書籍版『他人屋のゆうれい』

 

王谷晶の作品。挿絵・澁谷玲子。

赤旗で特集記事が出てしまうぐらい

発売して大分たってしまってる~。

 

以前の記事では書籍版を期待していたのと

連載場所の関係で読者が限られてしまうな……と

思い、あまり核心部分については書かなかったのですが

今回は踏み込んでしまいます!

 

以下、感想です。

 

 

 

突然亡くなった伯父の部屋に

住むことになった主人公が「幽霊」を始め

様々な人に出会い「ちょっと」変わる

お話なのでした。やさしいまなざしがよかった。

 

「単語」を使って「分類」されてはおりませんが

セクシャルマイノリティの皆さんが

《普通にいる》お話だったのもよかったです。

 

大夢はわりと好きなほうの思考をしていて

にぶいんだか・するどいんだかと思いつつも

小石川さんたちとそれなりにうまくやっていけるんだろう

と思うのだ~。小石川さんが赤旗読者層に

大人気なのは!わかるが!!私も苦手なほうだよ(爆)

 

大夢の属性にも心当たりはあるけど

(ぶっちゃけ同族だと思うんですけど)

彼が知らない・名乗らなくともそれで大丈夫な

世界のほうが生きやすいんだよな~!!

 

「幽霊」の正体については、何か訳ありで

「生きている」人間なんだろう、と

序盤からわかりやすい描写がありましたが

彼女の人生を考えると悲しくなりますね……

 

とりあえず「今」は生きていて

何か考えたり何かすることがある、と

足元を振り返るには良き作品でした。