『ファインディング・ドリー』

 

極爆BTTF鑑賞上京時に

地元では上映されていない字幕版を鑑賞。

 

予告編のきらきら海!水族館!!が

とても印象に残っていたので

是非鑑賞したい、と思っていた作品です。

 

実はニモは見ておりません(汗)

なぜかというと、あの頃のピクサーは

ありさんといいおもちゃといい

物語は「多分おもしろい」とは思うんだけれど

そこはかとなく漂う違和感が強すぎる……

ということであまり「好き」ではなかったからです(滝汗)

 

それならば問題点に気づけるけれど

夢に徹する当時のディズニー作品のほうが

まだいいかな……というね。

現代ディズニーに統合した今なら

物語も大丈夫だろう、と行ってきました。

 

感想を一言でまとめてしまうと。

 

短編からラストまで

私のための映画でした……!

ハンドタオルたくさん使いました!!

 

サウンドトラックとアートブックを

即購入。字幕版でどうしても見たいので

映画館に行くのは我慢しておきますが

何度でも行きたい世界にまた出逢えました。

 

では、以下詳細感想となります~。

 

 

☆あらすじ

人間にさらわれたニモをめぐる冒険から1年後。

マーリン、ニモ親子、そしてドリーは

サンゴ礁で幸せに暮らしていた。

 

ある日、エイの大群に近づきすぎて

激流にのみこまれてしまったドリーは

自分の家族のことを思い出した。

 

やっと思い出せた、ずっと忘れていた両親に

私は会いに行きたい──

ドリーの両親、そして過去をめぐる大冒険が始まる。

 

☆☆☆

 

物語はドリーの幼い頃の出来事から始まります。

彼女の「忘れん坊」という性質を考慮し

うまくやっていける術を教える両親。

決して否定せず、あたたかく見守る素敵な家族。

 

やさしい日々は突然終わりを告げ

幼いドリーはひとりぽっちで旅を続けます。

あちこちの海をめぐり、大人になった頃出会ったのが

さらわれたニモを追いかけるマーリンでした。

 

ということで前作を知らない私も

すんなりと物語に入り込める

見事な冒頭構成でした!

 

物語を彩るきらきら海世界と寂しげな旋律に

冒頭からハンドタオル必須状態でありましたが

音楽は『ウォーリー』の方だったのですね。

ああ、それは泣きますわ……

 

☆☆

 

ドリーの両親を探す旅を軸として

「あなたが欠点とみなすその性質すらも個性である」

「あなたは愛されている」

「あなたはすばらしい子である」

というような、ちょっと面食らうほどに

まっすぐなメッセージが込められている作品です。

 

古今東西の児童文学が、繰り返し繰り返し伝えてきた

「本当に大切なもの」がたくさんある世界でした。

最初に鑑賞後、まずまとめとして思ったのが

斉藤洋『しまのないトラ』のオールキャスト作品って

こんな感じだろうか……ということでしたしね。

 

何よりもドリーが「かつての子ども」である

というところがすばらしい。

 

子どもを肯定する作品はたくさんあります。

けれど迷子になってしまった「かつての子ども」に

また光を見せてくれる、世界を肯定してくれる

そんな作品はなかなか出逢えないのです。

作家さん自身が「かつての子ども」であるのにも

関わらず、です。

 

子どもを肯定する素敵な大人、が登場するだけではなく

大人自身をも肯定してもらえる。

なぜなら、世界は美しいから。あなたはすばらしいから。

 

これを見て大きくなった世界中の子どもたちが

振り返って、このメッセージのすばらしさに気づいて

また次の世代に繋がっていけるのであれば

きっとそれは素敵なことなのでしょう。

 

☆☆

 

同じく今年公開された『ズートピア』が

映画史に残る傑作であろうことは否定しませんし

私もあの作品は大好きなのですけれど。

 

タイトルからしてディストピアまっしぐらの

肉食・草食混合とはいえ

哺乳類しかいない(鳥類いなくてがっかり~)

ある種の人工(?)管理社会思想がベースにあり。

 

ラストで主人公ふたりが選んだ道といい

人類が目指すべき「正しさ」の「政治教育」が

ちょっと強すぎるかな……

と疲れてしまったことも確かでしたので。

 

『ファインディング・ドリー』は

「あなたのいる世界を肯定する」物語であり

同時代では最高出力なんじゃないかな~と

思ったりもしたものです。

 

何度でも伝えていかなくてはいかない

大切なことは、アップデート版を

どんどん出していかなければならないのですね。

 

☆☆☆

 

あらゆる種類の生き物がたくさん!いる

水族館大好きっ子には

もう宝物しか見えないような画面の連続でした。

 

水がきらきら、光がきらきら

生き物きらきら……きらきら!!

あれは何度でも映画館に行きたい画面なのですが

字幕版で見たいのでソフトまで我慢なのです。

 

みんな違った弱点を抱えていて

でもそれは弱点じゃないんだよ、という

あたたかい描き方がすばらしく

どの生き物も大好きですv v

 

水族館に行きたくなる映画でした。

でも今度タッチコーナー行くときは

おとなしくしようと思いました……おおおおお(涙)

ヒトデさんもナマコさんもべたべたさわるの

大好きでごめんなさいです──!!

 

……そういえば、きらきら人外映画すぎて

私個人からの単体ときめきはあれど

「カップル」萌えはありませんでしたね……

 

そこに確かな「愛」があって

血縁でなくても種族が違っても

大切な「家族」なんだよ!!という

ものすごく大好きなつながりが

たくさんある空間でしたけれど。

 

……ああ、これって『ジャングルブック』と同じだ。

つまり最高評価ということですね(爆)

海外ソフト出たら速攻入手していると思われます。

 

わりと物議を醸している印象の強い

同時上映短編映画も

世界はすばらしいんだよ!ほら、縮こまらないで!!

を全面に出してきた「大冒険」の見事な作品に

仕上がっていたと思います。

異種の友だちっていいものなんだね~v v

 

あとどうでもいいことなんですけれど

「エコロケーション」や「隔離」といった

単語が英語で繰り返されていた影響で

なんだろうこれ、『GODZILLA』(2014)を思い出す……

ともなっておりました。つまり最強評価なんですね。