『青池保子コレクションⅢ オールマンものがたり』

 

コレクションシリーズとしては

こちらが一番好きな巻!!

 

以下、感想です。

 

 

 

★『オールマンものがたり』

『イブの息子たち』に雰囲気が近い

(ヒースとバージルも登場する・爆)

女だらけ・男だらけの恐ろしい空間で

「たたかう」主人公たちのお話です。

 

一作目に登場したヒロインが

行方不明になるの、この時期の

青池作品らしいなあ……

 

 

★『拝啓おやじ殿』

ファザコンの主人公が語る

育ての親となってくれた姉の見合いから始まる

ある家族の騒動のお話。ハッピーエンドです。

 

フレンド時代の青池さんの絵を見ていると

和紀さんの原稿が大ピンチの時に

キャラクターの首から下を全部描いた、と

いう話を思い出すんだよなあ……

 

 

★『さようならジュリアン』

ヒロインの内面が幼すぎるということもあり

「囲っていた」おじさんに嫌悪してしまう~。

主人公の志はすばらしいものなのですけど!

 

ああいう風に羽をもいでしまうような

愛し方は今ならモラハラと表現できるな。

双方に悪意はなくとも、支配関係が完成しているので。

 

 

★『黄昏にかえれ』

男性同士の愛のお話でこういうのは好き~。

しぶい両想いカップルであったな……

 

彫像のモデルとなる、語り手のガールフレンドさんが

ものすごくいい子、かつ外野なので

ひどいめにあわない!よかった!!

 

 

★『ローラのほほえみ』

水野英子の影響が色濃く残る作品。

色んな作家さんの黎明期見せていただきまして

水野絵が一番うまいと思ったのは和紀さんですが

青池さんはすでに独自絵柄となりつつあるんだよな。

 

絵画のお話だったり、重いヒロインの過去であったりと

『さよならナネット』のように野郎のケンカはありませんが

作者さんの得意とする要素がすでに色濃く出ているのでした。