『MOANA』

 

なぜタイトルが邦題の

『モアナと伝説の海』でないかというと

日本語版を見ていないからです。

 

速報段階の予告編を見た時から

「あ!これ私が絶対好きなやつだ!!」と

散りばめられていた要素に

ときめきレーダーが引っかかりまくりでしたが

決算期の公開&地方は字幕版なしのため

行くタイミングを逃しました。

 

日本語版ソフトもあと少し待てば出るのですが

輸入盤安いし買ってしまえ──!と。

 

台湾で『GODZILLA』と『マレフィセント』を

英語音声&中国語字幕で見た時よりは

わかりやすかったです。

英語字幕で国内も上映してくれたら

私は通うのにな~。

 

そんなこんなで脳内訳感想のため

細部に間違いがある可能性高いです。

キャラクターの名前が書かれていないのは

2回見ても覚えられなかった方々となります(酷い)。

日本語版見たら修正しようかな。

 

以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

 

簡単なあらすじ。

 

海には最初、何もなかった。

そこから世界を作ったのが

命の女神テ・フィティである。

 

しかしマウイという半神半人により

万物の力の源であるテ・フィティの心が盗まれ

炎の邪神テ・カーが目覚めてしまう。

 

マウイはテ・カーに負けたが

テ・フィティの心は失われたままであり

世界は滅びの道を歩み始めている。

いつか、彼女の心を戻す者が現れるまで──

 

物語は美しい海の島で始まる。

その島に暮らす幼いモアナは

子ウミガメを助けたことから

海で不思議な出来事を体験する。

 

長の娘である彼女はやがて

村人の指導者となることを求められていた。

成長しその役割を受け入れ始める彼女だったが

心はずっと、空と海の果てに惹かれていた。

 

モアナの住む島で異変が起こり始まる。

果物は実らなくなり、魚が捕れなくなる。

行ってはならないとされる沖の先に向かえば

魚が捕れるはずだと主張するモアナに対し

強固に反対する父親。

 

落ち込むモアナに対し、母親は真実を明かす。

父親は外の世界に惹かれる娘の姿に

冒険心で親友を失ってしまった

過去の自分を重ねているのだと。

 

それでも外に行きたいと

モアナは子ブタと共に沖へ向かう。

しかし強風と荒波に船を制御することができず

船は壊れ、浜辺に流れ着いてしまう。

 

私は村での気狂いを演じていると笑い

幼い頃からモアナに対し

自分の心に従うことを伝えてきた祖母は

封印されてきた先祖の記憶を彼女に見せる。

 

かつて先祖は多くの海を航海してきたが

テ・フィティの心が盗まれて以降

海の危険が上がってからは

島で変わらず暮らすことを選んだと。

しかし滅びは確実にこの島に迫っている。

 

危篤状態に陥った祖母に

マウイを探し出し、テ・カーを倒し

テ・フィティの心を返すことが出来るのは

選ばれたお前だけだと説かれ

モアナは覚悟を決める。

母親はそっと彼女を送り出す。

 

島を守るため、世界を救うため──

モアナはたった一人で冒険の旅に飛び出す。

 

☆☆☆

 

 

 

 

女の子主人公の冒険の旅というのは

いつでも何度でも

「新作」で見たいジャンルなのです。

ディズニー、ありがとうございます!!

 

どこまでも続く青い空、青い海。

緑豊かな大地、透明な美しい水。

炭化していく命あるもの、荒ぶる溶岩。

ふわふわの生き物、かさかさの生き物。

どの表現も繊細ですばらしかったです。

CG表現はどんどん進歩していくなあ。

 

パートナーへの信頼の物語が添えられただけで

恋愛感情あれこれがなかったのは

本当に良かった……

わかりやすい同年代美青年で

これができる時代が来てほしい。

 

恋愛いらないなあとよく言ってしまいますが

恋愛物自体は好きです。これは本当です。

でもメインの物語に必要な要素でもないのに

押し込まれてしまう恋愛要素は好きではありません。

 

音楽も大変すばらしかったです。

『ライオン・キング』や『ターザン』の方だけある。

大地の音は天下一品ですよね~。

あとメインテーマが力強く変化していくのも大好き。

 

物語についての細かい感想は

キャラクターと一緒に語るほうが

いいかなと思いましたので、以下に続く。

 

☆☆☆

 

 

 

 

☆モアナ

ジャスミン・ムーラン系の

わりと無茶するヒロインだったv v

 

彼女が海に選ばれた理由は

生まれたばかりの子ウミガメさんを

鳥さんの群れからがんばって守ったのを

認められたから、という解釈で良いのかな。

彼女なら「真実」に気づけるだろうと。

 

あそこまでわりと何でもできそうな

海さんなら、自分たちで返しても

いいんじゃね??となどと

思った疑問は後に解ける。

 

ムーランという主人公に見せたかった景色を

存分に見せてくれたという点で

彼女の生きる世界にはすごく満足しております。

 

『ムーラン』は個人的にものすごく

もったいなかったディズニー作品なんですよね。

何よりも名曲「Reflection」のその先が!

将軍の息子といい予感エンドというのは!!

納得いかなかったんだ──!!!!

 

「How Far I’ll Go」はこう変化していく

主題歌だったのか、と感動しました。

リプライズ、「 I Am Moana」の進化がお見事。

『ライオンキング』と『ターザン』も

変化がすごかったものな。

 

世界を救うためのこの旅は

彼女が自分自身を見出す旅でもあり。

「村長の娘」ではなく「モアナ」である故に

皆を導く指導者になり

大航海に乗りだすという最後はすばらしい。

 

 

☆マウイ

踊る入れ墨さんにびっくり、あれは別人格なのか。

生い立ちが語られるまでは

何なんだろう、この神話英雄によくいる

陽気なお馬鹿さんは、と思ってしまいました(汗)

 

人間の親に望まれなかった故に

神々に拾われその力を得ても

人間に必要とされるためだけに

使い続け、ついに禁忌に触れてしまった

哀れな人だと明かされます。

 

「You’re Welcome」を連呼してしまうのは

これが原因だったのか。

歌のパートでめんくらったのですが。

 

彼が航海者としての技術を

モアナに授けるくだりは本当に素敵でした。

最後に「Thank You」の返事として

「You’re Welcome」が言えるの最高です。

 

「魔法の銛」を持たない

「英雄」ではないただのマウイを

認められるようになるまでの物語でした。

もう彼は魔法の銛の使い方を

誤ることはないのでしょう。

 

 

☆子ブタ(プア)

島にいる間のお仕事ぶりには大変満足している

ディズニーお得意の主人公まわりの小動物その1。

あの子は子ブタでいいのか

大きくなってもあのサイズなのかが

気になっています。

 

モアナが冒険に出てから

あまりにも出番がなくて

驚いたのですけど、あれは一体何!?

 

いやだって、船に何か乗ってる??のところで

絶対プアが姿を見せると思ったんだぞ。

海怖いけど、がんばってついてきたんだよ

ヒロイン感をかもしだして!!

 

『ムーラン』の「幸運のコオロギ」こと

クリキー級のか弱いし、戦力にはならないけど

絶対に主人公を信じる強さを持つ「ヒロイン」と

なれる逸材と期待していたし

そして序盤の展開は裏切ってなかったのに。

 

荒くれ海の冒険の中で

素直な子ブタを動かしにくく

出番をカットされてしまった疑惑を持っています。

でもさらわれる役がプアなら

滅茶苦茶ときめいたのに、こんちくしょう。

 

船に乗れなくなってしまったせいで

ただの待ちヒロインになってた……

せめて真っ先に抱きついてほしかった……

最後はちゃんと一緒に旅に出られたようで良かった。

 

多分、大冒険も共にしていたなら

ムーラン&クリキーと同じく

モアナと結婚するのはプアだから!!!!

と真顔で言っていた可能性が高いです(爆)

 

 

☆ニワトリ(ヘイヘイ)

島にいる間だけの出番かと思いきや

大冒険でもお供していたという

ディズニーお得意の主人公まわりの小動物その2。

 

ヘイヘイが嫌いなわけではないのですが

その位置にプアも

なぜいてくれないんだ──!!!!と

画面を見ながら思ったぞ。

一緒に動かすのではまずかったのか。

 

おかしいなあ……

『アラジン』や『ムーラン』で3体以上人外いても

役割交換を要求することはなかったのに……

 

特に『アラジン』の登場人外は

多いほうですけれど、あれは本当に

みんな違う役を見事に果たしていてよかったんだなあ。

・しゃべるランプの魔神

・しゃべるオウム

・しゃべる洞窟の守り神

・しゃべらない子ザル

・しゃべらない魔法の絨毯

・しゃべらないトラ

……うん、みんな必要だね!!

 

本筋から逸れたところでさらに蛇足を加えると

『モアナ』作中にじゅうたん登場してましたよね??

 

 

☆おばあちゃん&エイ

真実をずっと守り続ける

謎のおばあちゃんの役割が素敵でした。

気狂いの役を引き受けていると言いつつも

やんわり表現で良かったですね。

まあ、ディズニーで金田一系は見たくないし←

 

エイの入れ墨が素敵でしたね。

光るエイはきれいだったけど

モアナの旅立ちの時点で

おばあちゃん死んじゃったのかと

すごく泣きましたぞ……

 

彼女の伝える真っ直ぐな言葉は

何度でも「新作」で語られて欲しいものだと

思いました。ムーランのおばあちゃんも

このぐらい踏み込んでほしかったかなあ。

 

 

☆子ウミガメ

子ウミガメが海に帰る映像を見るたびに

手を出しちゃいけないのは

わかっているのだが

そこの鳥さん全部追っ払いたい!!と

思っていた私の願望叶いました←

 

ウミガメは長生きですし、鶴の恩返し的に

絶対大きくなって再登場すると思ったのに

しなかったのにがっかりした……

エイに見せ場を持っていかれたんですね←

 

 

☆海賊

突然出てきて突然大立ち回りを始めた

謎の海賊さんたち&でっかい海賊船。

 

『マッドマックス:怒りのデスロード』は未鑑賞なのですが

予告編などチラ見しかしていない私でも

なんだこのマッドマックスは……??と

首を傾げてしまいました。おもしろかったけどね!

 

 

☆おばけカニ

コレクター気質とのことで

「魔法の銛」をずっと持ってた

おばけの海に棲むでっかいカニさん。

 

体になんでもくっつけてしまう

カニがモデルかな……?

歌って踊る悪役担当でした。

 

英語字幕で見ていましたけれど

歌詞えげつないなあ、と冷や汗出ました。

自前ミラーボール(?)もすごかったけど

闇に光るモードの時が

すごい色になっていた、ネオンか。

 

ところでこの化け物の海が

SWエピソード1の核の海っぽいのとか

ゴジラっぽい背びれが出てくるのとかは

パロディでいいんでしょうね。

 

 

☆炎の邪神テ・カー

冒頭のイメージ映像ではなく

主人公たちが対峙した時の

苦しそうな姿に違和感を抱き

正体に気づきました。

 

力を奪われた旧い神々は

化け物に変化してしまうという

超王道の展開ですけれど

ディズニーでこれを見られるとは!!

 

苦しんでいる異形というのは

駿さんの趣味らしく

ジブリでたびたび目にしましたが(汗)

納得いく理由が示されていることは

あまりなかったので、今回はすっきりしました♪

命の女神が海水に苦しむとかあんまりだわ←

 

万能海さんが彼女に触れることはできないので

人間の手が必要だったのですね。

他の種族でも良かったのだろうけれど

マウイが人間のために奪ったその力。

 

人間こそが「真実」に気づき

彼女を鎮め「心」を返す必要があった。

 

しかし今後のことを考えると

眠りについた彼女のまわりには

守護霊獣的な生き物たちが

いてもいいのではと思ってしまいました。

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

南太平洋が舞台というのは

今回が初めてでしょうか?

ちょっと細部表現については

これでいいのか怪しいところもあるのですが

キャラクターデザインなどは

まあ良かったほうなんじゃないかな。

『ムーラン』を思えば←

 

ディズニーは過去作品をリメイクする時に

同じ媒体は使わない方針のようですけれど

90年代のもったいない作品群を

また実写で作ってくれないかな~と

期待してしまっています。

 

『美女と野獣』もユアンさんのために

見届けなければなりませんね♪