『タッチ』

 

あだち充の作品、全26巻。

 

もはや説明不要の

名作少年漫画。

サンデーはいいね!!

 

とはいえ私はタッちゃん信者のため

中学時代はまだいいとしても

高校時代からしんどくなってしまい

手元には置いていない作品です。

 

以下、感想です。

 

 

 

第一話で幼なじみ三人の関係性が

完璧に描かれていて

これは読む度に驚いてしまうのです。

そしてそこから更に変化していくのも

描かれていて心地よいね。

 

タッちゃんもカッちゃんも

お互いを本当に大事にしている

それがしっかり作中で描かれている

優しく素敵な双子の兄弟で

それだけでも偉大なる作品になっただろうに

南ちゃんを投下するのが作者なので……

 

タッちゃんの南ちゃんへの接し方というか

行動の起こし方は、少女漫画読みからしても

かなり「うらやましい」レベルなので

こんな男の子を好きになりたいな!!と思ったものです←

 

人の生み出した物語の中の存在ではありますが

ちゃんと生身の男の子と女の子だからこそ

気持ちが揺れるし、不安定さを相手にぶつけることもあるし

だけどちゃんと謝って、関係性を変化させていけるという……

 

……少女漫画経験者だからかもしれんが

あだち作品の男の子主人公の持つ

周りの人に配慮された「優しさ」は

年齢考慮すれば人外級とも言えるぞ?

 

カッちゃんの作中での役割については

作者の中では最初から決まっていたとは

重々承知してはおりますが

酷い!鬼だ!!と言いたくなる気持ちも

あるんだよ……とも思うのです。

 

こういう気持ちになるのは他の作品だと

テレプシコーラの千花ちゃんくらいかねえ……

 

あとタッちゃんは手術の立ち会いから

親への報告まで、独りでやらないといけなかったから

球場で親御さんを連れ出す時の仕草とか

その時にやっと出せた言葉とかで

ぼろぼろ泣いてしまうのでありました。

 

カッちゃんにとっての救いは

兄貴と(南と)勝負するぞ!と

三人がまた、対等になった後に

あの悲劇が起こったことでしょうか。

 

あと彼は自分の行動を、ずるずるとは

後悔はしなかったと思うんだな。

もし死後の世界があって

現世を振り返る機会があったなら。

 

さすがに生まれる前の作品なので

「昭和」的表現あれこれはしゃーないというか

それが許容されていたこともまた「歴史」だからね。

新作でやっていいかは完全に別問題であるが。

 

メディアミックスの過程でかなり

別物に仕上がっている作品でもあり

(歌は大好きなんですけど!)

この作品に関する声優さんの意見あれこれは

あくまでも「アニメ版」に対するものだという認識。

 

日高さんがしっかり主張するほうの

役者さんなのでありますが

彼女に「原作の南ちゃん」を演じたら

また違ったのでは……とも思うので。