集者に酷評されたというのも

まあわかるのだけど……王道少女誌であればね!

 

絵柄は好きな作家の影響を色濃く受けている

黎明期であっても、表情のつけ方や

ネーム運びは「当人」のものなんだな、と

とてもよくわかる作品でもあります。

 

 

★『恋の不時着』

ある日キャベツ畑に落っこちてきた

秘密のプリンセスが西部で恋をして……

というあらゆる要素をつめこんだ

宝箱のような作品。

 

ここからロマコメ大長編が

始まってもおかしくないのですが

短編だからハッピーエンドなんだろうね!

 

 

★『かあさんの休診日』

結局、生みの親より育ての親

なんですよね~、というのはわかるけど

母親ばかりそういうお話を

作らんでも……と思ったりはする()

 

作者さんはご両親に

愛されて育ったのですね、という

作劇ではあるかな。