主人公がかたき討ちをする際に
失われた、と思われる魔剣を
追跡する旅が始まります。
めでたしめでたし、となるまでには
永い時を有するのである。
以下、感想です。
魔王を倒すことには成功するも
そのしもべは魔剣と共に逃げ去り、
育ての親と双子の片割れを失う
エルギルの物語はまだ続く……!
という壮大な引きとなっております。
この旅の途中で出会う
ニシコ姫とその一族に
イーザウさんの東洋趣味が
色濃く出ておりますな~。
(ロマンスの行方は未だに納得してない!)
『ネシャン・サーガ』時代から
明らかにモンゴル近辺の遊牧民族を
想起させる一族を登場させている作家さんで
衣装・風俗を読むだけでわくわくするのとは別に。
(注・再読して細かいニュアンスも確認する予定ですが)
女性は彼らにとってあくまでも「財産」であり
売買するのを含め、一族の「伝統」行為であっても
無視して干渉し「ない」という選択をしてはならない、
と語る「主人公」を出してくれたのを
ずっと信頼してきたんですよね……
現代に生きる作家さんたちについては
すでに始まっている大戦期の中で
「人類」にどう向き合っているのかを
知りたいような・知りたくないような、という
ドイツ・イスラエルの結びつきであります。