『ふしぎ遊戯 白虎仙記』第1巻

 

渡瀬悠宇の作品。

 

最初の単行本が出たときに読んでいたものの

休載でしばし離れていましたが、

追いかけ始めたらえらい展開が待っており

1巻ずつの作成となるのだった()

 

以下、感想です。

 

 

 

玄武の巫女となった娘を救うため

自殺した恩師より「四神天地書」を

引き受け、その処分を決意するも

何度も失敗してしまう大杉。

 

そしてやってきたその年の九月一日、

身動きが取れない大杉は一人娘が助かる可能性にかけ

その愛娘・鈴乃に本を開くよう叫ぶのだった。

 

――というように、悲劇を知っている

関係者が側にいるであろう鈴乃ちゃんが

白虎の巫女となった理由がこれしかない!という

鮮やかなオープニングなのでした。

 

そして読者みんなが恋の相手と知っている

婁宿とおぼしき兄弟に鈴乃ちゃんは出会いますが

名前が同じ兄か・年の近い弟か問題が発生するのだ〜。

 

鈴乃ちゃんが8、弟のカルムくんが12ということで

こっちが婁宿だと思うんだけど……と

読み進めていたのだった。憧れは兄のほうだけど

災害で家族を失った喪失から始まる

確かな交流があったのは弟くんとのほうだもんね!?

 

追っ手がかかり、虎に変化することができる

娘・寧蘭と二人だけで逃げることになる

鈴乃ちゃんですが(寧蘭登場短編も昔ですねえ)

彼女に害されることで力が発動し

着物と羅針盤を残して、現実世界に帰ってしまう!

 

白虎の物語はどうなってしまうんだろう〜と

はらはらしつつ、震災後の東京で

人さらいに捕まってしまった鈴乃ちゃんを

助けてくれるのは、見知らぬ軍帽の少年と

かつて多喜子に求婚した及川先生その人でした。

 

本が失われてしまい、十年の時が流れまして

昭和女学生として成長した鈴乃ちゃんですが

異世界の出来事にとらわれ虎の絵を描き続ける

諸々「どんくさい」女の子になっていたのでした。

女学生の嫌みの感じがリアル〜!!

 

及川先生の元で家族同然に成長したと

鈴乃ちゃんは認識していた正次くんが

恋心を抱いているので気の毒……

と思えるのは最初のうちだけなんだよこれが。

 

成長した鈴乃ちゃんはついに

奥田親子の悲劇にたどりついてしまい

及川先生に本の世界について打ち明けるも

育ての親は近付かないよう諭すのだった。

 

足を怪我したことで軍人の道を絶たれた

正次くんが鈴乃ちゃん押し倒しての

妻問いをするので、これだから

渡瀬作品男子は!おそうな!!

(少コミ作品男子でもあるけど!!!)と

うなってしまうのだった〜。

柳宿や及川先生好きなの、これしないのがでかいからな←

 

姉と慕っていた多喜子が

巫女となって神獣に喰われてしまったと知り

(お父さんの細かい語りは記憶の彼方なので)

正次の求婚に揺れる鈴乃ちゃんの前に

時が来たとばかりに四神天地書が現れるのだ〜。

 

ここでずっと止まってたんですよね……

物語が動き出すとあっという間なんですが!