芥見下々の作品、全30巻予定。
ジャンプ本誌は目を通していたのと
最終回事前キャンペーンでまとまった量を
再読できたので、一応書いておこうかなと。
以下、感想です。
CLAMPあたりもそうなのですが
突然変異的・強烈な個性の作家というよりは、
影響を受けた作品・作家を隠さない
パッチワークが上手いほうに属する作家さんですよね。
とはいえ連載開始時は新人さんの枠でしたし
渋谷事変の話までに見せてくれていた
主人公を中心とする関係性の構築は気に入っていて
(野薔薇ちゃんとの結びつきは特に良かった)
好きなほうの作品ではありました。
これは作品単体での評価ではないので
ちょっと酷いかなあと思うんですが←
渋谷事変「連載」時のジャンプ本誌において
《主人公の平穏な世界が壊れる話》が複数続いており
この巨大イベントを経て、作者は主人公を
どうしたいのか?という問いに対し、
あまり上手に答えているほうの作品ではなかったんですよね……
虎杖くんが渋谷事変時に出した答えは
読者視点で読むならば《いずれは覆されるであろう
一時的な答え》とわかるものの、
彼がそれを覆すに至るまでの
周囲の環境・人物の状況がちょっと……
ひどすぎない???という具合だったので
(野薔薇ちゃんは昏睡状態ぐらい示唆してもよかったんじゃないかなー)
主人公の地獄に付き合う欲がダウンしてしまったのでした。
あとこれは完全に編集さんが
気を配ってほしかった案件なのですが
単行本やガイドブックを入手してない層の読み手にも
読者の感想にすべて回答を出したがる作家さんかな???
と伝わっており、各所で起きていた問題も
もうちょっと平穏に解決できたのではないかと疑問です。
この手の「妖怪」バトルものにおいて
戦う相手が妖怪→人間にスライドするのは
わりとあるあるなんですが、
とはいえ作中設定では「人間が生み出す呪い」なので
メイン敵役の皆さんは最後までいてほしかったようにも思いますね。