『この世界のさらにいくつもの片隅に』

 

リンさんのエピソードを追加した

ロングバージョン。

 

現代が戦後から戦前に移行したため

この作品を喜んで「利用」したがるのは

どういう層なのかもちょっと気になってしまう。

 

以下、感想です。

 

 

 

劇場版を見た後、原作を手に取ったため

リンさんのエピソードがごっそり抜かれてるなあ、と

映画館ですでに思ってはいたのですけれど

これを抜いてしまうと、夫婦の関係性がひっくり返るので

ちょっとあんまりじゃないか!?とはなりました()

 

元々のバージョンとの比較視聴はしておりませんが

追加エピソード発生による

既存のシーンの台詞・演出変更、はしていないのかな?

なので原作のすずさんが持っている「好印象」ではない部分が

あまりピックアップされた感はなかったのでした。

 

当時の女性たちは選挙権を持っておりませんでしたので

大陸から幼少時に引き揚げてきたちばさん同様

戦中生活に対する距離・感覚はあんな具合でも

そこまでおかしくはないでしょうから

(さすがに憲兵のくだりはのんきがすぎる、とは思うが)

作中キャラに対する非難まではわかりませんが。

 

現代の戦前は、かつての戦前とは違っているので

私たちは同じじゃいかんのよね。

 

まあ、貧しい中でも楽しさを見出すのは

大事な「自衛」ですので

それ自体は何の悪いことでもない。