『失踪日記』

 

吾妻ひでおの作品、全2巻。

 

子どもの頃から絵はものすごく好きなのに

明らかに未成年が読むもんじゃねえ!作品群を発表し続けた

(まあ親に隠れて読んでたが・笑)

(私は原作ルパン三世も隠れて読んでたので・爆)

古の「ロリコン」ブームを牽引した作家さんによる

失踪・アル中時代の回顧録です。

 

以下、感想です。

 

 

 

かわいくデフォルメされた人物と

こちゃこちゃした背景を基調として

悲惨な状況もおおらかに表現されている

とても読みやすい作品です。

 

実際には書けない話もあったそうで

ガス会社勤務のくだりなどは

まあそうでしょう、と……

 

基本的に、突然登場する

美少女・美女はギャグ枠だよな~。

キャラデザが秀逸なので

脇の皆さんの印象が混ざることもないです。

 

2巻が主にアル中時代のお話となりますが

お医者さんによるチェックもされているそうで

「依存状態」についての解説は

時折思い出したいものなのです。

 

人間社会不向き属性持ちのくせに自己愛の塊なのかな……と

この手の言説を読むたびに思うのですけど

まあ気を付けておきましょう。

 

☆☆☆

 

過去作品をふりかえるページも

さらっと描かれておりますが

当時の秋田書店にはすげえ編集者が揃っており

なかなか怖い……

 

青池さんが自伝本にて書いていた

「原稿用紙に直接ネームを描く作家」は

秋田なので勝手に吾妻さんだと思っております。

 

1巻に描かれている「ロリコンはやおいに負けない!」という

ノリについては、まあ研究者の解説が必要なところではありますが

吾妻ひでおの存在を無視するロリコン言説は

全て無視して良いレベルの作家さんではありますわな。