『贄姫と獣の王』

 

友藤結の作品、全15巻。

 

原作試し読みしたところ

人間形態を有する人外の支配者、に関わる問題に

踏み込んでくれる作品だったので

そのまま読み続けたのでした。

 

基本的に人型を「隠し」持っている人外に辛口判定なので

(後出し擬人化=萌え擬人化に至ってはアンチである)

主人公が王様だけでなく、他の獣人たちとの交友関係を

どんどん深めていく姿は魅力的でしたね~。

 

以下、感想です。

 

 

 

いけにえになるべく育てられた何も持たない少女が

人の姿を隠し持つ魔族の王と出会い

やがては「世界」を変えていくお話です。

 

手元でかわいがられるだけの愛玩妃状態から

隣に並び立つ「正妃」として成長していく姿が

なつかし少女マンガを感じて楽しかったのです!

『天は赤い河のほとり』あたりが好きな人は向いておる(勝手に認定)

 

個人的には充実な「召使」(ちっこい魔物2匹)だけではなく

権力とは関係なく付き合える対等な「女友達」(ワニのお姫様)や

当人の資質によって召喚される「聖獣」(ふだんはちっこい不死鳥)が出てくる

2巻からがんがん面白くなっていきます。

 

対人間のみならず、獣人の種族間でも残されている差別や

王族の逃れられない定めである血統主義あたりもさらっと描きつつ

どう転んでも選ぶことのできない属性に縛られるのではなく

あるがまま生きていける世界を目指すという姿勢は

現代でも大事にされてほしいことですねえ、夢物語ではなくて。

 

主人公と王様の恋愛あれこれよりかは

女友達のアミトさんと王様の親衛隊長のヨルさんの

先行きのほうが気になっていたので

スピンオフのすみっこでも構いませんので

その後をちょくちょく描いてもらえたら嬉しいな~。

 

アニメは内乱エピソードは間違いなくやるんでしょうけど

どこまで描くのかな……最終話まで駆け抜けるには

構成が厳しそうではありますので(上手い作家さんはできるけど)。