『オーイ!!やまびこ』

 

矢口高雄の作品。全7巻。

 

……この作品に限らないのですが

電子書籍で買えるとはいえ

このクラスの作家さんの紙媒体書籍が

コレクター価格になってるのは

やはりあかんのでは???

 

矢口さんは『釣りキチ三平』単行本の時点で

コレクター本になりやすかったとはいえ。

 

全集を新規で出してくれたら

値段は問わず集めるのですけどねえ……

あと三平くんは発表順で

本をまた出しておくれ。

 

以下、感想です。

 

 

 

矢口高雄の少年時代こと

「高橋少年」の昔語りを

あれこれまとめてくださった本。

 

文明の利器に頼れない時代の農家……

そうですね、大変ですね……

と思うしかないのであった。

農薬はすごいんだよねえ!!

 

赤ちゃんをある意味「監禁」するのも

そりゃそうするしかないだろうとしか。

そうしないで済む恵まれた環境の

人間でやってたらドン引きますがな。

 

生きた自然描写において

この方に敵う作家さんはそうはいないわな

という画面の密度が心地よいです。

 

あとやっぱり人の暮らす「里山」って

その土地土地で全然表情違うから

絵の描ける人だと、出身地はわかりやすいですね。

 

そしてかの方の理想郷でも排他的でもない

地に足の着いた「土地」に対するまなざしは

いずこで培われたものなのか……が

なんとなくわかってしまう少年時代です。

まあ、ぶっちゃけお母さまだな。

 

都市の仕組みに注目した上で

田舎と都会の人々の「人間性」に違いはないと

ばっさり切り捨てるのも見事ではありますが。

 

先進的な思考を備え、自由に生きる個人というのは

実際におさめた学問の質・量で

保証される代物ではないんだよなあ……

と、自らにブーメランを投げつけてみる。

 

やはりいつかは原画を見に行きたい

作家さんなのです。

今年の原画展は秋田なので

あきらめておりますけれど……

茨城に来たらチャンスだな!!