文月今日子の作品。
表題作他、4作を収録。
童話のようなお話中心と見せかけて
ものすごく重い話がありましたとさ。
以下、感想です。
★「星空の切人ちゃん」
兄弟のように育った宇宙人の幼なじみ・切人ちゃんと
主人公の未知ちゃんの連作エピソード。
どこまでも広がっていく夜空と
デフォルメ効いた動物たちの絵がすばらしい!
★「ななちゃんの日曜旅行」
両親のけんかをきっかけに
家を飛び出してきた少女が
おじいちゃん・おばあちゃんの家を目指す冒険譚。
当たり前のように動物たちとお話しておりますが
《その問題につきましては後日よく検討のうえ
答弁もうしあげるとして》と説明されるのが粋であります。
★「パフ」
ちょっと切ない、美しいおとぎ話。
点描がめちゃくちゃきれいです……!
★「ノクターン」
亡くなってしまった恋人の子どもを宿した
未成年の少女と、主人公との別れのお話。
血のつながった兄弟姉妹と知らずに
恋に落ちてしまうというパターンは
大陸だとかなり聞くのですが
研究サンプルにするには少なすぎるのかな。
★「ポテトチップス物語」
おませな女の子タミィと
年上の少年ボビーの日常話。
こういう小話や絵物語が
昔の少女マンガには掲載されていて
大好きでしたねえ~。