「生誕90周年記念 手塚治虫展」

 

2019年6月15日(土)~8月25日(日)

茨城近代美術館にて開催。

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90周年か――と

ちょっと遠い目になるなど。

 

手塚さんが亡くなるぎりぎり前に生まれたのは

私の幸運のひとつですね。

同じ時代に呼吸できたよっっ。

 

グッズは私の趣味から微妙にずれていたので

(トイレットペーパーとかどうするんだ???)

図録のみ購入させていただきました。

 

以下、感想です。

 

 

 

 

★マンガ家になるまで

昆虫図鑑の絵は同い年の頃から

本で眺めておりましたが、うますぎる……

虫の絵あんな風に描けたらいいのになあ。

 

このコーナーで戦争体験を題材にした

作品がすでに並び始めていて

なんだこの線は……と展示の前で

止まってしまいました。詳しくは次のコーナーにて。

 

 

★マンガ作品について

マンガ家さんの原画展は

あちこち通わせていただきましたが

ダントツで描線が「柔らかく」

コントロールされていて美しかったです。

 

トキワ荘組も相当きれいだと思ったけど

(特に水野さん)これは……すごいな、うん。

 

あの手塚さんの線が描きたくて描けなくて

悔しかったんだよ――懐かしい。

結局、自分の線を磨くしかないのですよね。

 

あと、こんなに原画は修正が多いのか!!と

逆に驚きました。一度ペンを入れた絵も

ぎりぎりまで構成して描き直している。

……この方、月間枚数いくつでしたっけ?

と、首をかしげてしまいましたよ。

 

手塚さんご本人は

線が描けない、絵が描けないと

苦しんでらしたそうですが

晩年の作品(未完の遺作群)は

少年少女のかわいらしさが

初期の雰囲気に戻りつつあって大好きです。

 

テーマについての展示が別スペースで

解説つきになっておりましたが

あんまり好みの配置ではなかったかな。

 

『陽だまりの樹』関係で

水戸藩資料を見られたのは嬉しかったのです。

ああいうのが!もっと見たい!!

 

 

★アニメ作品について

虫プロの全然動かしてないけど

動いているように見える!の

技術はすごいよな……うん……

と、改めて思いました。

 

今日の「アニメ」「ジャパニメーション」を

支える土台がこの時に出来上がっている。

ただ、東映動画好きとしては

ちょっとねえ……悲しいよねえ……

 

こちらについては大塚さんの本を

読み直したのであらためて書きますが

アニメーション史の転換点だったのは

間違いなく、それでよかったのかな?とも

受け手としては考えてしまうのです。

 

虫プロの毎週、子どもたちに

動いているアニメを見せる!という気概

特にカラー作品に顕著な、凝った色彩設計

手塚治虫による魅力的なキャラクターデザイン

雄大な音楽、といった長所は好きですけれど。

 

もしあの転換点が違っていたなら……と

思ってしまうのはぜいたくなんだろうなあ。