『ひかわきょうこ浪漫紀行』

 

大好きなひかわきょうこの

特集本がついに出ました!

 

こうして一気に作品を振り返ると

大御所の作家さんでありながら

ひとつの出版社で描き続けてきたというのは

結構レアケースで、一般モデルにはできないなあ……と。

 

原画展行った日に購入しているので

重複している内容があります。

 

以下、感想です。

 

 

 

デビューした年を考えると確かに

発表してきた作品は少ないのですが

体を壊して休養後、ご本人のペースで再開、

完結まで何度も描き続けられたという点では

すごく幸運な、光のもとにいる作家さんだなと思うのです。

 

さらっとお話されているけど

ずっとひとりで描くことに向いている

作家さんなんだろうな……

 

そして発覚する衝撃の事実。

ベテラン作家さんは専用の原稿用紙を発注してしまうか

(青池保子本による、発注間違いにより

2倍作られてしまった原稿用紙が印象的である)

特定の原稿用紙をずっと使い続ける印象があるのですが。

 

紙の厚みが同じなら種類は問わないことと

(弘法筆を選ばずって本当にいるんだ……新谷作品で否定されてたのに)

数多の作家が挑戦しては別のペンに切り替えた

カプラペン現役愛用者ということですね。

手塚治虫とトキワ荘組は使える手ごわいペンです。

 

文庫本未収録作品はちょっとずつ集めてましたが

小編が丸ごと掲載されていると

やはりうれしいものです!(原画もすばらしかった!!)

 

新作のぼんやりとしたイメージはあるそうだけれど

作品として出すには準備期間が必要だし

年齢を考えると難しい、というお話は

そうでしょうと読者はうなずくしかない。

 

読者の新作を読みたい気持ちが

作者に創作機械に徹してほしいという欲望に

変質することはあってはならないので。

 

ずっと気になっていた『お伽もよう彩にしき ふたたび』は

続刊表記になってはいるものの、最終エピソードである

おじゃる様の過去編にて完結しているのでは?という謎に対し

作者としては完結している、との回答がありほっとしました。

 

編集さんが続きを読みたい気持ちもわからなくはないし

彼らの日常と戦いの日々は続いていくのだろうという

確信もありますけれどね。

 

☆☆☆

 

『彼方から』が傑作であることには変わりないのですが

あれは『イティハーサ』同様

遠回りして丁寧に構築している作品なので

お約束とオリジナルのバランスが見事に融合している

『荒野の天使ども』シリーズ、『お伽もよう綾にしき』シリーズが

双璧で大好きかなあ~。おじゃすず派ではあるんですけど←

 

現代ものの一番はどれだろうな~。

中編でまとまってる『ちょっとフライデイ』が好き、

いや、「千津美と藤臣くん」シリーズも好きだし

『女の子は余裕!』シリーズも好き……結局選べないのだった!