『背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~』

 

横田卓馬の作品、全10巻。

 

日本で一番売れている少年誌において

高校の競技ダンス「部」を題材とした意欲作。

 

ジャンプ開催人気投票にて

主人公の男の子ではなく、相方の女の子が

一位を取った作品なのですが

つまりそういうファンがつくタイプの作品です。

 

以下、感想です。

 

 

 

完全に初心者である主人公組が

競技ダンス部という存在に出会い

スポーツ面でも他者との交流の面でも

成長していく青春ものです。

 

「舞踊」の絵が描けるタイプではなく

(そもそもこれできるの山岸凉子クラスなので……)

ネーム構成やカット構図で魅せるタイプの

作家さんにつき、キャラのかけあいを楽しむのだ!

 

野球なら合間合間でおしゃべりするものの

競技ダンスのフロア上であそこまで

「会話」は発生しないと思いますが

そこはフィクションスポーツ表現ということで!

 

審査員の皆さんの心の声がだだもれなの好きです。

なんだかんだで現場にずっといる人が

「ファン」や「推し」といった空気感と

無縁でいることはないですもんね~。

 

連載時は先生たちのほうが同年代だったもんで

高校生に向けるまなざしが優しくて素敵でしたし

過去ネタは同じなのでした~。

 

違うタイプの男女の組み合わせが

ぞろぞろ出てくるので(女子同士は基本的に仲良しなのも〇)

主人公つちわたの恋愛抜きでのベストパートナー感や

ちょっと癖のある宮大工くんや咲本さんの自己肯定感、

背の高い女の子ならでは小春ちゃんの悩みなど豊作でしたが

金龍院さんと美乃梨さんの

公私ともにカップルっぷりが最推しでした!

 

勝ち負けが決まる場における

自意識のあり方や、覚悟する方向性とか

バランスが良くてよかったな~。

 

原典となった読み切りも

単行本に収録されているのですが

新人さんとしては出来が良いけど

連載版として相当ブラッシュアップされたんだな!!と

思わせる内容なのでした。