可歌まとの作品。
第一部の締めがかなり良いので
一度区切るのです。
私は基本的に少女マンガだろうと
魅力的な「女の子」優先に読んでいるので
作中キャラ曰く《不屈のド根性だけが取り柄の小娘》の
夕鈴ちゃんはかなり好みのヒロインなのであった!!
以下、感想です。
「冷酷非情の狼陛下」というイメージ戦略で
一度乱れてしまった国を立て直そうとしている王様と、
縁談除けとして雇われた「アルバイト妃」である
庶民の主人公との、契約から始まる恋愛ものです。
読切、読切再登場、短期集中連載、
長期連載、と順当に物語が広がっていきますが
初登場時に披露されるキャラの魅力が
損なわれないままなのが嬉しいですね~。
絵柄がデフォルメ強めであり、この物語は
ファンタジー中国舞台の少女マンガです!という
主張が明確なので、大陸後宮あるあるの
えぐい成分はかなり薄め。宦官はいないよ!
とはいえまとさんは重い要素もさらっと
組み込める作家さんなので、
父王の一途な愛は身分の低い母には檻であった、と
語られたりもするんですよね〜。あの環境だったら
元の恋人がいたとしてもおかしくないもんな……
そこまでする必要はない、役割をこなすだけで良い、と
たびたび指導役に注意を受けるのですが
我らが主人公は「お人形さん」ではないので
体当たりな行動で失敗を重ねつつも
「味方」を増やして、偽りではない妃の座まで
たどりつく、という終盤の盛り上げは圧巻です。
基本的にメインの女性陣はヒロインの味方になる、
という傾向もよかったな〜。
常付きの侍女の嫌がらせとかいらんし、
恋のライバル?紅珠ちゃんも親友ポジションに落ち着くし
(妄想ましましの恋愛物語作家になったのは笑う)、
わかりにくいが助けてくれる叔母、もいいスパイスでした。
☆☆☆
男性キャラだと方淵さんが圧倒的に好きです!という
おまえの好みゆらがねえな具合である。
(ドラマCDの声優さんが岡本さんでよかった!!)
私は全方位に自己主張してくる
まっすぐな黒髪キャラがツボなので……
物語構造がここまで明確でなきゃ
夕鈴相手の当て馬として担当してたな←
敵対一族のお嬢さんとはいえ、紅珠ちゃんとの
カプは意外に合うのでは!?と初対面の場面で
思い始めました~。そしてこちらの
妄想がじゃんじゃん深まっていく
第二部でのやりとりである……