『彼女の沈清』

 

seri/biwanの作品。

 

comicoを利用していた頃は

まだ未完だったので

最後まで読めなかった作品ですね。

 

各所で配信終了するそうで

まとめ買いしました。

 

以下、感想です。

 

 

 

韓国の伝承を題材にした

女性同士の恋愛ものです。

どのへんの時代かはわかってない……

 

主人公のセイちゃんが苦労尽くしで

人間味あふれる女の子なのに対して、

奥様がよくわかんない人なのですが

彼女もまたひとりの女の子である、と

わかってくるぐらいから物語が面白くなります。

 

何度もすれ違って元鞘に戻ってを繰り返し

ここで駆けださなきゃどうするんだ!?というところまで

じれったいのは、ぶっちゃけ男女の恋愛ものでもそうなので

女の子同士「だけ」非難するのはずっけえんだぞ。

 

積み重ねてきた感情の言語化と

最終局面での抑圧からの逃走が見事で

ハッピーエンドでよかったね~と

その後の二人の描写ににまにまするのでした。

 

もう全員の首を落とせばよいのでは???

となるレベルのクソ野郎博覧会状態なのは

やはり気になってしまうのですが。

 

特に和尚さんが気持ち悪さ絶大で

これ絶対、セイちゃん襲う展開あるよなーと

その通りの動きを見せる愚かしさよ。

 

《特別な女なら正しく私を受け入れるはず》という

自覚してない彼の理想の女性像にブレンドされている

あらゆる思考が気持ち悪すぎで。

 

なぜか読み手の分析がはかどるのですが

そうでもしれないとやってらんないのだ()

セイちゃんがぶん殴ったのは正しいし

最後あっさり殺されたのは笑ってしまった。

 

どこにいるのかもわからん《特別な男》を待つよりは

今ここにいてくれる人と駆け出すほうが早いのは

古代から現代にかけてずっとそうでしょうね。