『動物のお医者さん』

 

佐々木倫子の作品、全12巻。

 

物心つく前に読んでいたマンガの

一角を担う作品。

文庫版、愛蔵版、電子版、と

全部コンプリートしてしまっているな~。

 

白泉社コミックスの電子版で

「鳥インフルエンザ」の注釈が

ないのは気になりました。

ここは入れてもよかったのでは?

 

以下、感想です。

 

 

 

主人公ハムテル(本名由来とはいえすごいあだ名だ)と

その友人二階堂が、ハスキー犬の子犬と出会ったことを

きっかけに獣医への道へ歩みだすという

大学病院を舞台とした「コメディ」作品です。

 

この舞台設定でコメディができるのか!?を

難なくこなす佐々木さんもまた

「天才」少女マンガ家の一人だよなあ……

 

地に足がどっしりと構えられているので

「職人芸」のほうが正確なのかな。

青池保子と同じ枠という認識であります。

 

ほどよく「擬人化」された動物たちが

どの子たちも魅力的なのと

主人公の愛犬チョビと一部の子を除き

人間の都合通りには動いてくれ「ない」からこその

「かわいい」が大好きな描き方ですね~。

 

とはいえ現実の動物をモデルに創作することの

「害」を明確にした作品でもあり

(消費側の「害」が正しいとはいえ)

後発動物作品の在り方に影響を与えていますね。

 

私の子ども時代の「捨て犬」を扱った書籍では

ハスキー犬の話とこの作品はほぼセットでしたし

(個体数はごまかしようがないのでなあ……)

浅美裕子『WILD HALF』創作における

担当さんの指導(実際の犬種を採用しない等)には

うなずけるものがあります。

 

創作と現実は地続きの存在であり

お互いがお互いにとってよいものであるよう

「人間」はがんばっていかねばならないのです。

 

☆☆☆

 

学生時代に作られたドラマ版も好きでした!

 

最初は改変要素はこれで面白いのか?という

テンポの仕上がりではありましたが

スタッフ・キャストがどんどん波に乗って

最終回を迎える頃には、追加要素も

ばっちりはまっていましたね~。

 

今は亡き大御所役者さんも

後にスターとなった役者さんも

みんないるという状態が面白かったのです。

 

チョビ役筆頭、参加した動物たちが

みんな幸せな生涯を過ごせていたら嬉しいな。