『カムイ伝全集』第一部第2巻

 

強くなりたいと抗い続ける少年カムイが

「忍」という強さを極めた存在と邂逅する

巻なのであった~。

 

以下、感想です。

 

 

 

第2巻「斬首の巻」

★第1章「赤猫」

百姓娘を襲う殿の元へ

カムイの刀が落ちてしまった

事件は、今後どう転んでいくのか?

 

オミネさんは城へ上がるよう正式な申し込みがあり

彼女は断るものの、年貢米に細工されるという

非道な囲い込みによって、親子共に下人にされ

夜伽を命じられたその晩に彼女は身投げし

死体は命令により非人が「家畜」と一緒に火葬し

正気を失いつつある父が非人里を火付けする……

 

というように羅列するだけでもきつい

権力の横暴による悲劇に涙することになります。

誰かー、忍びの女を呼んできて――!!

 

恋人を失い、実質闇討ちにより腕を負傷した

竜之進くんは殺気こもる魔剣の使い手となりますが

家老一門の上意討ちを狙った罠にかかることで

勘当され(父は生き延びさせようとしていた)

戦いの果てにカムイと出会うのであった。

 

 

★第2章「斬首」

年貢を納められず、生き延びるため

逃げ出した百姓一家の扱いについても

むごい「制度」構築がされておりますね。

連帯制度の強力さよ。

 

カムイはその秘めた才覚を認められ

非人頭に小姓になるよう誘われますが

独り強くなると決めている少年は断るのだった。

頂点に立つものはそれなりに豊かになるのね。

 

竜之進くんの刀を手にしているカムイですが

彼の現況は伏せられたままなのである。

百姓と非人の間の対立は子どもたちにも影響し

カムイを慕う幼子が殺されたことで

仇討ち騒動に発展するのであった。

 

自分の父が捕まったことをきっかけに

皆の前に姿を現した少年カムイは

そのまま処刑となりますが

物語はまだまだ続くのである!

 

 

★第3章「タブテ」

正助くんが学問に勤しんでいることが

侍にばれてしまうという展開を挟みつつ

侍に勝負を挑むカマイタチは誰なのか?

という謎がふくらんでいくのでした~。

 

そして前章で死んだカムイの

双子の兄が帰ってくるという

どういうこと??というお話が続くのです。

 

しかし不屈の精神はどちらも同じなので

焼きだされた里でひとり生きようとする中

彼を兄貴と慕う少年タブテが仲間となりますが……

 

領主の狩場に逃げ込んだ獲物を取る=密猟をする際

カムイは痕跡を残さないよう慎重に進めるものの

タブテは大物をどんどん狩ってしまうため

嫌な予感しかしないのである。

 

とうとうタブテは密猟の実行犯として捕まり

子ども相手でも容赦しない拷問にかけられ

つるし上げられますが、嵐が味方し

生き延びるのであった……彼の再登場はいつか?

 

 

★第4章「鉄山」

カマイタチの正体はカムイ、と

この章で明らかになるのです。

そしてとうとう侍側に死者も出る。

 

領主も腕の立つ流れ者を雇うことで

カマイタチに対抗しようとしますが

家臣の権力闘争が強く影響し

新キャラはあっという間に退場するのだった()

 

カムイが沼の主である巨大なコイを

釣り上げたことをきっかけに

カマイタチ退治の侍に襲われますが

剣客・鉄山と遭遇することで生き延びます。

 

鉄山の住まいを見つけ出したカムイは

弟子入りを申し出るのですが

なぜ強くなるのか?に対する答えが重いよ……

 

カムイ「貧乏なんかなんでもねえ!!」

 「日本一つよくなればおらは自由だ!!

 どうどうと生きていけるだ!!誇りがもてるだ!!」

 

へりくだった「下々の」言葉もお手の物ですが

少年カムイが尊敬すべき相手には

すらすらと敬語が使えるのお見事です。

 

しかし剣の道を究めた鉄山も

忍の技によって追い詰められ

死んでしまうのです。少年カムイの

道はどこにつながっていくのであろうか!?