『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』

 

Netflix作品(配信はこちら)。

 

PVの印象と変わらず、模範的な戦争映画の中に

白い悪魔の恐怖が織り込まれておりましたが

思っていたより「ガンダム」の物語でした。

 

80年代後半~90年代初めの

OVA名作が好きな方向けであったな。

ゲストキャラもいましたしね!

 

以下、感想です。

 

 

 

「一年戦争」という歴史を知っている前提で

どんどん話が進んでいくのは、「語り手」が

違うガンダム史という感じである。

これはパラレルとも違うんだよな……

 

企画していた時はジオンの元ネタである

ナチスドイツのヨーロッパ侵攻を

イメージしていたと思うのですが

世界情勢で印象変わってしまうという……

 

中立の医療組織のメンバーである

医者は登場するものの「民間人」は

全て撤退済みである、というのも

略奪の光景が過酷にならなくて良い配慮だったな。

とはいえ「奪って」はいるんですけどね……

 

ザクの動きはがっこんがっこんだな~、

ゲームエンジンらしいしそうなるか……と

眺めていたところに、ガンダムが

スーパーロボットの動きを披露するのは

ずるい流れだ。てか怖すぎんだろ!?

 

やはり機械の計器はアナログだな……と

自動車運転でも思いますし

ザクの降下、ザクの戦闘、ザクの組み立てと

ザク祭りであった。ジオンの話だからね!

 

主人公が変化していくのは仕方ないものの

過酷な状況下で成長する(のを待つ)のは

成人主人公では見たくねえなあ……という

視聴者にもストレスフリーなキャラぞろいでした!

 

戦争映画はキャラ立ての「型」が

かなりそろっているジャンルとはいえ

《その一カットがあればどんな人かわかる》

という隙のなさがテンポの良さにつながるんだ。

 

甘ちゃん担当はレッドウルフ隊の末っ子と

ドクターでありましたが、あの甘さが

命取りになったり、己の考えは変えないけど

当人にはそのままでいてほしい、といった

ドラマにつながるのは良いね~。

特に医者は光のドクターマンガのほうが特殊なので←

 

☆☆☆

 

ガンダムのパイロットくんへの喪失感がひどい……

しばらくはぼんやりあの子のことを考えてしまう。

画面に「民間人」いない配慮からの

少年兵はふいうちでひどかった(スタッフをほめている)。

 

あのキャラデザインの中に「子ども」を

放り込むと、本当に子どもなので

なんでこんなことになってるんだ感がすごい。

 

連邦からすればジオンは侵略者ですが

ずっと収奪されてきたという鬱屈自体は

否定できるものではなく、特に前線の兵士に

決定権など存在しないので、無常……

 

字幕で見ているとキャラ名が出るのですが

クレジット見る限りでは名前のない、

存在を抹消された少年枠ですよね。

連邦はあの子たちに何をしたんだよ……

 

主人公・イリヤさんはかなり「好き」寄りの

キャラクターだったんですが、

おそらくニュータイプ同士の交感があったろう

かの少年を救えなかったことで、戦場から

離れられないひとになってしまったんだろうなあ……

色々最後に語りを足していたけどさあ……

 

なので続編で登場するとしても

それは視聴者が一緒に逃避行してきた

イリヤさんではないのだ……という

バッドエンド気味ではあります。

 

しかし回線オープンで口論するのは

富野サンライズっぽい!!となるのであった←