『君の名は。』

 

先日、ソフト発売したので

やっと鑑賞できました~。

 

新海作品は背景作画や映像の見せ方は見事なのですが

どうも人物の動かし方が好みではなく

あまり好きな作家さんではないのですが。

 

こちらに関しては予告編を見た時に

ジュブナイルSFの香りがする……!!

ということで鑑賞候補ではありました。

 

ただ公開時期の折り合いが悪く

他作品との兼ね合いもあり

結局映画館で観られずに終わりましたけれど(笑)

 

機会があれば映画館で

観てみたいな!という作品でしたね。

 

以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

簡単なあらすじ。

 

東京に暮らす高校の男子生徒、瀧。

田舎に暮らす高校の女子生徒、三葉。

 

接点など何もないはずの二人だったが

ある日から入れ替わりの生活が

始まってしまう。

 

お互いの日常を変えていく

めまぐるしい入れ替わりの日々。

 

ところが突然に

二人の入れ替わりは途絶えてしまう。

瀧は記憶を手掛かりに三葉を探そうと

東京を旅立つのだが──

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予告編映像ですでに

・ボーイミーツガール

・SF

・自然災害

あたりが柱要素だろうと

予測はついておりましたので。

 

話題作になっても核心ネタバレを

知らずに済んだのはよかったです。

とはいえ探しに行かなければ

ネタバレって知らないで済むものですがね……

 

小難しく考えてしまう悪癖がありましたので

同じ景色で出会えない二人について

並行世界の地球という設定なのかな?

でもそれだとどうやってハッピーエンドに

持っていくんだろう??

(ヒット作ならよほどのバッドエンドはないだろうし)

と、1年近く謎を抱えたままでありましたが。

 

オープニング映像を観て

あ!これ、ずれてるの時間か!!と

あっさり謎が解けてしまいましたので

物語に集中することができました。

ということは年の差カップル──!?と

別のスイッチも入ってしまいましたし(爆)

 

最初レンタルで鑑賞して

結局ソフトを購入してしまったのですが

あのオープニングがあることで

これは二人の物語である、とはっきり語られていると

制作側も認めていたのが良かったです。

 

楽曲もオープニング曲が一番好きですv v

カタワレ時でもその旋律を使っていましたし。

 

背景やPV的な映像については

何の心配もしてませんでしたが

作画監督に安藤さんを迎えたことで

人物の動きが本当に魅力的になっていて

とても楽しかったです。

シナリオも陽性だったのが良かったですね。

 

俳優さん・声優さん問題については

私は黎明期のアニメーション大好きなので

あくまでもキャラクターと求められる演技の

マッチングの問題であって

元々そこまで騒ぎ立てるものではないという考えです。

 

アニメーション独特のためやみえが

要求される作品での、俳優さんゲストは

やめたほうがいいとは思いますけどね……

この作品はバランスが良かったんじゃないかな。

 

市原さんはさすがすぎるという感想にしか

なりませんけれど(爆)

脱線しますと彼女が主演女優ヒルダを演じている

『太陽の王子 ホルスの大冒険』が大好きですv v

 

以下キャラクター語りと

ちょっと気になった部分の整理です。

 

 

☆瀧くん

ジュブナイルSF王道

「彼が彼女を助けに行く」お話の

主人公ということはわかっておりましたので

どんな子か楽しみにしていました。

 

堂々としたふるまいで男女双方にもてたり

三葉ちゃん友人のためにカフェ(?)を作ったり

おばあちゃんを背負ったりなど

ちょこちょこ見せるヒーロー力すごい。

「東京のイケメン男子」なだけはあります(ん?)

 

あとわざわざ陰口言ってくる子たちを

黙らせる場面はかなり好きです。

日記でのコメントも含めて。

(あれが停止しないと読み切れない速度なのは

もったいないですよね~。お弁当のこととか)

 

ただ奥寺先輩がいることで

恋愛物として見た時がちょっとわかりにくい。

けんかっぷる状態ではありましたけれど。

なので三葉ちゃんの手のひら事件については

ちょっとツッコミを入れざるをえない。

彼女視点だとぶわっと泣きそうになる名場面なのに(汗)

 

どうやらお母さんがいないようですし

(制作側によると亡くなってはいないようだが?)

幼なじみ物に顕著な「日常の喪失」がきっかけかな

というあたりに落ち着きましたけれどね。

 

まさかの年下と判明したことで

カップル補正かかった影響は否定しませんが(爆)

 

 

☆三葉ちゃん

神職・政界という権力者側の娘

おまけに田舎暮らしということで

抑圧されてる女の子でしたが

瀧くんとの入れ替わり生活によって

生き生きし始めるのがとても楽しい。

 

奥寺先輩への刺繍のお礼

東京カフェスイーツ祭りは何度見ても

良きものです。はりねずみ好きなんですね。

 

瀧くんが起こしたあれこれで

その後嫌がらせされることはなくなったのでしょうし

彼女が東京に会いに行ってしまうくらいに

恋してしまっているのは

恋愛物としてはわかりやすかったです。

 

奥寺先輩、司くんとのからみは見ていて

にまにましてしまいましたので

その後、あちらの二人とも

からんでくれたら嬉しいな~。

 

ロングもショートもいいですねv v

 

 

☆おばあちゃん&四葉ちゃん

配役で一番楽しみにしていた

おばあちゃんには大満足であります。

もう大昔に悪魔の妹やってるんだし

普通のおばあちゃんでいいのだよ。

 

四葉ちゃんも良かったな~。

おませな感じが妹の特権を満喫していて。

あの謎のお姉ちゃんが義理のお兄ちゃんになったら

かわいがってもらえるのではなかろうか?

と気が早い妄想をしてしまいます。

 

 

☆てっしー&さよちん

てっしーと三葉ちゃんとさよちんの

友情関係は心地よいものでした。

 

町長と土建屋の子どもに加えて

普通の子のさよちんがいることで

もたらされるバランスが良かったな~。

とはいえお姉さんが

役所勤めではあるようでしたけど。

 

ムーを持ち出すてっしーは笑います。

避難計画を考える時の

生き生きっぷりもなかなかのもの。

その後もお幸せに~v v

 

 

☆司くん&高木くん

こちらの三人組もなかなかよかった。

彼らは三人とも建築系なのかな?

カフェで内装を気にしておりましたし。

 

見せ場的に高木くんが

あぶれてしまっているのが

ちょっともったいなかった気がします。

 

 

☆奥寺先輩

記号的なキャラクターかなと思いきや

瀧くんと入れ替わっていたのが

三葉ちゃんということもあり

思ったより人間的でほっとしました。

女子会は是非やっていただきたい。

 

煙草の煙とか台詞の選択とか、ん?ということろも

なくはないのですが。

村上春樹は相性良くないしなあ(汗)

飛騨旅行を見ていて司くんがお似合いではと

思っていたらそちらに落ちついたようでしたね。

 

 

☆気になったところ

テンポ良く進んで、とても楽しい娯楽作だった分

あとからあれこれ浮かんでしまう点を整理。

 

彗星の軌道が間違っているらしいというのは

話題になっておりましたので

真っ先に気にしてしまいました。

ちゃんと直っておりましたけれど(笑)

 

タイムパラドックスの謎あれこれは

ハッピーエンドだから良いことにしています。

SF理論ではなく、これは「物語」なのですし。

 

宮水神社のご神体のある土地と町との

距離はその時その時変動するのかな~

SFだなあ、と思ってしまったりとか(笑)

 

三葉ちゃんがお父さんを説得するくだりは

制作側が説明している、あくまでも

「二人の物語」を優先してしたというよりも

「映像」を優先させたのではという印象です。

 

三葉ちゃん自身がお父さんに向き合ったのは

本当に数年ぶりのことなのだろうとは

思いますけれどね……

 

あと、ソフト特典のブックレットの企画書でも

指摘されていましたけれど

「入れ替わり物」というのは「男女の違い」を

明確に描き出してしまうため、構えていたよりは

描写が落ちついていたというのが正直な感想。

 

アングルもそこまで気にならなかったかな。

視点の持ち主がいれば

いわゆるすけべえカメラも不快ではないですし。

 

ただ自転車パンチラについては

三葉ちゃん短パンかスパッツ履かないの?

あー、でも中身が朝から瀧くんだしな……

とは思いましたけれど()

空を映したかったんだろうけど

アングル変えても良かったのでは。

 

ということでほぼ難所は「口噛み酒」の

くだりだけだとは思います。

ちょっと生々しすぎる。

 

・さよちんの疑問

・てっしーの擁護

・いじめっ子たちの嫌悪

・四葉ちゃんはおませな子

・三葉ちゃんはあほな子

 

という要素がブレンドされているので

監督の癖が披露されている感が

そこまで強くはないですが

ちょっと気になりますよね……

ましになったほうなのかな、あれは。

 

大昔は人形さんみたいな人物ばかりだったから

生身が付与されてきているのは

いいことなのでしょうけれど。

 

濁り酒のままなのかと思いきや

ちゃんと精製されていたことに

おお!となってもしまいました。

瀧くんおなかこわさなくてよかったね。

 

という具合で、結構隙が多い作品ではありましたが

『タイタニック』がそうだったように

メインの男女の物語に共感が集中しなくとも

あの中の誰かが私かもしれないと思わせる

東日本大震災を経た現在だからこその

シナリオが良かったですね。

 

それこそがヒット作に必要なもの

つまり「大衆性」なのかな?

と改めて思いました。

 

個人的にはとても気に入ったので

創作はちまちま進めていると思います。