青池保子の作品、全5巻。
『アルカサル―王城―』のスピンオフから始まった
剃髪(トンスラ)していない修道士の物語。
元騎士ということで戦う場面も多々あるものの
『修道士カドフェル』を思い出すミステリー調につき
さらに発展したスピンオフは完全に謎解きものなのでした。
キャラブック(?)にあった
尼僧マルティナの名前の由来は
ローレンツ博士のハイイロガンというお話が
とても印象に残っている(かわいいのです!)。
以下、感想です。
最終エピソードが初期を彷彿させるな~というところで
作者の中で「完結」の文字が浮かんだのかな。
(お家騒動、少女と偽る少年、復讐について、最後に選ぶ道など)
青池作品ならではの現代ツッコミが入るので
中世というハードな時代でも
「コメディ」として読み進められるのがすばらしい。
ドン・ペドロ王たちが「聖母の祝福」と評した
頭に見事なキスマークのあざを持つ主役・ファルコ筆頭
魅力的な人物たちの「かけあい」が見事なので
長台詞もあっという間に読めてしまうのです~。
確かアシさん作画との動物さんたちも
「生き物」の動きをあちこちで見せてくれるので
かわいいのですよ~。プリンセスコミックス版で
収録されている猫さまの短編が最高です!