カムイが顔見せしている
パートが長いので、劇画だと
こういう顔立ちなのか!と
全員わかった感があるのでした。
以下、感想です。
第12巻「山盗りの巻」
★第1章「木の間クズシ」
木の間党を追いつめるべく
侍たちを雇って(賃金は未払いだが)
いたのは一馬とわかりますが
すっかり権力者が板について……
偽者の木の間党として
侍たちが暴れまわるため
竜之進たちはじわじわと
追いつめられていくのです。
横目の屋敷は放火され
サエサは亡くなり、埋葬されますが
彼女は忍びなので生きてそうだ←
拘束されていたスダレは
再び非人たちに担ぎ上げられますが
敵は城の連中である、と揺らがない
苔丸がみんな好きだよ……
こちらの読み通り、仮死状態で
死を装っていたサエサは
カムイを求め、いずこへ向かうのか?
玄蕃と手風、侍と忍びの戦いは
苛烈を極めますが、火の術は
怖いですねえ……玄蕃はやけどを負い
人相が変わるものの、生き延びます。
新たな領主は日置藩の秘密を知りたいと
早速城代に持ちかけ、鷹狩りを開催し
家臣を撒くことで、成功するかと思いきや
城代は領主に突然刃を向けられ
家臣たちに切り殺されてしまうのだった。
領主の小姓として従っている人物は
女性であり、手風はくノ一と
見抜くのであるが、どの陣営でしょうか?
★第2章「何処へ」
小タイトルがまたがってるのは
不思議ではあるんですが
正助の狙いがわかるので
この区切りなのでしょうね~。
結ばれなかった非人と百姓、
正助一家たちは逃散を選び
苔丸は残ることを選択します。
一方、木の間党は百姓に
責め立てられたりと
試練の時を迎えるのでした。
馬がひどい目に遭っている……
そして城からの使いがやってきて
新領主の「恩赦」が告げられるのですが
蚊帳の外にいた竜之進は、臣下の切腹を
見届けても、一人戦おうとするのでした。
しかし多勢に無勢、引っ立てられていく……
見届けた小六さんはカムイのほうかな??
★第3章「音丸変化」
城代の突然の死、それも
原因が殿にあるということで
反乱を企てる城代派武士たちですが
目付派の動きも早く、続々狩られるのでした。
しかし一人だけ、生き延びることに
成功した侍がおりますが
手助けしたのはまたしても
カムイっぽいんだよな……
小姓として領主のそばに控えている
くノ一の幻術により、日置藩の
秘密を知る住職も死んでしまい、
覗いていた手風は状況の整理と
今後どう動くかを考え始めるのだった。
手風は百姓の女に術をかけることで
くノ一をとらえますが、どうなったか
ここでは明らかにならないのだ。
★第4章「始末記」
生き延びた侍が、将軍のお目見得に
なっていたということで
日置藩武士の状況が急変し
竜之進は江戸送りとなるのでした。
苔丸と竜之進の動きにより
百姓側の状況もひっくり返そうな
希望が見えてきましたが……どうなる??
江戸に投獄された竜之進は
一角と再会するのですが、
お互い偽名を使っているので
ややこしいですのう……
一角の説得はさすがではある。
日置藩の一連の騒動の取り調べは
役者がそろった感がありまして
(夢屋の抜かりのなさよ)
竜之進が苔丸から預かっていた
農民の訴状の出番がうれしいのです!!
最終的には「公儀の目を欺いた」ことが
決定打となるのは武家社会ではありますが
日置藩で悪事を重ねてきた者たちが
処罰されるのは、一時でもよかったよ。
切腹もかなわず死罪となった
一角は、最後の大立ち回りを見せ
串刺しとなりこの世を去るのです。
見届けた竜之進は今後どうなる!?
日置藩元領主も小姓のくノ一も
秘密を知ったため暗殺されますが
手風の介入により、くノ一のほうは
生き延びておりまして、今後の
彼女はどういう役回りになるのだろうね。
逃散した者たちの生活が
描かれますが、ダンズリさんが
幸せそうなのはうれしくなるね~。
一方、仲間を探している
正助とゴンは、彼らを見つけ出すも
人足として囚われてしまうのだった。
★第5章「山ヌケ」
夢屋の紹介で、鉱山の人足として
働かされている者たちの扱いは悲惨なもので
逃亡者に殺し合いをさせたり
犬に追わせたりは日常となっていた()
正助とゴンは皆で戦うと決意するが
内部で声をかけてきた人物は
味方なのか?と疑心暗鬼になりますね。
機械化が進んだ近代でも
鉱山労働は過酷なものでして
まして江戸時代であれば……
正助は人足の中にカムイの背中を
見つけ声をかけるのですが
カムイは変装した状態なので
確信には至らないのでした。
「義兄き」という表現から明確ですが
カムイの中で、正助株がどんどん
上がっていくの面白いな……
落盤事故で多数の死者を出すも
支配者たちの態度が変わらないため
人足たちも怒りをあらわにしますが
「見せしめ」として選ばれたのは正助だった!
変装したカムイは助けたくとも
追忍の存在があるため動けず、
という気になる引きで終わるのだ。
★第6章「屍移し」
目の前に迫る死への恐怖などなく
生への執着のみがそこにある
正助に気圧された侍ですが、
そこにゴンが立ち、鉱山の男が立ち、
次々に人足が正助に隣立つことで
見せしめも終了するのだった。
そして密告者が明らかとなり
なぶりごろしとなるのでした。
その機に正助は死体とすりかわり
カムイも追忍を一人撃退するも
仲間と対峙すべく、正助と別れるのです。
食事を絶たれ、いきり立つ人足たちですが
正助たちの助力すると語った男は
バテレンと判明し、十字架で犬を
誘い出して殺していくのだ……
飼い主が悪いと犬がかわいそうだ。
ゴンは止めていたものの、山抜けの
たれこみで目付を誘い出すことに
成功した人足たちは、とうとう
逃亡のための戦いを開始してしまう。
渦中の銅山は隠し銀山であると
赤目は夢屋に告げますが、山の権利を
落札すべき時を待つ夢屋のやり方を
受け入れられない彼は、先に行動を開始する!
★第7章「山盗り〔一〕」
山抜けに成功した正助は
人足たちが住んでいた村の百姓たちに
助けを求めますが、彼らの庄屋から
かくまってくれるものの立つことはなく
家族の元へ独り正助は向かうのでした。
カムイと追手が死闘を続ける場に
踏み入れてしまった赤目は
戦うか否かを迫られ、自己暗示により
なんとか逃げ延びるのでした。
腕……落ちてますけど!
正助は家族の元に帰りつきますが
日置藩の改易のほうに
浮足立つ仲間を前に、ゴン筆頭
鉱山の人々を救おうという訴えは
響かず……若者組に村を守るよう伝え
父と妻と息子だけを連れ、正助は戻ります。
非人たちは藩を離れてからの
自由な生活を振り返り「人」として
生きていくために正助の後を追うのです。
支配者たちと人足たちとの
本格的な殺し合いは止まることなく
ゴンの体を張った演説は届いたのか?
というところで場面は変わります。
日置藩に戻る船を待つ、ついていかなかった
一行に対し、とうとうアケミさんが
立ち上がるのですが、この台詞がすばらしくて!
アケミ「あたしは行くよ。」(中略)
「今このまま村に帰ってごらん。
あんたたちは一生それを
苦にして生きて行くんだ。」(中略)
「なにが「男の友情」だい。」
「酒をのんだときだけのざれごとかい。」
「女にだって友情はあるんだ。」
「人としての誇りだってあるんだ。」
「あばよ。」
後に続くのは「ムコ」と馬鹿にされてきた五郎、
女子どもも含む若者組、という良さである~。
そしてとどめの年長者である、じじばばのダメ押しよ!
つまり「守り」に入ったという名目で
《何もできなくなる》のは私たちである、という
読者へ突きつける刃の切れ味たるや!!
久々に入ったかのように見える
作者の語りですが、皆さん
眉間のしわが深まっているんだよな。