アガサ・クリスティーの冒険活劇を買いました。
どちらもバトル警視物です。
クリスティーの作品は、読んで損することはありませんけど
冒険活劇は特にそうですね!
ミステリーよりこっちの方が、文章は活き活きしています。
たぶん彼女が若い頃の作品だからでしょう。
以下、ネタバレです。
※19.06.21、加筆・修正※
※24.09.11、記事を二分割※
バトル警視物第一作。
既読済みなのは最後の登場となる
『ゼロ時間へ』のみです。
キーワードは次のようになりますね。
・王政復古で混乱中のバルカン某国
・敏腕政治家の回顧録
・フランスの宝石泥棒
・美女の窮地を救う快男児
・館に集うひとくせもふたくせもある人物たち……
これだけの要素がもりだくさんでありながら
最後には全てがつながるというすごさ。
クリスティー作品には魅力的なカップルは多いですけど
主役の快男児アンソニーと、未亡人の美女ヴァージニアは
これまたすごいですね。
そしてバトル警視のような渋い人物はすごく好みです。
若い頃はどんな人だったのでしょう?気になります。
以下、核心部分のため白文字です。
なんとアンソニーは某国の王子様だったんですよ!
ヴァージニアと結婚して
このあと国に帰って王と王妃になるんだとか……
え~!?ですよね。
冒険活劇だから許される展開ですな。
でもヒントはばらまいてあったんだから、気づかない方が悪いのか(笑)
めずらしく頭のいい美男美女同士が結婚するのですが
国王夫妻になるんだったら、それもいいかな。
宝石泥棒キング・ヴィクターは、フランスですし
どこぞの怪盗紳士が念頭にあるかもしれません。
彼も変装の名人でしたね。
フランスの警部?は、フィッシュ氏が白とわかってから
やっと怪しいと思い始めました。
あ~、まただまされちゃったよ!私っていい読者ですね(笑)
この大団円の物語でかわいそうなのは
ヴァージニアに振られてしまったビルくらいかな?
次のお話で大活躍をするのは
クリスティーが気の毒に思ったからでしょうね。
だって彼はクリスティー作品に典型的な「いい人」ですから。
☆☆☆
このままいくと、クリスティー作品は全部制覇できそうですね。
冒険活劇物はそろえたいかな~、あと数本ぐらいしかないのですけど。
ミステリーの女王であることは否定しないけど
個人的には物語の女王にしたいですね。
ミステリーの枠にとどめてしまうのはもったいない!