『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』

 

初めてのOVA作品ということもあり

かなり力が入っておりますが

未だに傑作ですよのう。

 

主役が子役時代の浪川さんだな~と

懐かしい目線になってしまう。

 

以下、感想です。

 

 

 

改めて鑑賞すると、シナリオ進行と描写の密度に

びっくらします。好みは分かれるだろうけれど

するめみたいな仕上がりなので

購入して何度も鑑賞する層には嬉しいね~。

(昔のOVA作品はそれを想定して作りこんでますが)

 

いわゆる「おませ」な、口が達者かつ手の早い女の子の

解像度がずば抜けているのも懐かしいのですが

主人公の少年アルが家庭を起点とした現在の環境に鬱屈を抱えていて

(嘘をつくのが常態化している、ゲームで街をあえて破壊する等々)

戦争という名の「非日常」を待ち望んでいる、と「描写」されている。

 

軍人側にわかりやすくあくどい人が少なく

職業軍人として最低限の責務を果たすのみ、と

割り切れる上司が揃っていることもあり

みんな悪い人でなくとも「最悪」をもたらすのが戦争である、と

一本柱がしっかりしているのが良いですね。

 

……おかげで主人公が親しくした若きジオン兵士が戦死しても

「誰か」を憎むことができないので

みんな泣いてしまうのでありますが。

(まあメタ視点で憎むとしたら演説してたあの人ですかね……)

 

自分の場合、戦闘機に対する勝利認定条件は

戦闘不能状態にすること、という認識なので

バーニィはガンダムに勝ったんだ!死んだけど!!と

アルと一緒に泣き叫んじゃうのだよ。

 

残念なことに「戦争はすぐ始まって」しまうので

成長したアルがどんな道を選ぶのか思いをはせてしまうのだ。