『グラン・ローヴァ物語』

 

紫堂恭子の作品、全4巻。

 

角川版の裏表紙は

グラン・ローヴァのおじいちゃんと

デシ・ダシなので大変平和であった。

 

『はみだしっ子』『イティハーサ』と合わせ

個人的・少女マンガ三大聖典のひとつ。

 

以下、感想です。

 

 

 

手にしたものに強大な力をもたらす

銀晶球をめぐる物語。

ハイファンタジー作品ではありますが

現代の私たちに通じるものがあります。

 

『辺境警備』より昔のお話なので

精霊や太古の獣たちがたくさん

登場します、嬉しい嬉しい。

 

ラストの台詞まで一気に駆け抜けている

作品のため、構成に無駄がなく

画面構図も冴えわたっております。

小物も背景も美しいのだ!

 

楽しいギャグパートも多いし

どこにでも登場する背高さんには

ふふっとなってしまうのであった。

この作品を挟んだ後、主に角川で発表された

『辺境警備』のエピソードは大好きです。

 

ダシとイリューシアのエピソードは

どれも大好きですが、哀しいのもわりとあり。

ダシの行動は正当防衛なので

あの子が何をしたというのだ――!?と

デシとの再会場面で毎回泣いてしまうのだった。

 

細工師のおじいちゃんの芸術論(創作論?)と

グラン・ローヴァのおじいちゃんが教えてくれた

《誰でもわかってること》のおかげで

まあ長生きしてもいいのかな、という希望がある。

 

☆☆☆

 

この作品を知っていると

『羅小黑戰記』シリーズの

先行きが気になってしまうんだよなあ……

 

パナケアと風息はわりとかぶるキャラなのでね。

小白ちゃんとイリューシアも

かぶるかなあ、あの子は恋愛はしなくていいけど!